和歌山大学岸和田サテライトのホームページ。和歌山大学の保有する高等教育機能を活用して、泉州・南大阪地域のニーズに対応した諸種の高等教育及び生涯学習・地域連携事業を実施しています。

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報告会参加者アンケート

<当日のアンケートに寄せられた質問への堀田教授からの回答>

Q.1 ヨーク、フライブルグの不動産屋の住宅の商売はどうなっているのでしょうか?(岸和田では不動産屋が、(当然許可を得てだとは思いますが)建売マンションを売っている、もしくは不動産所有者が家を建てています。)

A.1 民間住宅であれば、不動産取引業者が物件の仲介をします。基本的に、既存住宅の取引がおよそ80%を占めています。日本のように個々の土地所有者が住宅を新規に建設して販売するというケースはほとんどみられません。建築行為はさまざまなルールで規制されており、そう簡単に住宅を建てることはできないからです。

 

Q.2 住宅供給を管理すること、土地の所有権に基づく使用収益とは相容れないのでは?
A.1 現在の法律の範囲であっても、土地利用は一定の制限を受けており、その意味で土地所有権に基づく使用収益も一定の制約を受けていると言えます。住宅供給の管理が全体として使用収益の増大にプラスになるような状況が出て来ると、土地所有権の権利行使の範囲が制限されることに社会的合意が得られやすくなると考えられます。

 

Q.3 市内の固定資産税の課税標準額を基にした、地図上でプロットするような手法(GISなど用いて)建築協定や、その他自主規制によって良好な環境を持つことの「経済的」効果を評価したらどうでしょうか。
A.3 固定資産税の課税標準基準を地図上で公開できるのかわかりませんが、建築協定や地区計画などで自主的に居住環境を管理している地区の地価や住宅価格が、他の地区よりも高くなっている、もしくは下落幅が小さいということを明らかにした調査研究があります。岸和田市でも、どういう結果が出るのか検証してみる価値はあると思います。

 

Q.4 調整区域が市街化区域の空間の確保のための区域なのか。地域全体としてバランスをとるためのシステムであれば、誰も調整区域に住まなく、また、住めなくなるのでは?
A.4 市街化調整区域は、市街化を抑制する区域であり、基本的には田畑や林地など農業生産や林業のための空間として維持することが求められています。調整区域で農業・林業・自然空間が維持されることの意味や価値を、都市生活を営む人々が十分認識し、それらを保全することに協力的であることが非常に重要であると考えています。したがって、調整区域を人が住めない区域にするのではなく、農林業・自然空間を維持する仕組みとして、調整区域の集落が機能的でかつ豊かに人が居住・訪問できる空間にすることが重要だと考えます。それは、調整区域を開発しつづけることではなく、あくまで農林業・自然空間が全市民にとって大切な空間であるものとして位置づけ、維持・再生していくことだと考えます。

 

Q.5 岸和田市内(地域間)で意識の差はありますか?

A.5 若干の差がみられます。下表のように、A、B、C、D、Eの5地区にわけて分析をしました。たとえば、「現在住んでいる住宅・地域に住み続けたいか」という質問では、A地区では51.4%が「ずっと住み続けたい」と答えたのに対して、C地区では33.9%であったりと、設問の内容によって地域差が出ました。ごく簡単に各地区の特徴を記しておきます。
A地区は、だんじり祭りや近所づきあいに対する意識が強く、生活や地域に対する評価も高くなっているのが特徴的です。
B地区は、多くの項目において全体平均に近く、その意味で特段の特徴はありません。意識の地域差ではありませんが、B地区は、在市年数と現住宅での居住年数が短い(10年未満)回答者がもっとも多く、子どものいる世帯の割合も地区内でもっとも高くなりました。
C地区については、定住意向が他地区と比較してもっとも低く、近所づきあいも「親しくつきあっている」と回答した割合が5地区中もっとも低くなりました。だんじり祭り以外の地域活動についても、「ほとんど参加していない」という回答がもっとも高く、相対的に地縁的つながりが弱い結果になりました。
D地区は、生活環境に対する満足度が5地区中もっとも低いのですが、定住意向では「住み続けたい」と感じている人の割合が他地区と比べてもっとも高くなりました。まただんじり祭りに対して、「他者の目」を意識している人が多いことが特徴的でした。
E地区も、B地区と同様に、顕著な特徴が見られない地区であり、ほとんどの回答が平均的な傾向を示しました。

<地区区分> 

 A地区:本町、境町、魚屋町、北町、筋海町、五軒屋町、宮本町、岸城町、南町、大工町、中之浜町、紙屋町、大手町、中町、中北町、大北町、地蔵浜町
 B地区:上町、南上町、野田町、別所町、藤井町、宮前町、西之内町
 C地区:上野町、下野町、岸野町、並松町、臨海町、港緑町、沼町、加守町
 D地区:春木泉町、春木南浜町、春木北浜町、春木本町、春木大小路町、春木元町、春木中町、春木若松町、春木宮川町、春木宮本町、春木大国町、新港町、松風町、戎町、八幡町、磯上町、木材町
 E地区:春木旭町、吉井町、中井町、荒木町

