始動!「みんな笑顔の熊野プロジェクト(略称 ミンクマ)」
森と水と海に囲まれた自然の豊かな熊野・・・
神秘と癒しとおもてなしの文化をはぐくんできた熊野・・・
今でも,活気あふれる元気な人々が暮らす熊野・・・
そんな熊野の素晴らしさを後生にまで残していきたい! そんな思いを持った有志が,世代も立場も越えて集まって活動を開始しました。名づけて「みんな笑顔の熊野プロジェクト」。略して「ミンクマ」です。エコ活動を通じて,自分達が笑顔となれるようにするばかりじゃなくて,活動の経過や結果を通じて地域のみんなも笑顔になれる,そんなんやったらええなぁ(そうだといいなぁ),という思いから,笑顔の輪を目指した活動を始動しました。

簡単な紹介ムービー(1分ちょっと,すみません無音声)もありますので
ぜひともご覧下さい (ムービーはこちらからごらん下さい)
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最初に・・
管理人のHP作成に関するスキルが低いので,
読みにくい体裁になっていますが,お許し下さい
内容は,がんばって,盛りだくさんにしてあります
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1.ミンクマの目指すところ(30年後の未来に向けて)
(1)熊野の荘厳な自然,文化,イメージと,そこで暮らす人々の笑顔(満足した暮らし)を後生に残す。
そのためにも,地域が,しっかりと「儲ける」ようにする。
(2)地域にふんだんにある自然エネルギー,資源を活用した,自然も,生活も,文化も,経済も豊かな低炭素地域づくり。
エコロジカルで,経済自立した,災害や不況に強く,暮らしやすい「強い」「安心できる」地域づくり。
そのための「助けあう」しくみづくり。
(3)自然エネルギー,資源などの低炭素要素をや産業に活用する「しくみ」づくり。特に,エコロジカルな低炭素観光地の形成。
(4)実際に行動することのできる人材の育成機能(講習会や塾のようなもの)をつくる。
知識教育,技術教育だけでなく,職業教育も兼ねる。将来的には,専門(職業)学校へと発展させる。
(5)低炭素要素を,住民みずからの手によって使えるようにする「しくみ(住民出資の会社のような組織)」をつくる。
エネルギーや資源の地産地消による自給自足化(=自給率の向上。例えば将来的には地域内に電力で1万kWh以上の実装,バイオマス燃料の普及など,を目指す)。それによる,地域内経済の循環。雇用の促進。
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2.ミンクマに参加しているメンバー(2010年10月現在)
参加:熊野方面の住民,NPO紀州えこなびと,NPO森と水辺の技術研究会,古座川渓流塾(月尾嘉男自然塾),地場企業,那智勝浦町立市野々小学校,那智勝浦町観光協会,和歌山大学(教員13名),北海道大学和歌山研究林,那智勝浦町,和歌山県
協力:NPO自然エネルギー市民の会,NGO気候ネットワーク,その他の地場企業 など
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3.ミンクマで取り扱うテーマのキーワード
自然環境,景観,歴史,文化
自然エネルギー(エネルギーシフト,マイクログリッド,水力,バイオマス・・・)
発電,動力,ボイラー
電気自動車(電動バイク,電動自転車・・・)
手作り,情報(伝承,インターネット・・・)
地域社会,地産地消(経済の地域内循環,エネルギー,食,自然資源,人,祭り・・・)
人材育成,世代間交流,雇用の創出
エコ産業の起業
観光(観光地の低炭素化,エコツーリズム,ガイド養成・・・)
一次産業(農林水産)
防災, おいしい食べ物
スポーツ,音楽,遊び
笑い(笑顔,落語も)・・・
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4.ミンクマの行動計画

ミンクマの活動に関するラフ行動計画図
(1)2010年〜2014年:自分達が楽しみながら基礎を築く段階
1)小規模なマイクロ水力発電の実験を3〜5箇所で開始
2)マイクロ〜小水力発電システムの開発(メンテナンス技術,デザイン改良・・・)
3)那智勝浦町に残存している水車小屋の再生(3年計画)
4)木質バイオマスを使ったボイラーの稼働(燃料の収集方法の開発)
5)それらを用いた,イベントなどの実施(コンサートやエコツアー,学習講座・・・)
6)経済効果や,住民への意識(”その気にさせる”要因分析など)の調査
7)環境保全効果の検証
8)人材育成の場(講習会)の開催(月1〜数回),教育プログラムの開発
9)定期的な活動報告会の実施
10)大型の研究予算の獲得,地域内での「出資」システムの構築
(2)2015年〜2024年:実績を増やし地域内での支持を確立する段階
1)マイクロ〜小水力発電の技術開発,並行して,設置数を増やす(目標 50機以上)
2)携帯電話を用いた,発電所間の情報交換システムの開発と設置
3)電気自動車の自作(目標10台以上)
4)水力発電と電気自動車を組み合わせたマイクログリッド実験の実施
5)電気自動車レンタカー事業の着手
6)木質バイオマスを使ったボイラーの数を増やす(目標 10機以上)
7)上記グリーンイノベーション実験を活用した,技術開発研究,社会学的研究
※イノベーション:技術研究の成果を社会に実装させる試みのこと
8)人材育成の場(講習会)を継続運営しつつ,発展的に専門職業学校の設立
9)イベント,シンポジウムなどの開催
10)大型の事業予算,スポンサー,協力者の獲得,地域内での出資の促進
11)住民の手による「自然エネルギー利活用機構」の設立準備
※自然エネルギー利活用機構:ミンクマが構想している,住民の手による自然エネルギーや技術の「販売」「運営」組織。エネルギー(主に電力,バイオマス)の販売,エネルギー運搬の中継,自然エネルギーの活用システムの販売,技術支援,メンテナンス,電気自動車の製造・修理・販売,関連する人材育成,研究開発など
12)地域のみんなが笑顔になっていること(満足していること)。そのためにも,地域が,しっかりと「儲けている」こと。
(3)2025年〜2030年〜2040年:地域社会に定着させる段階
1)「自然エネルギー利活用機構」の設立 → エネルギーの自給自足への足がかかり
2)小水力発電を軸に,地域内に1万kWh以上の電力実装を目指す
3)電気を運搬することを兼ねた,電気自動車活用システム(スマートグリッドなど)の運営
4)人材育成の場(講習会),専門(職業)学校の運営
5)地域の中で普通となった「笑顔」を,地域外の人に「うらやましい」と思ってもらう
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5.ミンクマの活動経過
2010年(活動開始は,前段階のものも含め,2009年9月より)
1月:那智勝浦町の熊野古道・大門坂下の防火用水にマイクロ水力発電装置の仮設
それを活用した「観光地の低炭素化に関する観光客への意識調査」の実施
観光業者向けに「観光地の低炭素化に関する業者の意識調査」の実施(那智勝浦,高野山,白浜)
同様のアンケートを,ニーズ調査として全国規模のWebアンケートにて実施(2000名)
岐阜県郡上市・石徹白地区へ,小水力発電に関する先進地視察を行う

