こんにちは!

5月病になる暇もなかった経済学部3回生の森脇です。

3回生にもなるとほとんど授業を取り終えて、

自分の興味のあることにたくさん時間を割くことができるようになってきます。

ゼミも本格的に始まり、

これからが大学生の醍醐味だなとやる気に満ち溢れている今日この頃です。

 

さて、ブログテーマは「となりの主人公」ですね。

前回の教育学部長・永井先生に引き続き、

今回は4月から新しく学部長になったこの人!!

 

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足立基浩 教授です。

 

和歌山の商店街を歩けば先生の周りに人だかりができるという武勇伝を持つ男...

和歌山という土地を拠点に国内外での調査をもとに、

中心市街地活性化について研究をしています。

学部長である今もゼミを持っていて、

卒業したゼミ生が中心となって「足立祭」というゼミ総会が開催されるほど、

学生との関係がとても深い先生です。

 

「経済学は社会の医者」

高校生の時の将来の夢はなんと医者!

 

人の身体を治して、人の役に立ちたい・・・

そう思って浪人をし始めたとき、本当にたくさんの人を助けることができるのかと疑問がわいてきました。

当時は日本がバブル経済になりたてのころで社会体制が大きく変化している時代・・・

 

日本は豊かであるが、そうではない国も世界にはたくさん存在している

 

そしてアフリカやアジアの情勢について興味を持って調べているうちに、

世界の人々を幸せにするためには経済の安定が大事であることがわかり、

経済学を学びたいと思ったそうです。

そうして、文転をして経済学部に入学することを決めました。

憧れの土地経済学専門の先生のゼミに入り、フィールドワークをし、

実際に目で見ることの大切さを学んだとか。

そして大学4年生になって進路を考えたとき、

自分はもっと勉強したいと思い、大学院を目指しましたが、

ゼミの先生がアメリカへ留学してしまい、しょうがなく就職活動をすることになりました。

 

「人生の転機」

朝日新聞の記者として殺人事件や事故などを取材する担当になり、

毎日が嫌になってもう一度自分のやりたいことを見つめなおしたとき、

研究者になりたいと再確認したそうです。

 

世の中を動かすのには知識が必要、常に最先端に触れていたい、

経済学は社会の医者である!

 

高校生の頃の思った気持ちを再確認し、経済学者になるしかないと決意しました。

 

そして、その決意を胸にケンブリッジ大学の大学院に入学し、

自分の研究したかった土地経済学と経済政策について学び始めました。

入学して一番よかったことは田舎の良さに気付いたことです。

これまで都会がすべてだと思っていた自分は視野が狭かったのだと衝撃を受けました。

牛や馬がキャンパスにいて、図書館で勉強していると窓から声が聞こえてくる、そんなケンブリッジで学び、

これからのやりたいことが見つかったそうです。

 

「センチメンタル価値」という、人それぞれの思い出や感動を取り込んで経済モデルを作っていきたい!

 

「センチメンタル価値」とは、経済学はお金だけではなく、地域への愛着が不可欠であるという考え方です。

 

また、和歌山大学に来るきっかけもこのケンブリッジの地にありました。

それは山田先生と出会ったことです。

(山田先生は和歌山大学理事兼副学長を務める人です、

詳しくは前々回の山田先生のブログをチェック)

ケンブリッジのマクドナルド前で道に迷っているところを助けてもらい、

山田先生の研究分野も当時経済学だったこともあり、意気投合し

いつしかケンブリッジで一緒にパブへ通うほどの仲になり、

そこで和歌山大学で教鞭をとることを勧められたんだよ、と、

当時のことを詳しく話してくれました。

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「和歌山大学で経済学を学ぶこと」

足立先生が和歌山大学に勤めてもうすぐ20年になる今、経済学部の学部長になりました。

そして社会の変化とともに経済学部も大きく変わろうとしています。

世界のことも知りながら地域の事にも詳しい、

そういう学生、学部、大学を目指していきたいとこれからの和歌山大学のビジョンを話してくれました。

そして、経済学で社会をよくするための治療薬を開発していきたいという目標をもっておられることを知りました。

 

日本の8割以上が地方であり、日本の人口の4分の3が地方に暮らしています。

日本を元気にするには地方の事を見て見ぬふりしておくことはできません。

都会と同じやり方でやってもうまくはいかない、その土地に応じて対応しなければいけない。

和歌山の不便なところ、自然が多いところ、世界遺産があるところ、

和歌山にある大学だからこそできる、世界に通用する学びがあることに私たち自身が気付いて、

考えていきたいと、取材を通して思いました。

 

経済学は本来社会を幸せにするための学問です。

しかし今、経済学は逆境にさらされています。

もし、社会の幸せを追究する学問がなくなってしまったら・・・?

もし、誰も考える人がいなくなってしまったら・・・?

もし、経済学が学べなくなってしまったら・・・?

そうならないためにもっと経済学のことを知りたいと思えました。

 

和歌山で経済を学ぶ意味を大学全体を巻き込んで考え、戦っていこうという力が

自分に直接関係するところで強まっている!!

 

そんな経済学部で勉強ができているのだと気付いて、

今とてもワクワクしています!