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終了【9/20(水)】第95回わだい浪切サロン「災害救助ロボット~夢の実現に向けて~」

2017/8/28

  多くの科学空想小説の中で描かれた21世紀は、人を助け社会に役立つロボットがたくさん登場する夢の世界でした。

大きな自然災害に対して、ロボット技術で立ち向かいたい。そんな思いから、レスキューロボットと呼ばれる災害現場で働くロボットの研究開発が進められています。

     研究者達の救助ロボット実現に向けた取り組みを通して、夢の技術実現のための課題を一緒に考えたいと思います。

参加無料・申込不要

 

日  時 : 2017年9月20日(水)19:00~20:30

場  所 :  岸和田市立浪切ホール 1階 多目的ホール

話題提供 :  徳田 献一 (システム工学部 講師)

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開催レポート

 参加41

【概要】

「災害救助ロボット」の夢の実現に向けて、レスキューロボットの成り立ちや、最近のロボット技術の取り組み等について、システム工学部徳田先生がお話しくださいました。

 1995年の阪神淡路大震災をきっかけに、大学の研究者、企業や自治体、消防関係、学校関係の方が集まり、レスキューロボットの研究開発が始まったそうです。

 1996年、日本機械学会の中で、救助ロボットの研究会「救助ロボット機器の研究開発に資することを目的とした阪神淡路大震災における人命救助の実態調査研究会」が立ち上がり、調査研究が始まりましたが、この調査研究会では、消防の現場と、ロボットを作る研究の現場との意識の違いが、とても大きかったと説明してくださいました。

 この時に、もっと救助の現場を知り、ロボットを作っていく上で、使う人間が安全なものでなければならないと考え、レスキューロボットコンテストというイベントを立ち上げ、ルールとして、現場の概念や考え方を、どのように取り入れるかなど、議論がすすめられたようです。

 2001年には、ニューヨークでテロがあり、世界で初めてレスキューロボットが実践投入され、WTCが崩落した現場において、遠隔ロボットで人を探索する活動を行い、そして、2002年には、アイディアを持ち寄って国際レスキューシステム研究機構(NPO)を立ち上げ、今も存続しているとのことです。

 その後、2002年から2003年に作ったロボットは、いつ来るかわからない災害のために、維持することは困難であるという理由で忘れられていったとのことです。

 2011年に東日本大震災がありましたが、その時、原子炉の中に、最初に入ったロボットは、日本のロボットではなく、アメリカのバックポットというロボットだったとのことでした。

 これをきっかけに、地震だけの災害ではなく、毎年起こるような、小さな災害など、すべて、想定して備えていく必要があるのではないかと考えるようになったそうです。

 現在は、対災害ロボティクス・タスクフォース、東日本大震災関連調査研究委員会を立ち上げ、その一方で、今の課題を集め、近畿地方の災害と対策について調査し、それに対応するロボットを作ることを考え始めているとのことでした。

 土砂災害ロボットでは、建設機械の会社と大学の研究者で一緒に作っているクローラ型ロボットに、カメラを付けて、土砂災害があった際に活動できるようにしようと考えているとのことです。環境条件としては、泥に埋もれて、崩れそうな家など、二次災害の危険性が高い場所へロボットが行き、ピンポイントで、どこに人がいるか分かれば、救い出せるロボットを考えていると説明してくださいました。

 現在、和歌山大学での取り組みでは、10メートル先がみえる、便利なロボットを作ろうと考えているとのことでした。例えば、日頃から使えるもので、ボタンを押すと、近くのバス停まで、お年寄りの方を迎えに行き、家に誘導して帰ってきてくれるロボットや、回覧版を届けてくれるようなロボットなど、簡単な機能をつけ、日頃から使いながら、災害のときには、家の外に出して、家の周りや用水路を見て回ってくれるようなロボットを作っていこうと考えているそうです。

 ロボットを作ることが、ゴールではなく、色々な人に見てもらった上で、災害が起こったときに、どのようなことが起きるのか、どのようにしていこうかという事に、意見や提案をいただき、議論していきたいと思っているとのことでした。

 2004年には、福岡県で、「ロボカップレスキュー」という救助をテーマにしたイベントを立ち上げ、そのイベントに参加していた小学生のひとりが、一昨年、和歌山大学大学院システム工学科の修士課程を卒業されたそうです。この時の写真をその学生が見て、「僕もここにいましたよ。」と言ったときは、こんなに嬉しいことはなかったそうです。

 防災・減災のために人の役に立ちたい子どもたちが憧れるような、ロボットの夢の実現に向けて、今後のレスキューロボットの活躍に、大きな可能性と期待が感じられるお話を伺うことができました。

 

【アンケートより】

・実際に災害現場で使えるロボットを作るのは、費用面、頑丈さなど様々な課題があることがわかった。(20代・女性)

 ・今後の災害救助ロボットの活躍の可能性の大きさを感じました。AIでロボットが動く時代が来るかもしれませんね。ありがとうございました。よいロボットを是非実現させてください。(40代・男性)

 ・災害救助ロボットの現状についてわかりやすく説明してもらっておもしろかった。簡単にできそうに思っても、何度も実験を繰り返して少しずつ進むと思うし、難しいから無理なのかなと思っても、もう出来ていたりと興味深いです。(40代・女性)

 ・ロボットのデモンストレーションがあれば良かったと思いますが、衝撃的な話をきっかけに、ロボットに身を捧げてきたお話は興味深くお聞かせいただきありがとうございます。質疑応答に時間を取られていたのが良かったです。(40代・男性)

 ・レスキューロボットが探索・救助だけではなく、災害後の遺体探しの、人にとってつらい作業にも有益なことが分かった。災害時だけではなく、日々のパトロール等にも使えることから、防犯にも役立てられれば、導入しやすいと思った。(50代・男性)



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