那智勝浦町の熊野古道・大門坂下の防火用水に仮設したマイクロ水力発電
観光地の「エコ化」に関し,観光客へインタビュー調査を繰り返した
成果は,学術論文としてとりまとめた
2月:那智勝浦町の市野々小学校内にマイクロ水力発電装置(教育用)の設置
大学生による地域住民への聞き取り調査
日本環境学会会長・和田武先生に現場を見ていただいて,意見交換を行う

市野々小学校内に設置したマイクロ水力発電装置(調子が良いと250Whを発電)を仮設
既存の水路形状を改変することなく「はめ込み設置」できる方法を考案し,仮設
小水力分野ではトップメーカーのエイワット(http://www.eiwat.co.jp/)さんと共同開発
NPO紀州えこなびと(http://www.econavito.org/)さんのアイデアもお借りした
おそらく,世界初?の小学校敷地内の発電実験,小規模でも「初」は嬉しいもの
しかも,ここの水は「那智の滝から流れてきた」とってもありがたいお水です
3月:市野々小学校の発電装置を活用した「シンセサイザーコンサート」の実施
大型予算(5年,10億円)の申請 → 不採択でしたが,またチャレンジします!

市野々小学校の発電装置を活用した「松尾泰伸ヒーリング・シンセサイザーコンサート」
松尾泰伸さんは自然の持つ治癒力を,キーボード演奏を通じて表現される
ヒーリング系のアーティスト。和歌山県海南市のご出身です。
熊野古道や高野山などでもコンサートを開かれています。
松尾さんのHP http://02ma.com/index.html 視聴もできます!
松尾さん曰く
「発電から近いせいか,那智のお滝の霊力のせいか,いつもより音がクリア!」
このコンサートも,おそらく,世界初の試み「ちゃうか?」と密かに喜ぶ
4月:市野々小学校の装置を活用した電気自動車(三菱i-MiEV)への充電,試乗
月尾嘉男先生をお迎えして,自然資源に関する意見交換会の実施

市野々小学校の教育用発電装置を活用した「電気自動車(三菱i-MiEV)への充電実験」
三菱さんのご協力を得て,小学校の生徒さん達と,環境について勉強する
試乗の際には,生徒さん達,大喜びでした!
それにしても,i-MiEVって運転していて面白い車でした。信じられないほどにパワフル!
電気自動車へマイクロ水力発電から充電することは,先進事例があって「初」ではないですが,
普及型の電気自動車への充電は,やっぱ世界初の試み「ちゃうか?」と密かに喜ぶ

市野々小学校の教育用発電装置の前で月尾先生を囲んでの記念撮影
真ん中の「パネル」は,市野々小学校の生徒さん達が「月尾先生ようこそ」と歓迎メッセージ
月尾先生なので,当然の?お約束の?「カヌー」へと(写真は少人数ですが,参加は多数)
那智湾にこぎ出して,海(那智湾)から那智の滝を見る
(知ってました?,那智の滝って,海から,海の方から見えるんですよ!)
5月:みんな笑顔の熊野プロジェクト活動開始! → 会長を寺本真一那智勝浦町長へ
那智勝浦町・高津気(こうづけ)地区に残存する水車小屋の再生に向けた視察
古座川町・平井地区における小水力発電構想に関する意見交換

みんな笑顔の熊野プロジェクト活動開始!
初代会長は,寺本真一那智勝浦町長(写真中央)が就任
お金はないし,力はないけど,思いと意気込みだけは,超特級!・・と,小さくガッツポーズ
6月:高津気地区において,住民への意識調査の実施
古座川町・平井地区の小水力発電装置の制作開始

那智勝浦町高津気(こうづけ)地区
「日本のマチュピチだ!」と言いたくなる,天空の石垣集落が現存している
そこには,かつて直径3mの水車が何基も回って,動力として利用されてきた
この美しい高津気の里に,大きな水車が回る姿を想像すると,それだけでワクワクする
そして,その「水車小屋」が今でも残されていた
7月:高津気地区において,住民への意識調査の実施
高津気地区の水車小屋の再生に関し,地元の観光協会などへ協力要請
具体的な再生スケジュールについて意見交換
市野々小学校の「学校水田」にて,イノシシ防除の電気柵へ給電開始

高津気では,かつての水車の一部が,今でも保管されていた
水車小屋の中には,水車にベルトを掛け,動力利用していたことが確認された
この古き技術は,智恵の結晶だったはず
昔のままに再生したい!という欲求が,皆の中に芽生える

市野々小学校では,学校水田に教育用水力発電の電力をイノシシ防除の電気柵へ給電
なんとも,うらやましい教育環境であることだろう
校長先生,担当のK先生の頑張りには,頭が下がる
生徒さん達も,素直で明るい,良い子ばかりだ
8月:高津気地区において,住民への意識調査の実施
和歌山大学において,学生が地域に出て学習する「心に響く現物教育プロジェクト」開始
高津気地区の水車小屋の再生は,和歌山大の学生と地域が協力して実施することに
古座川町・平井地区,三尾川地区における小水力発電構想に関する意見交換

高津気では,「水利用」について,住民へのインタビュー調査を行う
その結果,地域内に目立った「水争い」が無かったことが判明
住民が互いに協力し合い,上手に水資源を管理分配していた
平和で民主的な集落だったことが分かる
9月:古座川町・平井地区において小水力発電の実験開始(装置の設置)
「心に響く現物教育」において,学生20名が古座川町の自然について学習
その際,平井地区の実験用小水力発電装置の視察
市野々小学校の学校水田で稲刈り
高津気地区で実施した住民へのインタビュー調査を論文にまとめ投稿,採択

古座川町・平井地区で開始した,マイクロ発電の実験
システムは,北海道大学和歌山研究林,NPO紀州えこなびと,和歌山大の共同研究
発電効率の向上と,デザインの改良,メンテナンスを容易にする技術開発
部材に,地域の間伐材を活用することで,システム製作の地産地消化を目指す
世界に誇る清流,古座川の美しい水の流れをエネルギーに利用する試み
(右写真は水中から空を撮影,こんなクリアな水質の川が,他にあるだろうか?)

