国立大学法人 和歌山大学

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わだいのOB

中野 雄介 先輩

日本電信電話株式会社
NTTネットワークサービスシステム研究所勤務
平成17年3月 システム工学研究科博士前期課程卒業

聞き手:本庄麻美子(経済学部46期)
(経済学部 キャリアデザインオフィス 室長代理)

中野さんの大学時代のことについてお聞きします。まずは和歌山大学に入学されたキッカケを教えてください。

中野:正直言うと,和歌山大学は第一志望ではありませんでした。(笑)センター試験の結果が思わしくなく、急遽、進路変更したという経緯があります。高校時代は,コンピュータ関係の学科のある大学に入りたいと思っていたので、和歌山大学システム工学部、その中でも情報通信システム学科では私が希望するコンピュータ関連の分野に携わることができると思い入学を決めました。

中野雄介さん

入学してからいかがでしたか?

中野:大学時代は部活,授業,課題がほとんどを占めていましたね。部活は体育会の弓道部に入部しました。入部理由は袴がかっこ良かったから!高校生のときは、大学って結構自由なところなんだろうなぁと思っていたんですが、少し違いました。実際、空いている時間があればできるだけ練習をしていましたね。1年生は練習の準備をしつつ基本を身につける、2年生はクラブの戦力を上げるためにしっかりと力をつける、3年生は幹部として1,2年生の指導,部の運営を行う、といった風に結構拘束されるんですよ。でも、そういった経験が良かったようにも思います。弓道で忙しい傍ら、授業や課題も全力でこなすという気力・体力は、現在の業務においても活かされていますしね。あ、もちろん弓道は楽しんでやっていました。今もNTTの弓道部に在籍して、週1回のペースで練習しています。

体育会弓道部で培われたものが、今のお仕事に活かされているんですね!大学時代、何か他にも力を入れられたことがあったんですよね?

中野:自主的に力を入れていたといえば、大学の課題でしょうか。結構、自由にできる課題が出されて、私の創作意欲に火をつけてくれるんですよ。コンピュータグラフィックス関係のプログラミングの自由課題が出たんですが、これは力を入れて取り組みましたね。3日間寝ずにプログラムの作成を続け、ヘロヘロになりながら完成させました。3次元の迷路の中を移動する、という3次元仮想空間ではありがちなプログラムだったんですが、一から自分で作ったということで、今考えても頑張ったなぁ・・・と思います。

成績が優秀で、試験に合格すると学部3年から修士1年に進むことができる“ 飛び級制度” を利用されたんですよね?

中野:はい、利用しました。1年早く修士課程を修了し、1年早く就職することができました。学費も1年分節約ですね。大学院に入学してからも、やはり学部でも力を入れた3次元仮想空間とかバーチャルリアリティに興味があって、修士研究では、遠く離れた人同士が3次元仮想空間の中で自然にコミュニケーションを行うことに関して研究を行いました。

1日の半分以上は研究室で過ごし、ひたすらこの研究に没頭していましたね。研究室の皆さんの手助けもありどうにか形となって、様々な所で研究発表をすることができました。また、それらの研究発表では奨励賞をいただいたんです。そういう風に、自分が正しいと信じて一生懸命やってきたことが認められる経験が私を研究職に導いたのかもしれませんね。

就職のことに関しては、在学中どのように考えておられましたか?就職活動のエピソードも踏まえて教えてください。

中野:就職活動当時、私は遠くにいる人々が自然にコミュニケーションするためのツールを作りたいと思っていました。そのため、就職してコミュニケーションのための製品を作るか、博士課程に進学して自然なコミュニケーションのための研究を行うか、正直迷いましたね。実際、就職活動を行う傍ら、他大学の研究室の見学にも行ったりして、博士課程進学の準備も進めていたんですよ。でも、就職活動でNTTの研究所と出会いました。NTTの研究所では仕事として自分がやりたい研究をできると思い、入社したいという気持ちが大きくなりました。就職活動って結構大変なんですよね。私は和歌山に住んでいたんですが、説明会や面接が大阪や東京であったりするんです。東京まで行くとなるとへとへとでした。それにお金がなかったので、飛行機や新幹線ではなく夜行バスを利用したり、ホテルもカプセルホテルでした。大阪で会社説明会があって、その足で梅田から夜行バスに飛び乗って、翌日東京で面接を受けて、その後、夜行バスで京都に行って朝から面接を受けて、電車で和歌山に帰ってくる・・・といった就職活動でした。ただ、そういった忙しい就職活動の経験は私自身を成長させてくれたように思います。大変大変といいながらやることはやる!というのは今、働いていても同じですからね。今、青森にいるんですが、青森でのユビキタスの実証実験のとりまとめをしながら、以前書いた特許の確認をしつつ、プログラムを書きながら、こういったインタビューに答えるとか・・・(笑)

入社されて、具体的にどんなお仕事をされているのですか?やりがいは何ですか?。

中野:流行のユビキタス関係の研究分野に携わっています。将来、様々なものがネットワークでつながり、いつでも、どこにいても必要なサービスを受けることができるユビキタスサービスが実現されます。例えば、私がショッピングモールをぶらぶら歩いていると、近くのモニタに何か表示されます。何だろう?と見てみると、今まで全巻購入している文庫本の新刊が表示されています。これは買わないと!と思ってその近くにある本屋さんに入った・・・というようなことを実現する仕組みがユビキタスサービスといえると思います。これを実現するには本屋さんにある商品の情報を管理するデータベース、私が何を購入したかといったことを管理するシステム、私が買いたいと思う商品を探し出してくれる仕組み、モニタ、私の位置を感知するセンサなど様々なものが連携すると考えられます。私たちはこのような様々なものが連携するための仕組みに関して研究しているんです。

ユビキタス
NTTの研究紹介 さまざまなものが連携し、サービスを提供

実際にやっていることというと、こういった連携の仕組みを考えて、実際に試作を作り、それをNTTグループの事業に結びつけるため事業会社にデモンストレーションすることです。これによって、事業会社が新たな事業を始めることができて、NTTグループ全体の成長を目指すことができます。同時に、コンピュータ関係のイベントでデモンストレーションを行って、NTT以外の方々にも知ってもらうという活動も行っています。幕張メッセや東京国際フォーラム、京都国際会館など大きな会場で開かれるイベントには海外からも様々な方がいらっしゃいます。そういった方々に研究内容を知ってもらって、意見を交換できることがやりがいにつながっていますね。

また、学会活動も行っているんですよ。論文の執筆や学会出の発表も精力的に行っています。秋にはコロンビアで開かれた国際会議でプレゼンテーションをして、南米の方々とお話しする機会を得ることができました。こういった学会活動を通じても、私たちの研究内容を知ってもらうことができ、それもやりがいにつながっています。もちろん仕事で行くんですけれど、会社持ちで様々な国に行くことができるというのもおいしいところですね。

すごいですね!夢みたいなことが、近い将来、ユビキタスサービスで実現できるんですね。中野さんの益々のご活躍、お祈りしています。興味深いお話、ありがとうございました!