「外国につながる子どもへの教育支援プロジェクト」紹介
公開日 2021年03月18日
紀伊半島価値共創基幹では、地域ニーズを大学における研究テーマとして取込み、地域課題を大学に蓄積された知的資源を活用して解決する取り組みを進めていきます。令和2年度に発足した「外国につながる子どもへの教育支援プロジェクト(プロジェクトマネージャー:長友文子国際連携部門教授)」は、このような「地域ニーズ型」のプロジェクトとしてスタートしました。
本プロジェクトでは、日本で生活する外国にルーツをもつ子どもに対する母語・日本語でのサポート方法等の研究を行っています。また、母語・日本語でのサポートを通じて、本学の学生に「多文化共生の担い手」としての意識を育成することを目指しています。
( 留学生と小学生のオンライン交流の様子 )
令和2年度は「やさしい日本語防災ハンドブック」を作成
令和2年度は、外国にルーツをもつ子どもに留学生がオンラインで母語・日本語のサポートをするとともに、「留学生と日本人学生の共修」という形で、近年、多発している災害をふまえ、和歌山県内で生活する外国にルーツをもつ子どもたちが安心して生活を送ることができるように、「こどものためのやさしい日本語防災ハンドブック」を作成しました。日本語に慣れていないこどもを想定し、極力読むのが難しくならないように掲載内容を厳選し、ページには余白を多めに設定しました。
( やさしい日本語防災ハンドブック作成の様子 )
初回のミーティングでは、学生から、「情報が多すぎると読まないし、覚えられないのではないか」「和歌山大学のマスコットである わだにゃん を使ったらどうか」「日本語は、カタカナが難しい。ふりがなをつけたらどうか。」「避難場所を明確にすることが大事」といった意見が出て、これらの意見を基礎にしながら、何回かの意見交換を重ねて作成しました。わだにゃんのイラストは日本語・日本文化研修留学生のNatasya Wanda Aryandさんが作成してくれました。
このハンドブックは外国にルーツをもつ子どもへのサポートとして使用いただきたく、和歌山市教育委員会や和歌山市国際交流課、和歌山県国際交流協会に配布させて頂きました。これから、その他にも和歌山に住む外国人の方等へ配付させて頂きたく考えております。もしご入用の場合は、紀伊半島価値共創基幹(TEL:073-457-7127)にご連絡いただきますよう、宜しくお願い申し上げます。
参加した学生からの感想
私は和歌山大学教育学部の研究生ですので、和歌山大学で一年間の研究時間しかないですから、この外国につながるこどもへの支援プロジェクトを参加しました、非常に光栄と思っています。私と日本人の学生達、先生達、他の国の留学生達、色々な意見を交換して、色々な実際状況を検討して、できる限りやさしい日本語で、この防災ハンドブックを作りました。この過程中、国際的な交流と多文化共生の魅力を感じしました、非常に良かったです!将来、この防災ハンドブックは和歌山で生活する外国人の子供と留学生に役に立ちましたら、大満足です!(姜楽宇 和歌山大学教育学部 研究生)
留学生のみなさんといろいろな防災の資料を読み、どう工夫すれば外国にルーツのある方が無理なく読めるハンドブックになるのかを話し合いました。その中で日本人が簡単だと思う言葉や言い方が、留学生にとっては難しいということが何度もありました。自分とは違う意見を聞くたびに、多様な考え方を知ることができて面白かったです。このプロジェクトに参加できたことはとてもいい経験になりました。(宮田果奈 和歌山大学観光学部 2回生)
こどものためのやさしい日本語防災ハンドブックについて
「こどものためのやさしい日本語防災ハンドブック」につきましては、下記をご覧ください。
こどものためのやさしい日本語防災ハンドブック(両面印刷推奨)(2MB)
また、同じように、日本語や日本の風土に慣れていない留学生を想定した「学内用のやさしい日本語防災ハンドブック」も作成いたしました。こちらは、留学生のオリエンテーションで留学生用に配布したり、短期日本語日本文化研修で和歌山大学に来る留学生に配布する予定です。
(学内用)「留学生と日本人学生のやさしい日本語防災ハンドブック」につきましては、下記をご覧ください。
留学生と日本人学生のやさしい日本語防災ハンドブック(両面印刷推奨)(2MB)