古座川町・北海道大学和歌山研究林において,和歌山大学生が実習
次世代の地域を担う若者達の教育は,ミンクマの活動の中でも重要なポイント
山林の管理,自然の調査,カヌーを活用した水辺の調査(最も近づく方法のひとつ)
現物に触れることで,学生の理解度は格段に高まる
10月:那智勝浦町において,「ミンクマ」会長と和歌山大学・堀内副学長の意見交換
その際,環境と観光に関する教育機能の構想を開始する
古座川町において,観光協会,古座川渓流塾と意見交換
三重県熊野市における小水力発電構想に関する意見交換
和歌山県小水力発電推進委員会の発足,中島が会長に就任

三重県熊野市においても,小水力発電の構想が持ち上がっている
住民主導で山村の電力エネルギーを確保しようとする流れは,急速に全国に拡大している
この場所も,可能性の大きな場所,水利権についての調整を行政と開始
11月:那智勝浦町・高津気地区において「ミンクマ高津気水車再生プロジェクト」中間成果発表会を実施
NPO紀州えこなびと,和歌山環境フォーラムに出展,丸木コンロの展示
和歌山県田辺市における小水力発電の設置構想の相談を受ける
ユネスコ未来遺産「ビオトープ孟子」さんと,若者のスキル教育での協力体制の構想に着手
ビオトープ孟子HP http://mo-ko.jp/
ユネスコ未来遺産HP http://www.unesco.jp/mirai/about/pro_6.html

高津気地区において「ミンクマ高津気水車再生プロジェクト」の中間成果報告会を実施
地元住民を中心に,観光協会,行政関係者も意見交換する
かつて水車が設置されていた場所は,和歌山大学生と住民の手によって,キレイに除草,清掃
毎回,車で180kmをやって来る学生の頑張りが,住民の興味と参加を誘発する
学生は,地域住民の優しさに触れ,感動を覚える
学生が現場に通って,頑張る姿を見てもらうことで,良い関係が出来てきた

NPO紀州えこなびとは,実用的な要素技術を開発し,自然エネルギーの普及啓発を図っている
災害の時に役立つ,間伐材や林地残材を活用した「丸木コンロ」
災害時に暖を取ったり,煮炊きに使えるストックエネルギーとして利用できる
普及啓発用に用意した,無免許でも運転できるソーラーカー(電動車いす)
12月:那智勝浦町・高津気地区の水車設計図が完成
和歌山大学体験学習会において,NPO紀州えこえなびとと共同で展示
和歌山大学南紀熊野サテライト5周年記念式典において,PRの実施
和歌山大学防災研究所と意見交換,災害地支援用の水力発電の共同開発に乗り出すことに
論文「小水力発電装置のデザインに関する意識調査」の執筆,投稿(予定,年明けになるかも?)

地元のベテラン大工さんに指導してもらい,学生が水車を設計
大工さんに「良いできだ」と誉められた学生は,大きな自信を得た
これも,現場に通った学生の頑張りが生み出した,新しい交流の姿
こういう若者をたくさん増やし,地域で生きていけるようにすることは,ミンクマの大きな目標
この大工さんには「ミンクマ高津気水車再生プロジェクト」の主任技術者への就任要請

