知能コンピューティング研究室
(Intelligence Computing Laboratory)
† 何を研究するか?
現在、コンピュータが行っている数値計算、情報検索、機械制御などは、半世紀前までは
人間が手作業で行っていましたが、コンピュータの導入によって、正確かつ効率的に
実行されるようになりました。近未来社会では、コンピュータの機能がさらに高度化され、
日常生活のあらゆる場面で、これまで人間にしかできなかった知的作業が
コンピュータに代行されるようになるでしょう。
コンピュータを「知的」にするためには、人間が行う思考プロセスを抽象化・モデル化し、
コンピュータ上で計算できるようにコード化する必要があります。
このような人間の知能メカニズムを探求するのが
人工知能(Artificial Intelligence)の研究です。
具体的には、人間の知的活動をコンピュータ上でシミュレートするために、
知識の表現と推論のアルゴリズム、機械的学習、問題解決手法
などの研究を行います。
一方、我々が日常生活している社会は人間の集合体であり、人間個人を司る知能とは
異なる動作原理に従って変化します。
このような社会のダイナミクスを明らかにするのが
社会知能(Social Intelligence)の研究です。
具体的には、現実社会の様々な環境における人間の行動特性をモデル化し、
コンピュータ上に仮想空間
としての
人工社会
を模擬的に構築します。人工社会は
エージェント
(代理人)と呼ばれる行動主体から構成され、
エージェント間の相互作用による社会現象のコンピュータ・シミュレーション、
社会知能の創発などの研究を行います。
また自然界における動物や昆虫など、個体としては知能レベルが低い生物が集団を形成することで
整然と振舞う行動原理を探る
群知能(Swarm Intelligence)の研究も行います。
† 研究のスケジュール
3年次の後期の「研究室配属」後、週一回のゼミを開催します。
ゼミの前半(10月〜1月)では、関連技術の調査や文献紹介を行ってもらいます。
後半(2月〜3月)は、各自が興味があるテーマを一つ選び、自ら文献調査やコンピュータ上で実験を
行い、レポートを提出してもらいます。このゼミの結果によって3年次後期の
「情報通信システム演習」の評価が行われます。
4年次に研究室に正式配属になると、週一回のゼミを開催します。
ゼミの前半(4月〜7月)は関連技術の調査、研究テーマの決定を行い、
夏休みをはさんで後半(10月〜12月)に研究の進捗紹介と研究室全員での議論を行います。
1月になると卒業論文を書きはじめ、2月に卒業論文の完成、3月卒業というスケジュールで進みます。
(右写真:ゼミの風景。2007年7月)
† どのような研究テーマがあるか?
これまでの卒論、修論のタイトルをいくつか挙げます。
■ 人工知能関係
- 遺伝アルゴリズムを用いたゲームプログラミング
- 対戦型ゲームにおけるアルファ・ベータ探索の一改良法
- 事例の意味的重要度に基づく説明による学習
- 発見的探索を使ったプロダクションシステムの進化的学習法
- 巡回セールスマン問題における遺伝的アルゴリズムを用いたハイブリッド探索
- 巡回セールスマン問題におけるElastic Net アルゴリズムの分散並列化
- マルチエージェント協調学習を用いた追跡問題解決
- 不完全、不確実情報に基づく決定木学習に関する研究
- 不完全情報ゲームにおける戦略評価関数の自動学習について
ゲームプログラミング
探索問題
■ 社会知能・群知能関係
- メタプログラミングを使ったマルチエージェントによる問題解決システム
- 繰り返し囚人のジレンマゲームにおける遺伝的アルゴリズムを用いた戦略の進化
- 有料道路自動料金支払いシステムによる渋滞緩和効果に関する考察
- 不完全な情報の下で常識的に行動するマルチエージェントシステム
- 事例を用いたセルオートマトンのルール発見
- 生物繁殖における視界の効果についての考察
- マルチエージェントシミュレーションによる集団内における友人関係の観察
- 産業発展と環境汚染の人工社会シミュレーション
- 都市発展におけるドーナツ化現象のシミュレーション
- セル・オートマトン法による土地開発と環境汚染シミュレーション
- 人工社会における利己主義の創発
- マルチエージェントシステムによるインフルエンザ感染シミュレーション
- マルチエージェントシミュレーションに基づく学生食堂の利用客心理に関する考察
- マルチエージェントシステムを用いた捕食者と被捕食者の生態シミュレーション
ライフゲーム
ETCによる渋滞緩和シミュレーション
† 研究室の場所は?
研究室はA607(リフレッシュラウンジの隣)です。
海外からの研究者訪問もあります。
海外からの研究者訪問:
- 2007.2.28-4.29: Dr. Martin Caminada (Utrechet University, the Netherlands)
(右写真:客員研究員 Martin Caminada 博士と)
- 2007.3.19-3.20: Dr. Oliver Ray (University of Bristol, UK), Martin Brain(University of Bath, UK).
- 2008.5.31-8.14: Dr. Son Cao Tran (Associate Professor of New Mexico State University, USA).
- 2008.7.23-7.25: Dr. Gauvain Bourgne (Universite Paris-Dauphinem, France)
- 2009.12.7-12.11: Dr. Oliver Ray (Imperial College London, UK)
- 2011.8.22-8.25: Dr. Lena Wiese (NII, Japan)
† 卒業論文はどのように書けばいいのか?
卒業論文の書き方を御覧ください(学外からも多数アクセスがあります)。
Last Updated, August 2011 (Background: "Vitruvianman" by Leonardo Da Vinci)