グレゴール・ザムザはある朝、なにやら胸騒ぐ夢がつづいて目覚めると、ベッドの中の自分が一匹のばかでかい毒虫に変わっていることに気がついた。

(山下肇・山下萬里訳、岩波文庫)

 

 

 100年以上の時を経ても、今なお、読み継がれるフランツ・カフカの名作「変身」。僕は村上春樹に触発されて読んだ。彼の言う"変身"とは。100年の時を超えて、フランツ・カフカを読み解く。

 グレゴールは毒虫になった後でも人間として振舞おうとした。人間として抗おうとしていた。家族のことを思い、なるべく姿を見せなかったり、ヴァイオリンの音色を素晴らしいと感じたり、最後の最期に家から逃げずに「人間」として息を引き取った。姿は毒虫になってしまったが、心までは"変身"しなかったのではないのだろうか。

 一方の家族は、最初のうちは人間として接していたが、姿を見て驚いたり、リンゴを投げつけたり、グレゴールのことを「これ」と言い放ったりするうちに、彼を毒虫として扱うようになった。家族は彼を"変身"させてしまったのではないのか。

 

"変身"とは心の中にある。
フランツ・カフカはそう言いたかったのではないだろうか。

 

さて、読者諸君。7/15(日)に和歌山大学でオープンキャンパスが開かれる。

テーマは「君も、一日大学生」。

大学生になるというのは、試験をパスして入学したらなる、ものでは無いと思う。

君自身が体感して考えてほしい。

まずは、15日に高校生の姿で、大学生になってみよう。大学生に"変身"してみよう。

 

 

君も、一日大学生