観光を主軸とした知の拠点形成のための戦略的大学連携

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必要性・背景

近年,高等教育において基礎的な教育科目の標準化・平準化や安定した開講が求められています。その一方,専門科目では学際的・分野融合的なアプローチも求められています。また,社会システムや経済構造が大きく変化する中で,個性的で特色のある人材の育成も強く要請されています。しかしながら,個々の高等教育機関では単独で新たなコースを開設することが年々難しくなっており,連携の推進による教育機能の相互補完が戦略的に重要となってきています。さらに,和歌山県内の高等教育機関は,いずれも規模が小さい上,大阪府に隣接した県北部に偏在しているという事情があります。県内の交通機関は整備が十分とはいえず,高等教育機関間の移動に多大な時間を要し,実態として相互交流を円滑に進めることが困難な状況といえます。

そこで,本取組では,コンソーシアム和歌山を基盤にICT(情報通信技術,Information and Communication Technology)によるビデオ会議システムを利用したライブ授業等を行うことで個別の高等教育機関の枠組みを超えた特色ある教育コースの充実をはかっていくことを構想しました。本取組の参加高等教育機関は,それぞれ「観光」,「医療」,「健康」,「癒し」,「文化」,「食」,「生活」,「経済」,「ものづくり」,「技術」,「防災」等の分野で特色ある授業を提供することが可能な教員組織を擁しています。特に,和歌山県は国の「観光立国宣言」にもとづいた「観光立県」をめざしており,2008年4月には,和歌山大学に国立大学初の観光学部が設置されたことからも,観光を主軸とした教育研究に対する期待が高まっている地域だといえます。本取組においても地域の期待に応えるべく「観光」を主軸にすえた総合的で特色ある連携プログラムの開発を行い,多角的・広角的な視点で意思決定できる人材を育成することを目標としました。同時に,このシステムを活用して参加高等教育機関間で開講科目を相互補完し合うことで,教育研究の高度化・専門化を推進しようとしています。

本取組では,以下のプロセスで教育プログラムの開発を実施します。まず、短期的には各参加機関が得意分野として提供できる教育プログラムの相互補完と共有による人材育成を行ないます。中期的には観光を主軸とした人材育成プログラムを本格的に稼働させます。あわせて,聴講対象者を地域全体へと広げ,高校・地域行政・NPO・NGOに向けた教育・研修プログラムを整備していきます。たとえば,初等・中等教育機関での出前授業や模擬講義,入学前学生のリメディアル教育やプレスクール,リフレッシュメント教育や公開講座を含めた生涯教育などのパッケージを連携により開発し,共同開催するというようなものです。そして,長期的には,既述のキーワードを主軸とした教育プログラムの順次開発,プログラム間の連携もはかり,バーチャル・インスティテュートの設置をめざすものです。

こうした取組への着手は,当該地域における高等教育機関に対する社会的ニーズに確実に応えることだと確信しています。

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