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彼女を駅のホームで見かけた、と同時に目が合った。彼女はいかにも話しかけてこいという表情をしている。「どこに行くの?」僕は答えた。「○○駅まで」という彼女の顔の輪郭はぼんやりしている。なるほど同じ方角の電車だ。あくまで自然な成り行きで一緒に電車に乗り、ボックス席で向かい合い会話を楽しむ。○○駅に到着、ドアが開く。彼女はドアに向かう。「待って、このまま遠くに行かないか?」僕は後ろ姿に向かってそう引き止めた。彼女は嬉しそうに振り返り「○○」と言って笑った。

 

これは2017年10月6日の僕の夢で、自分の夢を文章化し記録することを夢日記という。しかし、良い子のみんなはマネをしないで欲しい。この夢日記をすると、本来忘れなければならない夢を記憶することになる。繰り返すうちに夢と現実の判断がつかなくなってしまう。そのうちに、精神に異常をきたす。実際僕も3日間夢日記を書いたことがあるが、3日目に自分が人のお金を盗む夢を見て、夢か現実か分からなくなり、自己不信になってしまった。恐ろしい。

 

先日、これと似たようなことを経験した。シュノーケリングのような機械で目を覆い、ヘッドホンで耳を塞ぐ。見える風景、流れてくる音は別の世界。バーチャルリアリティと呼ばれるVRだ。友人の家で体験させてもらった。1時間ほど海の中の世界を体験したのだが、機具を外した後、足元が少しふらふらし、頭が少しぼんやりする。

 

夢日記の時に感じた程の恐怖は無かったが、VRの恐怖の可能性は計り知れない。憧れのあの子の写真画像を取り込みVRで再現。そして結婚。出産。そして子供が和歌山大学システム工学部に入学。これは夢か現か--。

 

VRは最近とても話題でゲームはもちろん、医療現場、不動産業などで活躍が期待されている。たが、本当に大丈夫なのだろうか。人間の営みに悪影響を及ぼすのではないだろうか。それは、誰にもわからない。

夢の中の彼女はまだ笑っている。

 


 

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