和歌山大学体験学習会において,NPO紀州えこえなびとと共同で展示
イベントの定番となった,えこえなびとの「ソーラー電動車いす」
子ども達をはじめ,大人も「乗りたい」と,人だかりができる
福祉目的のものというよりは,メカとして興味を持たれる,子ども心をくすぐる啓発アイテム
2010年度内に以下の活動を実施
古座川町・平井地区においてマイクロ水力発電の運用開始
那智勝浦町・高津気地区の直径3m水車の再生(小屋の再生までは3年で)
現地調査(水力発電の性能,社会における価値など)の継続
シンポジウム,研究会の開催
中間報告書の作成
論文執筆(さらに3報)
大型予算への申請(再チャレンジ)
仲間の募集,スポンサーの募集
先進地への視察
などなど,まだまだやります,やれます
2011年度に実施を構想している事業,イベントなど(だいたい決まっているもの)
高津気地区における,再生水車のお披露目会,高津気米の試食会
並行して,水車カフェの構想,かまどで炊いたおにぎりの販売など
和歌山大学内にマイクロ水力発電装置を設置,様々な実験を行う
和歌山大と北大和歌山研究林の協力による学生演習の実施
市野々小学校の発電装置を使った教育プログラムの強化
ダルダルと超人ガイナとコラボした「妖怪と自然保護」のエコツアー等の実施
ダルダルと超人ガイナHP http://profile.ameba.jp/choujingaina/
月尾嘉男自然塾H23年度全国大会(古座川町,那智勝浦町で実施)への協力,参加
もちろん,各種研究活動,啓発活動,実務活動は,2010年度以上に積極的に行います
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6.ミンクマの「能書き」・・・なんで,こんなことを考えたのか?の読み物?
このHPの管理者は技術系の?研究者です。
研究者の視点から,もっと言います(言いたい放題?)と,ミンクマは,お金の有るところに群がる近年の技術系研究から一線を画し,自分達の宝を守るため,例えばお金が必要なら,それを生み出す社会システムを作りましょう,上手な運用方法を考えていきましょう,と,そんな思いを持っています(霞くって生きていけるなら,お金のこと考えなくて良いのですが・・)。
技術系研究における国などの予算配分として,工業や土木がダメになら,次は農林業だ六次産業だ!,や,社会学系でも,都会がダメなら,次は地域だ!,活性化だ!,など,チャンスを求めて右往左往する古い(アホな,や,浅ましい,と,言いたい!)体質から脱却し,自分達の宝を後生に残したいと,研究者の立場を離れて(今更ながらに)ピュアな気持ちを持って取り組みたい。だからこその,住民主導なんです。
言いたい放題,ごめんなさいでした。上記の数行は,HP管理者の中島の個人的な思いです。
ミンクマみんなの思い,考えでは無いことを強調しておきます。
ミンクマの皆さん,ごめんなさいです。でも,言っておきたかったんです。
○自然エネルギーによって地域内のエネルギー自給率を高める = エネルギーの地産地消
自然エネルギーは,どこにでも有る(専門用語では賦存といいます),みんなの資源です。太陽の光や熱はもちろん,風,波,生物の体(バイオマス),水力だって,全てが太陽の恵みによってもたらされます。
なぜ,風が吹くのか,波が発生するのか?,の理屈を考えれば分かります。バイオマスだって,その基本には光合成があり,植物は気体である二酸化炭素を固体(炭水化物)に加工する「プラント(や工場)」のようなものです(専門用語では,二酸化炭素の「固定」といいます)。光合成をしない動物も「生物」を食べますから,(間接的な)太陽の恵みだといえます。水力は,水の「流れ」つまり位置のエネルギーを流れや落差から取り出すエネルギーですが,水を雲にまでくみ上げ,雨として位置エネルギーを与える(蒸発させる)「ポンプ」は,太陽が水を温めるからだということになります。
太陽はみんなのものです。ということは,太陽の恵みを上手に生活に組み込めれば,あるいは,産業に活用できれば,やり方次第では,とっても安くエネルギーを得ることができます。なにせ,エネルギー源は基本的にはただですし,エネルギーを捕まえて,使える形に変換するお金がかかるだけだからです。しかも,エコです。
太陽の恵みを活用し,地域内でエネルギー自給(あるいはエネルギーの地産地消)するという方向性に持っていければ,100%の自給でなくても,5%でも自給できれば,二酸化炭素の削減にもなるし,その分の直接,間接的な売り上げや儲け(経済)は地域のものになります。これは,かなりの「産業」になります。新産業と言って良いのではないかと。
例えば,電気代は誰かに払っているわけですが,それを大都市の大手電力会社に支払うか,近所の発電屋さんに支払うか,どっちが地域にお金を残しやすい方法かは,言わずともわかることです。ガスや石油(灯油,重油)の代わりに材木を熱源に使えば,お金が地域に残るだけでなく,森林の管理を誘発します。それによって,森林も健全になる場面が増えます。
つまり,エネルギーの地産地消によって,地域内にエネルギー産業が生まれ,関連する産業を誘発し,それは,雇用の機会も創出します。そうすれば,若者の流出を防ぐこともできます。これは,ヒトの地産地消につながります。エコロジーでエコノミー。エネルギーの地産地消は地域経済に良い効果を与えることができるのです。そして,地域内での自給率が上がれば,仮に産油国がくしゃみをしても,涼しい顔して地域の生活を営むことができます。つまり,エネルギーの地産地消によって,不況や国際情勢の変化に強い地域に変革できるチャンスも生まれます。
○直接的な利益が有る時と,無い時
関西地方では,テレビで「○○○の豚まんのある時〜!,無い時〜!」というCMを,よく耳にします。豚まんが有る時は,家族のみんなが大笑いし,無い時は茶の間に吹雪でもやって来たように寂しい空気が流れる,というものです。豚まんというのは,中華まんのことなのですが,有る,無しの対比で小さな幸せをコミカルに表現しています。これをみると,人はささいなことでも,自分にとって有益なものを直接手にすることができるということに,自然と喜びをおぼえるものなのだなと,感じます。
この視点に立つと,食の地産地消などは,個人的な利益(喜び)が分かりやすいものの一例です。経済性が特には高くない場合でも,目の前に新鮮で安全な食品があれば,それは単純に喜べるものになるからです。ところが,自然エネルルギーの導入などでは,短期的にみると自分への直接利益が無いか,分かりにくいという特徴があります。
様々なエコロジカルな活動において「受益者負担」など,いろいろな理屈が出てきていますが,それは,責任を取るということであり,許される限りの最低限に止めたい,だから「しない」と考える人が多い実情は,致し方がないことなのかも知れません。いや,心理として当たり前だと。
一方では,自分への直接的な利益が無くても,自ら進んでエコロジカルな活動に身を投じる人も増えています。利益が出るまでに何年かかるか分からない場面でも太陽光発電装置を家庭に取り付ける人もいますし,高額な電気自動車を購入する人もいます。エコであることが市場性を持ってきたという証拠でもありましょうが,環境改善への責任意識や,自分への利益を喜びなど貨幣で換算できない無形物に感じる人が増えてきていると言えそうです。こういう皆さんには,頭が下がります。時には,優越感が原動力になっておいでの方もいるようです。それでも,結果にはつながっていくものですから,ありがたいものです。しかし,それらは,まだ一部の人の行動に止まっています。
経済的に余裕のある人ならいざ知らず,庶民として普通に暮らしている人々が,普通のこととしてエコロジカルな選択をしづらいと感じることは,その経済性と手間の多さからも当然の結果であると考える方が妥当だと考えています。だって,めんどうだし,お金かかりますもん。