 

Q.6 成熟社会の乗り越え方
 ① 市民意識(持続可能なまちづくり)の向上についての方策
 ② 住民による具体的なまちづくりの方法(文化・教育・福祉 etc.)
A.6 特効薬にはなりませんが、まちづくりに対する「市民意識の向上」という点でいえば、多くの市民の目に、まちの変化が見えることが大切だと思います。景観の変化や、にぎわいの変化、まちづくりに市民がいきいきと活動している姿など、多くの市民が目で見えて変化を認識でき、心地よい、楽しい、自分も関わりたいと思わせる仕掛けがつくれるかが鍵です。市民にとって身近なところから小さな変化を起こし、それにどれだけ多くの市民を巻き込んでいけるかです。加えてサスティナブルであるためには、無理なくできること、自分たちも楽しめることも大切だと思います。
また、市民提案型のまちづくり活動や事業を促進する(支援する)仕組みが機能することも大切なことです。全市民に展開することが困難であれば、地域を限定してモデル的に実施し、その効果を検証し、岸和田市の現状に適したものか判断することも可能かと思います。この質問への回答は、直接今回の調査結果から導き出されたものではありませんので、その点ご了承ください。

 <感想・意見>

報告内容にかんして
 

市街化区域と調整区域は、岸和田市では開発の制御には機能していると思います。空き家については、戸建住宅と賃貸アパート、賃貸共同住宅と分けて考えないといけないと思います。
空き家はますます増加する。いかに活用するか、とても難しい問題ですね!
利便性が制限される調整区域では、少なくとも限界集落化を防ぐためには、一定の利便性を確保していく必要があるのではと思います。政策的に市街化区域への集中を目指すのであれば別ですが。
ご報告ありがとうございました。岸和田市民から考えると、ほぼ妥当な結果と思います。岸和田型サスティナブルシティにするとのご提案は大変ありがたく思います。しかしながら、岸和田市を愛すること、自分の町とすることに目覚めないと再生はありえない。
可能であれば、本研究のデータ、今日のレジュメをホームページ上でアップしていただき、今日参加されていない市民等に情報発信、問題提起していただければと思います。
・市街化調整区域=市街化抑制
・調整区域に他市からの流入は基本的に望めない
・地区計画等の手法活用

和歌山大学、岸和田市へのご意見・ご要望、その他
 

大阪と和歌山の歴史街道として、紀州街道を再生(生活道路+美化)することは価値があると思います。何かやりたいですね。
おもしろいテーマの講演でよかったです。また、アンケート結果にも興味を持てました。だんじりについて言うと、年齢があがっていくほど楽しみからサポートすることの苦労が増えてくるため、煩わされたくないという思いも増えるのかなと思います。
だんじりは確かに諸刃の剣だと思います。何かの理由でだんじりから離れると地域から離れていくことが多く見られます。逆もあり、外からの人でもだんじり(祭り)に入り込めば。
50歳代は近所づきあいはないとのことであるが、仕事に忙しくて付き合っていけないと思います。市内のメンバーと議論していくことが今後のまちづくりに大切だと思います。コミュニティバスは15分間隔レベルで運行できないと効率性がアップしないと思います。
紺野登『幸せな小国オランダのち智慧』は参考になりませんか。
今日は貴重な報告ありがとうございました。「行政、大学が勝手にやってるわ」じゃなく、市民一人ひとりが「このまちにどう住んでゆきたいか」を考えていかないと、まちをイメージできなくなるようです。今後も一市民の立場で、市のあり方に関心を持ち続けたいと思います。
こうして取り組みを定期的に行うことが「まちづくり」につながると思うので、「継続」が必要であると思われます。
自分の住んでいる岸和田を客観的に見ることができてよかったと思います。今後どのようにすれば魅力ある町がつくれるかという意識をもって生活していく必要を感じました。
岸和田の近未来についての勉強会はまた出席したい。
岸和田のだんじり以外の魅力をいかに発信するか、いろいろ提案していただいて感謝しています。まさに岸和田市行政の第一の課題であると思います。 
地域の課題(アンケート)で、町の美化や緑化が十分でないことが一番にあげられていた。町なみをそろえていくことが大切かなと思います。(町ごとに色を決める、花を植える etc.)
うすうす感じてはいましたが、岸和田市民の祭りとその他に対する熱さの違いが、こうして指摘していただいてよくわかりました。祭りでエネルギーを使い果たしてしまうと、なかなか難しいのでしょうねぇ。本日はありがとうございました。さらなる研究の成果を期待しております。
人口の減少、空き家の増大の問題を再認識した。
JR東岸和田周辺、旭・太田地区祭礼年番長をしています。本日の研究発表を祭礼の参考にさせていただきます。今後もご協力よろしくお願いします。
貴重な研究資料をもとした分析と解説は十分理解できました。岸和田地域の発展の参考になりました。今後とも和歌山大学との地域連携を少しでも支援していきたい。市民として。