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6月の宇宙カフェは和歌山移民と星空のお話

6月23日の宇宙カフェは歴史かふぇとのコラボレーションで、「和歌山移民たちが見た星空」というテーマでした。両カフェのコラボ企画は初の試みです。和歌山大学観光学部棟において紀州経済史文化史研究所主催で企画展「移民と和歌山 2015」が開催されていましたが、今回のカフェはその展示スペースで行なわれました。

最初に、観光学部の東悦子先生が展示物の説明をしながら和歌山移民の歴史や文化について紹介して下さいました。和歌山は海外移住者の多い県です。和歌山県日高郡美浜町三尾はアメリカ大陸(実際にはカナダ)に多くの移民を出しているため“アメリカ村”と呼ばれています。東先生のお話は「アメリカ村はご存知ですか?」という言葉から始まりました。先生からはアメリカ・カナダ・オーストラリア・ブラジルなどへ移民した和歌山県人の歴史が語られました。映画でカナダ・バンクーバーに実在した日系人の野球チーム“バンクーバー朝日”が紹介されたことは記憶に新しいですが、和歌山出身の選手もいました。

会場にはいくつか旅行用トランクが展示してありました。1つは1m以上ある大きなもので、中は箪笥式になっており、引き出しがあります。これは仲田さんというフロリダへ移民された方が40年滞在の後帰国する際持ち帰られたもので、リサイクルセンターに出され処分されるところだったものを紀州研に寄贈いただいたとの説明がありました。そのトランクから見ても、仲田さんはかなり裕福な方だったと思われます。家にある“祖先の遺品”が、年月を経て歴史資料になることがあるんですね。

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ロスアンゼルスの南・ターミナルアイランドの缶詰工場で働く日系人女性のたちに作られたボイルしたビンナガマグロの缶詰である「チキン・オブ・ザ・シー(シーチキンの原型)」の話、アメリカ移民筋師千代市さんによって編著された移民向け英語テキスト『英語獨案内(移民がコックや家内労働をすることが多いということから、生活に密着した会話が中心で、西洋料理の作り方も書いてある興味深いものです)』の話、オーストラリア・ブルームの真珠ダイバー達と日本人墓地の話、ブラジル移民松原安太郎さんにちなんだ松原移住地の話と続きました。

アメリカの収容所内の様子移民を描き続けたヘンリー杉本氏の絵のご紹介がありました。太平洋戦争時、アメリカには10ヶ所の収容所があり、マンザナー収容所は大河ドラマ「山河燃ゆ(原作は山崎豊子『二つの祖国』)」にも出て来た戦時中の日系人収容所です。制限が多い逆境の中で、収容された日系人達は工芸品・生活必需品などを作り上げました。中には芸術品と言えるものも数少なくないということでした。

 

東先生の後は、観光学部吉住千亜紀先生から移民が見た星空の紹介ということで、ハワイ、北米、南米、オーストラリアで見られる星座のお話がありました。星座図を見るだけでなく、星座にちなんだ現地の伝説について触れていたので面白かったです。

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ハワイの伝説として、半神半人のマウイにちなんださそり座(マウイの釣針に見立てられている)などが紹介されました。北米ミグマック族(カナダ)は北斗七星を熊に見立て、鳥に見立てられた周りの星達が熊を追っていると解釈しているそうです。

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北半球の星空は日本の星空と大差ありませんが、南半球の空は南十字星をはじめとして、日本人からは見慣れないものです。更に南米やオーストラリアの星空の紹介がありましたが、興味深かったのは南米のインカの話でした。天の川の中にある暗黒星雲を星座として見ていたようです。インカらしいリャマ座もあります。普通は星と星を結んで星座に見立てますが、インカでは星のない暗い部分の形を星座に見立てているんですね。

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お二方の興味深い話に、講演終了後も質問される方が続きました。

 

学生スタッフ 観光学部博士前期課程2回生 大井田かおり