つまり,豚まんが有る時は嬉しいものですが,エコロジカルな行為や結果は,普通の庶民にとって,有っても特に嬉しいものにまで至っていないことが多いのだと思います。だからこそ,自然エネルギーなどのエコロジカルな活動を推進したいのなら,それらがもたらす個人に対しての利益を,分かりやすくすることが重要です。何かと批判のあったエコポイントやエコ減税は,個人の利益をわかりやすくしたものだとみることもできます。
直接的に「お金が儲かる」などのことがあれば良いのですが,簡単には儲かりません。多くの場面で初期投資が必要だからです。すぐに儲からないのなら,将来への投資という視点ではいかがでしょうか?。事実,近年は,金融会社がエコロジカルな活動への投資を促すファンドを発行し,好調な市場へと育ちつつあります。これは,エコ化を進める原動力になるでしょう。だからといって,家庭や地域レベルのことに使われるほどにまで市場は大きくなく,すくなくとも,ここ数年の間に,個人の利益誘導に使われることは期待できないのではないかとみなす方が適切でしょう。
○お金持ちだからできる?
ミンクマが,インターネットを用いてWebアンケートを行った結果,エコロジカルな行動への意欲,責任意識は,年齢に関わらず高所得者で多い傾向がみられました。経済的な余裕は,意識せずとも,エコロジカルなアイテムに手を出しやすいということもあるのでしょうが,社会情勢に対しての情報が多く,意欲を持ちやすいようです。
同様の話にはなってしまいますが,年齢別にみてみると,高齢者は,環境保全への責任意識や,環境が悪化しているということそのものに対してはピンと来ない方も少なくないようです,社会参加意欲から環境保全意欲へとつなげる方は多いという結果になりました。ところが,家庭や学校で「もったいない」などの教育を受けてきた経験は,現代の社会構造への不満へとつながり,結果として小規模な環境保全行為へとつながる場面は多いようです。そういう経験知識は,社会に残したいものですね。
一方,環境教育を義務教育の間に受けてきてきた若者などは,環境保全への責任意識はあるものの,それを実際に行動へと移す際の裏付けとなる所得や時間に乏しいことで「見送らざるを得ない」と感じているようです。
また,学校や家庭において特別な環境教育を受けておらず,かつ,子育てで出費の多い30〜40歳代は,時間の余裕もないことなどからエコロジカルな活動への意欲をほとんど示すことができず(しないではなく,できない),義務を果たすだけに止めようとする傾向もありました。このことから,エコロジカルな活動は,多くの人にとって,義務的であり,かつ,本意,不本意に関わらず「出費」であり,自分の利益ではないと受け止められていることが分かります。これでは,なかなか普及していかない理由も理解できます。
団塊の世代と呼ばれる年齢帯の皆さんは,二極化する傾向があるようです。経験知識を裏付けに,環境保全に対して非常に積極的な方と,まったく無関心な方が混在し,中間型の方が少ないという結果を得ました。公害の時代を経験したことが影響する場面もあるようです。一方では,無関心層の中には,環境保全そのものを「やっかいな」「うっとおしい」ことと受け止めておいでの方が多数みられました。環境保全行動への不参加の理由を「オレの勝手だろ!」「自分の思うようにやる!」と主張される方が多くみられるのも,この世代の特徴です。他の世代でも,無関心な方はおみえになるのでしょうが,アンケートに応えて下さった方々は,露骨に無関心を表現することには躊躇されているような印象がありました。ところが,団塊の世代の中には,躊躇せずに表現される方がみられたということです。
このような,表現に対する世代間差はあるものの,現在は積極的な方でも,以前は,無関心か,興味の範囲外だったはずです。では,なぜ,興味を持ち,積極的にまでなった(変化した)のでしょう?。その,きっかけや理由を知ることは,エコロジカルな社会へと向ける方法論を知ることにつながると考えられます。さらに,わざわざアンケートに答えておきながら,無関心であることを強調的に表現する人がおみえになったのか?,という理由を知ることも,同じ意味を持つのではないかと考えられます。一種の反感や苛立ちではないかと考えることもできます。このため,ミンクマでは,エコ化を「その気にさせる」要因とは何なのか?,を,インタビューやアンケートによって把握しようとしています。こういう調査は,大学の人間がたくさん関わっているので,得意中の得意です。
○当事者意識が重要
学術論文には書きましたが,簡単に表現するまでに至っていません。もう少し待って下さい。要は,生活や仕事など,日常に関わらないような状態では,エコロジカルな活動に身を投じることは容易でないということです。当事者意識が持てないことに熱心にはなれないということです。
○なぜか,日本では苦戦する「風力発電」
環境先進圏と言われることの多いヨーロッパでは,たくさんの発電風車が回っています。最近は,世界中の乾燥地(砂漠)などにおいても大規模な風力発電団地が増えてきました。発電風車は,年とともにますます大型化し,その巨大な姿は,エコの象徴だとおおいに賛美される一方で,あまりにもの巨大さに違和感として指摘されることもあるようです。まるで風車を巨人と見まちがえ立ち向かったドン・キホーテのような感覚ですね。関係ないですが,スペインではドン・キホーテではなく,エル・キホーテと言うらしいです。称号の関係だそうです。
日本では,海岸線や山の上での建設が目立ってきました。ところが,山上の発電風車の評判は,イマイチ悪いようです。その理由を調べてみると,多くの場面では騒音の問題が挙げられています。騒音公害として訴訟問題に発展した事例も発生しています。また,渡り鳥などが風車に衝突するバードストライクの問題も指摘されています。景観破壊のことを指摘する方も多数おみえになります。このため,最近では,民家などから一定距離が離れた,騒音公害の発生しない場所や,バードストライクの起こりにくい場所での建設が主流となってきています。
にも関わらず,否定的に受け止める方は,あいかわらず少なくないようです。ところが,ヨーロッパでは,賛美する声がますます大きくなっており,日本とヨーロッパで何が違うのでしょうか?。日本人は耳が良いから,ということが理由ではありません。
その違いは,おそらく,発電風車の出資,運営,利益配分の方法に違いがあるからだとみられます。ヨーロッパの場合,多くの発電風車が地域住民の出資による「市民発電所」です。農地などに設置される場合,苦戦している農業の収益を助ける新産業として農民に歓迎されていることが多いようです。だから,風車の音は,発電をしている音となり,富をもたらす音として肯定的に受け止められているということです。もちろん,設置場所も民家などからは離れていることがほとんど。人口密度が低いために,このような状況を作り出せるのでしょう。
これに対し,日本における発電風車の多くは,地元の人のものではなく,地域の行政や,電力会社など別の地域の人達などが出資したものです。これらの大半は,地元の人々に対して,直接的な経済利益をもたらさないものとなってしまい,地元の人々からしたら,当事者意識が持てないばかりか,いつのまにか,慣れ親しんだ風景の中に,自分とは関係のない,違和感のある大きなものができていた,ということになってしまうようです。音がすればなおさら腹が立つ。音がしなくても,その威圧感に不快感を覚えても無理からぬことかも知れません。
とても目立つ建造物ですから,建設の際には,法律の範囲であるとか,ないとか,そういう杓子定規な話だけでなく,少なくとも周辺住民の合意は不可欠でしょう。せっかくの自然エルギーの施設も,住民に疎まれてしまったら,台無しですね。
