こんにちは!カラオケの十八番は『信濃の国』。観光学部地域再生学科北村ゼミの牧野優生です。
和歌山大学も第2学期補講・試験の期間が終わり、4月までの長い休暇が始まりました!
この機を利用して、旅行に行く友人が多いようなのでたくさんのお土産をもらえそうです。(勝手に期待しています。)
春は別れと出逢いの季節です。私の住む女子寮も、4回生が退寮の季節が近づいてきました。先日は女子寮の追いコンが行われ、寮歌を歌って卒寮を祝いました。
今回は新テーマが「和歌山大学の歴史」ということなので、寮歌の歴史を少し紐解いてみたいと思います。
和歌山大学の寮歌は『花の霞に』といいます。歌詞や楽譜はコチラからご覧いただけます→PDF
この寮歌は、吟唱から始まります。歌詞は7番まであり、①花 ②春 ③夏 ④秋 ⑤冬 ⑥真理(まこと) ⑦友 の題名の通り、冒頭は入学の喜びを、次いで春夏秋冬の四季それぞれの恵み豊かな自然の中で学び育つことを、そして探求する心や姿、最後に友情を歌っています。
この曲の作詞は吉田 正巳氏、作曲は打垣内 正氏。お二人はどういった人なのでしょうか?
大学の同窓会誌(1996,1997年版)によると、この寮歌は昭和15年(1940年)に紀元2600年を記念して作られたものだと言われています。またそれまで歌われていた『潮さかまく』は、手を叩いて歌うには良いものの、寮を代表する歌としてはやや品格にかけるため、格調高い寮歌を作ろうと、この曲の制作が始まったようです。ちなみに和歌山高商励行寮寮歌としては『潮さかまく』と『淡路が島に』という曲が和歌山大学学歌集(写真)に残っています。
(もしこのCDをご所望の方がおられましたら広報室までご連絡ください)
まず募集されたのが寮歌の歌詞です。
その昭和15年、和歌山高等商業学校(現和歌山大学経済学部)に第18期生の寮生として入学した1人に吉田 正巳氏がいました。出身の竜野は三木露風などの著名人を輩出した地でありますが、吉田氏もまた詩作に情熱を燃やす文学青年であったそうです。
春から夏にかけて募集され、選考を経て最優秀作品として選ばれたのがこの『花の霞に』。吉田氏の作品でした。
その後、このすばらしい歌詞にメロディを付けて完成させることとなり、和歌山県師範学校(現和歌山大学教育学部)に優秀な作曲のできる先生がいるということで、当時和歌山県師範学校で教鞭をとっていた打垣内 正先生が担当することが決まります。
こうして完成した『花の霞に』。残念なことに作った当時の制作に関わった寮生は寮歌集が完成するのに時間がかかり、寮生としてこの曲を歌うことなく寮を出たとか・・・。
しかし、その後和歌山大学生の間で、逍遥歌やクラブの部歌としても広く愛唱されました。卒業されたあとも同窓会など飲み会の最後に肩を組んでみんなで歌うこともあるようです!
現在は、寮生が追いコンや新入生歓迎会の際に歌っています。入寮した瞬間に必死になって7番まで覚えたのも今となっては良い思い出です。こうして、歴史をさかのぼってみると、かなりの歴史の詰まった曲だということが分かり、寮生として歌うチャンスをいただいた私たちはこの歌をこれからも大切に後輩たちにも継いでいきたいと思いました。
改めて歌詞を読んでみると、現代はあまり使わないような難しい言葉も、なんとなく想像でき歌詞を理解することができます。わたしは特に⑦の「ああわが友と円居(まどい)して 巡る四星霜(よとせ)の春秋の つきぬ理想を語りつつ 友情(なさけ)の盃をくみ交わす 今宵(こよい)宴の花むしろ」という歌詞が好きです。
これからも一緒に過ごし、学び、遊び、話す時間を大切にし、出会った友との友情を大切にしようと思います。
今回は、寮歌の歴史を垣間みてみました。
次はどんな歴史が分かるのでしょうか?お楽しみに!