国立大学法人 和歌山大学

環境保護運動の先駆け

海と山と歴史のある和歌山、国際空港に近く世界遺産を擁する和歌山・・・和歌山は、観光立県をめざしています。しかし、これからの観光は、環境を作りかえる開発型ではなく、サステイナブル(持続可能な)なものでなければなりません。

そこで重要となるのが、「環境保護」ということです。

天神崎 ナショナルトラスト運動

田辺市にある天神崎は、田辺湾の北側湾口部に位置している。岬(日和山)の前面に平たく広がっている磯は、生き物の宝庫である。 30年ほど前に別荘地開発で天神崎の自然環境が破壊されようとした時に、市民が立ち上がり、天神崎の自然環境を守るために一帯の土地の買取り運動(ナショナルトラスト運動)を始めた。この運動は共感を呼び、現在も困難を乗り越えて進められており、日本を代表する自然保護運動の一つになっている。

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  • 南方熊楠顕彰館=田辺駅より徒歩すぐ
  • 南方熊楠記念館=白良浜、白浜温泉、千畳敷、三段壁など観光スポットが多いが円月島もそのひとつである。記念館は、その近くにある。

和歌の浦 自然環境、歴史的景観の保全

和歌山市にある和歌の浦は、万葉歌に詠まれた有名な景勝地である。その中心は、和歌川河口部に広がる干潟である。これまでの開発やコンクリート護岸により、干潟の自然環境と景観は損なわれているが、現在でも和歌の浦は、多くの希少種生物が生息する、近畿圏で最大の干潟として、また、万葉以来の歴史的景観の地として息づいている。ここ20年来、和歌の浦の自然と景観を保全するために、熱心な住民運動が続けられている。(和歌山市駅、JR 和歌山駅よりバス30 分)

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(写真左:和歌浦・不老橋 写真右:潮干りで賑わう和歌狩の浦の干潟)

神島 天才熊楠が守り抜いた生態系

天神崎の近く、田辺湾に浮かぶ小さな無人島、神島は、人手が入ったことのない生態系の宝庫として、国の天然記念物に指定されている。この島の生態系を守り抜いたのは、和歌山が生んだ世界的な博物学者にして民俗学者である南方熊楠である。

幼い頃から並はずれた記憶力と好奇心を持っていた熊楠は、英米留学から帰国後、田辺に定住し、熊野の山に分け入って粘菌を探し、人々の話を聞き、資料を読み、イギリスの科学雑誌などに次々と論文を寄稿した。あらゆる点で世人のスケールを越えた、豪放反骨の人として知られるが、故郷の人々には慕われたという。

「エコロジー」という言葉を日本で初めて使ったともいわれる熊楠は、明治政府の政策で全国の神社の森が失われ、自然環境が破壊されてゆくことに、猛烈な反対運動を繰り広げ、自然環境保護の先駆者としても知られる。現在、田辺駅近くの旧南方邸隣に南方熊楠顕彰館、白浜の円月島近く、神島を望む岬に南方熊楠記念館が建てられている。

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