では,日本でも地域出資で建設すれば,そんなに不評にならずに済むのではないか?ということに関してですが,日本にだって市民出資の発電風車は相当数あります。しかし,最近はなかなか増えていきません。電力会社に対する売電のしくみを,うまく作り出せないこともあるようです。また,山上風車の場合,ヨーロッパの平地の風車よりも建設コストが多くかかります。資材を運ぶ道(山道)の建設費がかさむからです。だから,すでに山道のある立地は有利とされています。
和歌山などは,意外に大きな山道が山上にあるので,そういう場所は計画されやすくなります。ところが,山上風車の場合,風車の弱点である雷の問題があります。平地のヨーロッパでは雷は上からやってくるものですが,日本の山上では,時には下からもやってきます。雷対策にもコストがかかるわけですね。これらは,日本において苦戦を強いる要因のひとつになっています。
風力発電は,実績もあり,信頼性の高い自然エネルギーの活用技術ですから,日本でも上手に運用されることが待たれますね。
○家庭の発電は,本当に「太陽光発電」だけでいいの?
家庭などで自然エネルギーを発電利用する技術としては,太陽光発電が最も普及しています。太陽光は,どこにでもあるものですから,それをエネルギー利用することは,確実性の高い方法でもあります。技術も確立してきました。このため,最近は,世界中で太陽光発電バブルとでも言えそうな状況になっています。この流れに乗り,大都市だけでなく,地方でも太陽光発電の普及が進んでいます。補助金の制度も,普及を助けています。
しかし,ちょっと考えていただきたいことがあります。家庭や事業所が,独自で電力確保(発電)するということは,言い換えると,電気を大手電力会社から普通に買える現代生活の中では,電気を使う者の立場からは,今,何年も先までの電気代を前払いする,という意味でもあります。エコ化への貢献の思いが「前払いしてでも」という善意を喚起します。確かに,設備費の償却が終わったあかつきには儲かる「はず」なので「先行投資」だと言えるかも知れません。では,その先行投資したお金は,いったい,どこへ流れていくでしょう?。
太陽光発電のポイントとなるソーラーパネルは,たくさんの企業が作っていません。国内では数社の製造に限られています。となると,太陽光発電を地方で導入すれば,何年も先までの電気代に相当するお金の大半は,地方から(主に)大都会の大企業へと流出します。大手電力会社に「月割り」で払っていた電気代をソーラーパネルの会社へ相当先の分まで前払いする,つまり,支払先と支払い方法が変わることになるわけですが,口の悪い?人は「エコ(という脅迫的手法)をネタにした,新手の大都会への集金システムだ!」なんて警告します。
ただでさえ,都会と地方の経済格差が深刻化していることが心配されている中,エコ化という「錦の御旗」を掲げた大都会の企業に先行投資しているような状態で,地方の地域経済は持ちこたえられるのでしょうか?。先行投資する分のお金は,どうやって用意したらよいのでしょうか?。ローンですか?,なけなしの貯金をはたくのですか?
その点,先にも述べたように,小水力発電などは,
地域内の技術だけで,ほとんどがまかなえてしまうものです。
「電気代を先払いする」ということでは太陽光発電と同じであっても,支払った分のお金のほとんどが地域内の技術者さんの手に渡ります。技術力,つまり「ヒトの地産地消」です。結果として,地方から流出するお金を,材料費程度に抑えることができます。製作に用いる資材も,小規模な発電所なら,地域の自然資源で相当分をまかなうことができますから,お金の流出は,さらに小さくなります。
なお,このように書いているのは,太陽光発電がダメだと主張したいのではなく,それしかないという発想から脱却すると,優先的に活用される自然エネルギーは,必ずしも太陽光とは限らない,地域にとって有利な資源が何か?を探すことが先決です,という意味です。地産地消は,経済の地域内循環にも役立つからです。
○効果は長い目でみることが大切
繰り返しになりますが,自然エネルギーには,太陽光,太陽熱,風力,水力,波力,地熱,熱移動(蒸発やヒートポンプ,氷,雪・・),バイオマス(木材などの生物の体),いろいろなものがあります。よく「最も効率の良い自然エネルギーは○○だ」「いや,こっちだ」などの論争を耳にしますが,この議論は根本的に間違っています。自然エネルギーには,それぞれに特徴もあり,賦存している場所も,時期も異なります。だから,たったひとつのエネルギーに依存するのではなく,その場,置かれた状況の中で最も有利なエネルギー源,組み合わせは何か?を考えることが重要なのです。
水の流れのある場所では,太陽光発電よりも小水力発電の方が,地方からのお金の流出防止に役立つことになるかも知れません。ただし,この経済分析は正確にしないといけないでしょう。太陽光発電では,2010年の中国からのレアアースの輸出制限による原料の高騰もありますが,技術革新によるコストダウンも期待されます。レアアースの高騰は,水力発電に用いる発電機にも影響したりもします。ですから,短期的な経済効果だけでなく,長期的にみて判断していくことが重要です。
だからこそ,ミンクマでは,エネルギーの自給自足化が地域経済に与える,直接的,間接的な効果について,エネルギー別,組み合わせ別に検討する研究もしているのです。
ところで,自然エネルギーの利用方法は,電気に変える,だけでないことを知っておくことも重要です。太陽光で発電してエアコンをつけるのと,カーテンをあけて太陽の熱を入れて暖めるのでは,時間帯によっては,カーテンを開ける方が暖かくなる場面もある,というような例は,いろいろあります。照明でも同じですね。そうやって,賢くエネルギー利用することが自然エネルギーの使い方としては適切なのです。
○地域の特徴を活かした自然エネルギーを探す = 水力への期待,回帰
熊野に賦存しているエネルギーとして豊富なものは,なんといっても,水力でしょう。熊野は,日本でも最も多雨地帯のひとつです。古くから,各所で水車がまわって粉曳きに使われていましたし,製材(木挽き)に活用されていたこともありました。山で切り出した材木は,川の流れを利用して下流へ運んでいました。今でも多くの水力発電所があります。熊野川などには,たくさんのダム発電所があります。熊野の大きな川のほとんどにダムがあって,盛んに発電利用されています。
川の流れは,延々とあるのだから,発電ダム以外にだって,もっともっとたくさんのエネルギーを生み出す余地があります。また,ダムを建設できる場所は「もう使い切った」という一部の技術者の声もあります。さらに,今は,環境の時代ですから,これ以上のダムを建設することは適切だとは言えないかも知れません。ダム反対の声もありますし,場所によってはダムの建設計画が凍結されたり,中止になる場面も出てきそうです。既存のダムを撤去するような計画まで考えられるような時代になっています。
ダムは,今日的な生活において重要な施設となっていますが,特に川や海の生態系に直接的な悪影響を与えることが心配されますし,水を堰き止めると流れがなくなりますから,プランクトンの発生や増殖が引き起こされて川が汚れることも心配されます。ダムに溜まった土砂の放出が,下流に悪影響を与える可能性も,いろんなところで指摘されています。海にまで悪影響を与えているなんていう指摘もあります。
ということで,ダムを造って水力発電をすることは,これ以上は増えないと考える方が現実的でしょう。仮にダム発電所が増えるとしても,それは,既存のダムの中で,例えば農業用ダムなど発電に使ってないダムの落差を発電利用しようという場合に限られていくでしょう。これは,実は,新しいエネルギー源として,各所で利活用が検討し始められているのですが。
○小さな流れや落差を利用した「小水力発電」
