第3回 エクセルの使い方とグラフの基本


  1. 本日の講義の目的

    人は数字を見ただけではその数字がどれほどの大きさで、他の数字とどれくらい違うのかを把握するのは難しい。そこで、数字をまず整理して、数字を目で見てわかるようにする手段としてグラフを作るという方法があります。
    グラフを作成するためのソフトは多数ありますが、この講義では、入門として表計算ソフトであるエクセルを利用し、グラフを作成していきます。統計の知識を身につけるため、今日はまず表計算ソフトのエクセルの使い方、統計とは何かを学習します。

  2. 統計学とは

    特徴や性質を一定の基準で区別することにより数値化すること。(教科書P6)
    特徴や性質を知る場合には一定の基準を作り、その基準より大きいのか小さいのかを知り、どれぐらいの幅で変化し、特徴や性質が全体でどの位置にあるのかを知る。この方法が統計学です。

    統計学の歴史

    人物名生誕年没年事柄
    F.ゴルトン1822 -1911回帰直線
    K.ピアソン1857 -1936相関係数
    ナイチンゲール1820 -1910看護婦.野戦病院の死亡率を改善した管理手法
    高木兼寛(たかき かねひろ)1849 -1920記述統計学的手法での脚気(かっけ)の撲滅
    R.A.フィッシャー1868 -1947推測統計学

    統計学とは

    回帰直線:2つのデータの関係を近似した直線
    相関係数:2つのデータの関係の特徴を示す。-1から1までの数字で関係があるかどうかを検証できる。
     1:一方が増加するともう一方が増加する(傾きが正の比例関係など)
     0:関係が全くないか、2次関数など、全体として傾きがないものなど
     -1:一方が増加するともう一方が減少する(反比例関係、傾きが負の比例関係など)

    相関係数とグラフの形                  相関係数の意味
    相関係数

    問題:図で相関係数が意味を持つものはどのグラフでしょうか?(複数回答可)

    記述統計学:大量のデータを使う.
    推測統計学:一部のデータから全体を推測する.

    母集団:全体を示すもの
    標本  :全体の中から一部を抽出したもの

  3. 集計表とグラフをものにする

    グラフの使い方(線グラフ棒グラフ

    得られたデータの特徴を把握する→集計表とグラフを作ること
    特徴=傾向を見る

    離散量=とびとびのデータ
    例:性別、県別・国別の人口・面積などのデータ

    連続量=連続するデータ
    例:体重・身長などの時間変化、人口の経年変化、大気中の二酸化炭素濃度の経時変化など

    棒グラフ離散量のデータに利用
    線グラフ連続量のデータに利用

    ●オートフィルの使い方(教科書P11図1.1)

    【教科書の関数の説明】

    =
    入力したものが文字列ではなく式であることを表す.

    INT(数字or式の結果が実数)
    実数を整数にする関数(実データの小数部を切り捨てる)
    RAND(実数)
    0から1までの乱数を発生させる関数.


    {数字とは,整数を含む実数のこと.コンピュータは文字,整数,実数(小数)の管理が厳密なので注意}