アイトラッキング手法(eye tracking)
視線の動きを捉える手法をアイトラッキング(eye tracking)手法といいます。
アイカメラ
アイカメラとは眼球画像を取得する装置のことです。撮影された眼球画像を解析することで、装着した被験者の眼球運動・向き(視線)を検出し、どこを見ているか(視点)を観察することができます。
アイマークレコーダ
被験者の視野に相当する映像を撮影し、その視野映像の上にアイカメラ画像から解析した視線の位置(アイマーク)を重ねて表示・記録する眼球運動測定装置です。これをビデオで記録したりアイマーク(視点)の座標をパソコンに記録するなどして分析を行います。当研究室ではハードウェア製品のユーザビリティ評価も行うことから、被験者が自由に行動できる(株)ナックイメージテクノロジー社製のEMR-8B、および簡易非接触型のEMR-NL8Bという機器を使用しています。この機器では両眼の視線の方向に加えて瞳孔径の計測も行えます。EMR-8Bは、頭部に装着した視野カメラで視野映像を撮影するためユーザが自由に活動できる特徴があります。EMR-NL8Bについてはパソコンのモニタに表示された情報に対する解析が可能となっています。機器の詳細についてはナックイメージテクノロジー社のウェブサイトをご覧ください。
利用方法
ユーザビリティ評価では、プロトコル分析という被験者に考えていることを口に出させる(発話、シンク・アラウド(Thinking Aloud)方法がよく使われます。実際やってみるとなかなか機器の操作中に考えていることを発話するのは難しいものです。目は口ほどにものを言うといいますが、アイトラッキング手法を用いユーザが注意を向けているもの(注視点、注視物)を把握することで、ユーザが操作中にどのように考えているか、どうしてその操作をしたのかを類推することが出来ます。デザイナーが目立つように強調したつもりでも、ユーザーが見ていなかったというような事もわかります。こういった理由からアイトラッキング手法は、自動車運転時にドライバーが何に注意を払っているか、Webやソフトウェアの画面操作時にどういう順序で情報を検索しているかというような評価などによく用いられています。
実験方法
Webや機器のユーザビリティ評価を行う際、これまでアイトラッキング手法を利用するには視野画像に視点が表示された動画をビデオに記録しそれを分析する方法と、頭部を固定して評価対象の視野画像における位置を固定し注視座標を分析する方法が行われてきました。当研究室では、コピー機の様な機器の評価でも効率的にアイトラッキング手法を使えるように、評価対象にマーカーを取りつけ、頭部が動き評価対象の位置が視野画像内で変化しても注視座標の分析が可能な方法を開発しました。また現在マーカーを用いずに評価対象画面表示部を検出し分析することも可能になりました。(2009update!)
アイトラッキングを用いたWebのユーザビリティ評価については別途まとめました。


ユーザビリティ評価を行う場合、実際の使用環境にできるだけ近い状況で行うことが求められます。そのため頭部を固定せずに計測を可能とすることが求められてきました。また、効率的に分析を行うことが実際の製品開発を行う上では必須となります。そのため、頭部を固定した際のメリットである注視座標の分析の容易さも同時に求められてきました。現在開発しているシステムではこの2つのメリットがあります。アイマークレコーダデータの解析方法については別ページにまとめています(製作中)。
当研究室では、ナック製EMR-8B、EMR-NL8(非接触)、EMR解析システム(dFactory)を利用し(機材一覧)、頭部を顎台で固定した方法、固定しない方法で様々な機器のユーザビリティ評価、人間工学的検討を行っています。
2005年9月にナックイメージテクノロジー主催の視覚計測セミナーにて紹介した際のポスターをPDFでご覧いただけます(約1.2MB)
本研究の一部は平成17〜18年度文部科学省科学研究費補助金(課題番号:17770215 「アイカメラを用いた注視物解析による効率的ユーザビリティ評価方法の研究」)の助成を受けて行われた.
2008年7月にナックイメージテクノロジー主催のナックフェア 2008 OSAKAにおいて、「アイマークレコーダEMR-8Bの製品ユーザビリティ向上への利用」というテーマで講演を行いました。ユーザビリティ向上のための評価方法とアイマークレコーダの利用方法について概説し、特に効率的・客観的評価を行うための取り組みとして、当研究室で開発したシステムを紹介いたしました。
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