ところが,水の流れは,もっともっとたくさんありますから,ダムではない方法で発電できれば,環境への悪影響を少なくしながらエネルギー利用できるはずです。その方法として,小さな流れや,落差を利用した「小水力発電」への期待が高まっています。急峻な地形の熊野なら,そういう場所はごまんとあります。張り巡らされた農業用水なんかでも,水車によって発電ができます。小さな発電所から少しずつエネルギーを得て,発電所をたくさん増やすことで,エネルギー自給率を高めることができれば,いや,それは,技術的に難しいことではないんです。
なにせ,水力発電は,基本的には発電ということでは「ローテク技術」です。位置エネルギーである水の流れを水車やタービンを回す運動エネルギーに変え,それで発電機をまわし,電気エネルギーに変えるだけのものです。だから,豊富な水資源がある場所では,地域の大工さんと鍛冶屋さんと電気屋さんと土木屋さんが居れば,すぐにでも実行に移せます。試行錯誤しながら,地域の水力発電屋さんを育てることもできます。
事実,かつては,熊野の地に,小さな発電所がたくさんあって,集落の電気をまかなっていました。もちろん,昔と今では,電気の使用量は比較になりません。だけど,100%自給は実現できなくても,地域内の自給率を高めるという視点に立てば,常に流れていく川の流れという位置エネルギーを活用しないことは,もったいないことに思えてなりません。
○電気を365日,24時間,作り続けてくれる水力発電
水力発電の利点は,なんといっても,365日,24時間,電気を作り続けてくれることができる点です(渇水期には発電能力が落ちることもありますが・・)。天気任せ,風任せ,季節限定,とは,わけが違うのです。
ただ,水力を発電利用するには,いろいろな法律や制度の縛りがあって,簡単にはいきません。水利権は,水力発電する際に高いハードルになることが多いものです。だけど,法律は国民や住民のためにあるものです。地域のみんなが望めば,必ず,制度の壁を乗り越えていくことができるはずです。そのためにも,みんなが望むことが何より大事になります。だからこそ,制度をクリアできる場所から始めていくことが重要です。小さな実績の積み上げは,制度を変える力となっていくでしょう。
もうひとつは,みんなの電気の使い方が変わることも大事です。
あまりにもたくさんの電気を求めている限り,脱石油や脱原子力は,遙か遠いお話しになってしまうでしょう。かつて,ほとんど水力発電しかなかった日本において,火力発電が普及していった背景には,水力発電だけでは追いつかなくなったという過去の実態があります。電力の地産地消を目指すなら,自給率を少しでも高めたいなら,並行して省エネに移行していくことが大切なことになります。
○エコロジカルな装置・設備であっても,デザインは重要
エコロジカルな装置,設備であっても,デザインは導入を決める際の重要なポイントになります。装置の導入によって,その場の雰囲気が壊れてしまうようでは,喜びも半減してしまいます。そこで,水車型の発電装置について,金属製で銀色,茶色の両方を用意し,実際に印象調査を行いました。答えは,まず,世代間で違いがあって,年齢が高いほど金属製の発電水車に違和感を覚えるようです。色を変えても,質感などが気になるようです。
そして,どの世代でも「木製水車」での発電についての期待が大きいことが分かりました。これは,水車というものに対する郷愁が大きく関わっているということでした。しかし,木製水車での発電は容易でないことが,頭の痛い問題です。
そこで,私達ミンクマでは,材木をふんだんに使った水車での発電の可能性について挑戦しています。すでに,試作機を製作し,運用実験に着手しています。その際の材木も,地域の間伐材を利用しました。その方が,経済の地域内循環に役立つし,森林の保全にも貢献できると考えているからです。
材木として強度が十分とは言い切れない間伐材の活用に関し「耐久性のことが問題だろう」というご指摘を,いろいろな方々から頂いています。しかし,耐久性がないからこそ,交換頻度が高くなり,そのつど,技術が行使されるので,地域内での技術が伝承されていくと考えています。だから,むしろ,耐久性が低い方が,このような技術では,特に技術の伝承ということにおいて重要ではないかと言えないものでしょうか?。
もちろん,耐久性が低いのだから,価格を安くする必要があります。間伐材でなら,価格のこともクリアできる可能性が高いと見込んでいます。甘いですかね?
○作った電気をどうするのか?
小水力で電気を作ることは,技術的に特に難しいことで無いことは前に述べた通りです。発電するか,しないか,よりも,作った電気をどうするのか?,ということが重要な問題になります。これは,太陽光発電でも,風力発電でも同じです。
大手の電力会社に買ってもらうという「売電」が手っ取り早いのですが,あまりにも小さい発電所の電気を全部買っていたら,電力会社の運営は複雑化しますから,好まれない場面も多々あります。そこで「自分達で作った電気は自分で使う」ことが,賢い手ではないかと考えます。
先にも述べたように,水力発電は,365日,24時間,電気を作り続けてくれることができます。これは,水力発電の有利な点でもあるのですが,やっかいな特徴でもあります。水力発電で発電する量が,とても小さい場合には何も問題はありません。既存の電力インフラからの供給に「足す」だけのことですから。
ところが,ある程度,大きな電力を発電してくれる場合,特に,1日の中の最低使用時間帯に発電量が使用量を上回った場合,売電をしていない限り,せっかく発電した電力の一部を「捨てる」ことになります。また,電力使用の季節性を考えると,場合によっては,一日中,捨て続けるような季節だってあるかも知れません。これは,いかにも「もったいない」ことです。
では,どう考えれば良いのか?。答えは非常に簡単です。余った分の電気をバッテリー(電池)に充電してしまえば良いのです。動き続ける水力発電の特長を活かせば,意外に小さい発電量でも,例えば電力使用の少ない夜間にバッテリーに充電し,多くの電気を必要とする昼間に使うことで,1日に必要な電力がまかなえる可能性もあります。太陽光や風力では,こうはいきません。電気の使用ピークと発電のピークが重なったりするし,発電してくれない日もでてくるからです。
○作った電気をどうするのか? → 災害時の対応に使う
一方,電気を溜めておけば,あるいは,いつでも発電ができれば,災害などで電線が切れてしまって停電した場合でも,復旧を待たなくても困らないということもあります。エネルギー自立していることの強みです。事実,数年前の台風で,熊野のある集落が1日近く停電しました。その地域は,おいしい水がある場所で,皆さん,井戸水をポンプでくみ上げて使っている地区でした。ところが,停電したら,水がなくなったのです。ポンプの電気がないからです。しかし,ミンクマのメンバーの一人が,自家用で小さな水車発電所を持っていました。そのお宅だけ,水をくみ上げることができ,周囲の方も,もらい水に来られたそうです。台風の時でしたから,太陽光発電は役に立たなかったそうです。
確かに,停電した際でも,自動車で水くらいは買いに行けるでしょう。しかし,停電だけでなく,道まで分断されたらどうなりますか?。その際には,復旧までには,さらに長い時間が必要です。その間は,電気のまったく無い生活になってしまいます。また,自動車を運転できない方はどうなりますか?。つまり,山村の多い熊野は,エネルギー自立できていることで,災害に強い安全で安心なまちができるわけです。また,熊野の海岸部では津波のことが心配されています。災害への備えとしても,エネルギー自立を目指すことは,意味のあることなのです。
熊野のことではないですが,以前,とある山間の地域でこういうことがありました。大雪が降って,地域全体が停電してしまったのです。地域では,多くの方が,石油ファンヒーターを暖房に使っていたのですが,電気がないので使えなくなって,皆さん,寒さで震ってしまったのです。エアコンも,コタツも使えませんでした。お年寄りなどは,危機的な状態に陥りました。燃料である灯油があっても無意味だったわけです。ここでの教訓は,電気を使った暖房は,ある意味,使えない場面の生じることがあり,火の始末がちゃんとできれば,直火の方が,機能停止のリスクは小さいということがわかります。また,電力自立できていれば,石油ファンヒーターによる暖房でも問題なかったわけです。
