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平成24年度冬季講演会の報告(2012年度)

1月19日(土)、平成24年度冬季講演会を開催しました。

講演会は「東日本大震災を教訓に地域防災の向上を考える」をテーマに、講演と地域活動報告、参加者による意見交換を行い、友の会会員、会員以外の方を合わせて35名の参加がありました。

最初に、金野精一郎友の会会長から開会挨拶がありました。金野会長は、私たちにとって、近い将来に予測されている南海地震を意識して生活することはとても大切なことであり、この講演会を自分たちにできることを考え行動するきっかけにしてもらいたいと、今回の講演会の趣旨について説明されました。

続いて、大西サテライト長から、岸和田サテライトは友の会会員をはじめとする地域の方々によって支えられていること、引き続きサテライトへのご支援ご協力をよろしくお願いしたい旨の挨拶がありました。

  


講演「東日本大震災の経験と教訓」の講師は、吉川裕子さんです。吉川さんは福島県浪江町のご出身で、大震災後の放射能被害によって住むことができなくなった郷土を離れて大阪へ移られてきました。

民話の語り部でもある吉川さんのお話はユーモア溢れるものですが、その内容はとても生々しい厳しいものでした。津波で多くの生命が奪われた現実、原発事故の情報を聞かされないまま逃げ迷った数日間の様子、見えない放射能の恐ろしさとその被害の深刻さ、被災者の絆を断ち切る行政の問題など、被害当事者だからこそ語ることのできる数々のお話しを聞かせていただきました。

かつて浪江町で行われた避難訓練は、行政や電力会社が中心で、必ずしも多くの住民が参加して行われるものではなかったそうです。そうした経験から吉川さんは、子どもから高齢者まですべての世代の住民が参加する訓練でなければ意味がない。命を守ることをもっと真剣に考えて、ぜひともそうした避難訓練を岸和田ではしていってほしいと強く訴えられました。

 


地域防災のとりくみについては、岸和田市危機管理課の渋谷泰隆課長、岸和田市社会福祉協議会の三林達哉さんにご出席いただき、報告していただきました。

渋谷課長は、これからの防災行政について、市役所が有事にやれることは限られているが、平時には市民の声に耳を傾けてできるかぎりのことを実行していく、とくに地域住民の自主的な防災活動の支援に力を注いでいきたい旨をご報告されました。また、住民主体のハザードマップづくりの計画や携帯電話会社と協力した緊急速報メールの配信を準備していることなどの紹介もありました。

三林さんからは、東日本大震災後に訪れた気仙沼市の災害ボランティアセンターでの活動経験と教訓についてご報告いただきました。災害ボランティアセンターが被災者ニーズを汲み取り支援につなげていくためには、災害時に孤立してしまう住民をつくってはならず、そのためには普段からの地域におけるつながりづくりが大切であること、そしてそれを可能にするのが日々の福祉活動でもあることを強調されました。

 


講演と活動報告を踏まえて、参加者からの質問や意見交換がありました。

町会館や学校などに防災備品を備蓄しておき、備蓄品の定期更新時に住民が集まって互いの消息確認なども行ってはどうか、以前に行政と市民がいっしょに作成した災害時チェックシートを学校教育のなかで活用してはどうかといった行政に対する提言も出されました。
また、参加者のお住まい付近での防災活動の実践例の紹介や自治会活動が活発ではないマンションの住民向けの防災説明の機会をつくってほしいといった意見、福島県産の農産物をどのように考えるかといった問題提起もありました。

意見交換のまとめとして、吉川さんから、自分たちのような被害者を再び生み出さないよう、もっと危機意識をもって真剣に防災活動を進めていってほしい。子どもは素直で柔軟なので、子どもの頃から防災意識を身につけさせる教育が大切だと思うといったメッセージをいただきました。


最後に、平田健正理事(地域創造支援機構長)の閉会挨拶がありました。平田理事からは、大学や科学者は社会や市民に対して果たすべき役割をよく考え、福島から多くのことを学ばなければならないことが強調され、和歌山大学としても福島の教訓を風化させないとりくみを進めていく旨の紹介がありました。

 

講演会の後は恒例の懇親会。宮本町の「つくし」にて鍋を囲みました。

一人ひとりから講演会の感想や吉川さんへのお礼が述べられると、吉川さんからお返しにと、浪江町の民話「歯型の栗」を語っていただきました。

また、貝塚でフラダンスを教えている高山和枝先生による即興のダンス教室も開催され、楽しい交流の時間となりました。(右下の写真はフラダンスを指導してもらっているところで、盆踊りの光景ではありません)