○作った電気をどうするのか? → もっと積極的で刺激的な使い方
もっと,積極的,刺激的な?電気の使い方もあります。例えば,余った電気を,今,はやりつつある電気自動車や電動バイクのバッテリーに充電してしまうという方法です。そして,足りない分の電気を,電気自動車から分けてもらうという使い方だってできます。あるいは,発電した電気を運ぶ方法として,電線を使わずに,バッテリーに充電した状態で,そのバッテリーを電気自動車で運ぶことだってできます。このような配電の方法を,最近では「スマートグリッド」と呼んでいます。
世間では,もっと刺激的なアイデアも構想されています。それは,最初から電気自動車のエネルギー源として発電を始めてしまうチャレンジです。ガソリン価格は,この先も上がり続けることが予想されています。資源の枯渇も心配されます。いろいろと使い道のある貴重な資源である石油を,エネルギー利用の「最終形」である「熱」として,いきなり使ってしまうことは,ある意味,もったいないことかも知れません。燃やせば二酸化炭素が出ますから,地球温暖化のことも心配です。だったら,自然エネルギーで発電した電力で自動車を走らせれば,(移動の際の)二酸化炭素を削減することにもなりますし,さらに,貴重な石油である消費(つまり,採掘=利用可能な寿命)を減らすことつながると考えることもできるわけです。
さらに,自然エネルギーで自動車を走らせることができれば,例えば何かの災害でガソリンが運ばれてこなくなった場合でも,地域内での移動手段が自立的に確保できていることになります。みんなが電気自動車に乗れば,音も静かだし,空気もきれいになります。排ガスによって受ける森林のダメージも減ります。私達の大好きな熊野の雰囲気を守ることにつながります。熊野を観光地として運営するのなら,やはり,雰囲気は大事です。熊野こそ,自動車は電気自動車に切り替えていった方が良いという考えは「有り」だとはいえないでしょうか?。熊野の神様達にも喜んでもらえると思うのですが・・・
○電気自動車を「自作する」ことへの期待
一方,電気自動車ですが,様々な補助金があるとはいえ,自動車販売店のみならず家電量販店での販売が始まったとはいえ,まだまだ高価です。たくさん売れれば,いつかは安くなるでしょう。でも,それは,そんなに近い未来ではないかも知れません。そこで,まちの自動車整備屋さんが,電気自動車を「自作する」という試みが各所で始まってきました。中古車を改造して100万円以内で販売しようという挑戦的な試みまでみられます。エコ減税や補助金を使えば,50万円以内で電気自動車が買えてしまうなんてことまで構想されています。
電気自動車の「自作」についてですが,普通の自動車整備屋さんならば,意外に簡単に実点できてしまうということが分かってきました。実際,ミンクマのメンバーの中で,自動車技術という点では「素人さん」である方々が,改造電気自動車(ソーラーカー)を自作し,車検を通して,公道を走らせています。発案したF氏いわく,「まあ,でっかいプラモデルみたいなものだな」と,楽しみながら電気自動車を作ってしまいました。F氏のチャレンジに賛同し,集まってくる若者も出現し,立場や世代を超えた,新しい人の輪も生まれました。
個人が電気自動車を作ることは,特殊なことではあるでしょう。現代社会では,専門としての分業が進んでいますが,これには社会での効率化の狙いがあったわけです。だから,様々な技術者さんが地域内に居てくれることは,いろんな意味で重要なことなのです。ところが,最近は,自動車整備屋さんがどんどん倒産したり,廃業したりしています。これでは,地域の中に保有されている技術力が下がってしまいます。そんな状態では,とっさの時の対応に困ることも心配されます。
ところが,自動車整備屋さんが電気自動車の製造業者になってくれれば,地域に必要な技術力が残ります。まさしく,技術,つまりヒトの地産地消です。そこで仕事が発生すれば,地域の技術力も下がりません。技術を保有する経済のしくみが地域内に発生します。若者の仕事の創出にもつながるでしょう。もちろん,いろいろな法的なハードルはありますが,チャレンジする価値のあることだと,ミンクマでは考えているのです。
○水力発電をすることで,森林保全に目を向かわせる
小規模とは言え,水力発電を自分でしていて思うことですが,水の流れがもっと多ければ良いのになぁと,いつも考えてしまいます。すると,もっと水を増やしたくなります。では,どうすれば水が増えるのでしょうか?。雨を増やすことはできません。となると,上流にたくさんの水を溜めたくなります。ところが,これ以上のダム建設は,前にも書いたように,環境保全のことでも適切とは言えないかも知れません。となると,残った手段は,森林に「緑のダム」として,たくさんの水を蓄えてもらうことが適切になります。
土壌が水を溜め込む力のことを,専門的には「涵養(かんよう)機能」といいます。厳密には,染みこむ力のことを「涵養」というのですが,一般には溜め込む力のことまで含めて説明されています。森林の涵養機能を高めるためには,様々な種類,年齢の木を生やしておくことが重要となります。それは,根の深さがまちまちになるからです。だから,いろいろな樹種で構成されている天然林は,涵養機能が大きいのです。ところが,スギやヒノキの人工林は,同じ種類,年齢の木で構成されていますから,根の深さが一定となり,たくさんの水を蓄えてはくれません。
そこで,人工林の手入れをし,いろいろな種類の木が生えるように整備すれば,人工林であっても,高い涵養機能が発揮されます。つまり,水力発電を契機に,たくさんの水が欲しくなって,まわりまわって人工林の整備へと目が向くようになる可能性が高くなります。結果として,地域の自然も守られます。植物や森の生きものに興味の無い人にとっても,自分が使うエネルギー源を大きくするという興味によって森林保全にまで目が向くのなら,一石二鳥だと考えられます。
○地域の特徴を活かした自然エネルギーを探す = 森林への期待,バイオマス
熊野には,他にもたくさんの太陽の恵みがあります。代表的なものは,森林です。温暖で多雨な熊野は,森林の発育も旺盛です。まあ,雨が多すぎて,森の養分は流れてしまい,結果的に土壌が形成されにくくなって,岩がちの山地となっています。その分は養分不足になり,森林の発達速度は遅くなると一見ではみえてしまいますが,養分不足を補う,たくさんの降雨があり,結果的に,森林は旺盛に発育します。
一方,熊野では,森林の大半がスギやヒノキの人工林になっています。ところが,近年の林業不振によって,森林管理が行き届かず,そのことで,様々な問題が引き起こされています。前にも述べた「涵養機能」の低下も問題となっています。林業不振から脱却できれば,森林の管理も復活し(本当は,そんなに簡単ではないのですが),森林からの恵み「生態系サービス(多面的な公益機能)」がどんどん増えます。
林業不振から脱却するためには,何をおいても,森林資源が売れなくてはいけません。近年は,一時期ほどのドン底状況からは脱却できたとの声も聞こえますが,以前として厳しい状況にあることには違いがないようです。その中で,間伐の時に発生する林地残材,製材の時の残材,廃材などを熱源として活用しようとする動きが発生しています。時には,建築材として使用できる立派な立木までを熱利用しようと,少々乱暴ではあるものの,背に腹は代えられない,そんな話まで聞こえてきます。ここまでとはいかなくとも,熊野には豊富な「残材」があり,それを熱としてリサイクル利用することは,資源利用の面からも適切だと言えそうです。
まだまだ書き続けますが,今の所は,ここまでしか書けていません。