[村川猛彦]

授業紹介

平成18年度担当の授業について,シラバスと別の切り口で,紹介したいと思います.


情報処理II

履修年次など:
第2セメスター (1年次後期)
授業科目区分:
基礎専門・必修 (他学科の学生は受講できません)
キーワード:
C言語,プログラミング,プログラムの読解
何を学ぶか:
コンピュータを,自分の意図通りに動作させるためには,コンピュータの内部構造を理解することと,適切な方法でプログラムを作ること(プログラミング)が欠かせません.この授業では,C言語と呼ばれるプログラミング言語を対象とします.C言語を活用するために基礎となる文法や概念を,図解による説明や,プログラムの実例などを通じて学んでいきます.最終的には,与えられたプログラムを読んで日本語でその動作を説明したり,不適切な点(バグ)を指摘したりできるようになることを目指します.
何ができるようになるか:
配列とポインタの使い分けをはじめとして,C言語のプログラムを作ったり読んだりするための基礎的な知識を得ることができます.与えられたプログラムのおかしいところをコンパイルせずに発見すること(机上デバッグ)ができるようになるほか,プログラム設計の基本的な考え方を身につけることができます.
授業のひとコマ:
評価方法:
レポート2回,期末試験.
関連する授業:
情報処理Iで演習室の計算機利用に慣れ,プログラミング基礎Iで計算機の内部構造を理解していることを前提とします.情報処理IIと同時期に開講されるプログラミング基礎IIと連携します.情報処理IIは「読むこと」に力点を置いた座学で,プログラミング基礎IIは「書くこと」を重視した演習形式です.2年次に受講する,アルゴリズム演習I情報処理IIIといったプログラミング科目の基礎となります.
特色:
文法などの解説は,PowerPointを使用します(PowerPointファイルとそれぞれのスライドは,授業後にWebで公開します).プログラムの解説についても,簡単なデバッグ方法と合わせて教室のスクリーンに映し出します.例題プログラムはすべて自作で,各回の授業開始時に配布します.
リンク:
シラバス(平成18年度)授業情報(平成18年度)

情報ネットワーク演習

履修年次など:
第4セメスター (2年次後期)
授業科目区分:
専門・選択 (他学科の学生も自由選択科目として受講できます)
キーワード:
インターネット,プログラミング,クライアント/サーバモデル,TCP/IP
何を学ぶか:
現在,コンピュータ同士が通信して情報を送りあうことが当たり前になっています.メールもWWWも,「サーバ」というコンピュータと「クライアント」というコンピュータが通信することで行われます.インターネットの通信プログラムを作るときの土台になるのが,TCP/IPであり,ソケットです.この授業の前半では,ソケットを利用した通信プログラムをC言語で作成していきます.正しく動作するプログラムが完成するころには,プログラミング能力の向上はもちろん,インターネットの基礎技術をより深く理解することにもなるでしょう.
何ができるようになるか:
プログラミングとその準備となる情報収集を通じて,ソケット通信に関する標準的なプログラミング技法や,プロセス間で支障なく通信をするためのプロトコルの概念(HTTPを含む)を理解し,説明できるようになります.システムコールやライブラリ関数(他の言語ではAPIと呼ばれるもの)について,オンラインマニュアルを参照してその使用方法を理解し,プログラムに取り入れることができます.
授業のひとコマ:
評価方法:
各課題に対するレポート.(試験は実施しません.)
関連する授業:
アルゴリズム演習Iで,C言語でプログラムを自在に作成できるようにしておいてください.講義に関しては,情報ネットワークI情報ネットワークIIの履修を推奨します.3年次以降に直接関連する授業はありませんが,研究室に配属して,APIを活用して研究に必要なプログラムを作るときに,この演習の経験が役に立つことでしょう.
特色:
前半(11月末ごろまで)を担当します.後半は塚田先生の担当です.レポートはプレーンテキストのメールで提出してもらいますので,メールの書き方も鍛えられます.
リンク:
シラバス(平成18年度)授業情報(平成18年度)

情報セキュリティ

履修年次など:
第5セメスター (3年次前期)
授業科目区分:
専門・選択 (他学科の学生も自由選択科目として受講できます)
キーワード:
暗号系,認証システム,情報の保護
何を学ぶか:
コンピュータや,コンピュータの中にあるデータを,人的な悪意ある攻撃から守るにはどうすればいいか? これが,この科目の根底にある問題意識です.1970年代から体系化されてきた暗号理論にとどまらず,日常的に使用しているコンピュータへの脅威とその対策,パスワード管理といった身近な話題などにも視野を広げ,何をすれば安全か,あるいは何によって安全でなくなるかなどを見極める目を養います.
何ができるようになるか:
DES,AES,RSA,SSH,PGPといった,情報通信システムのセキュリティ(安全性)を実現するための概念や技術について,その概要(手法,目的,安全性など)を説明でき,状況に応じてどれを選べばよいかが判断できるようになります.個人情報保護をはじめとした情報倫理に配慮しながら,安全性と利便性のバランスがとれた情報通信システムの設計ができるようになります.
授業のひとコマ:
評価方法:
レポート2回と期末試験.レポートは,「プログラミングを含む課題」と「調査課題」から選択できます.
関連する授業:
情報理論情報ネットワークI情報ネットワークII情報ネットワーク演習と関連があり,これらを履修して,インターネットに限らず計算機の間で通信する際の問題意識を持っておくと,興味深く聞くことができると思います.
特色:
教科書を使用しますが,最新の動向なども解説します.計算理論(決定可能・不能,多項式時間など)の説明も,情報セキュリティに関わる範囲で取り入れています.補足や教科書にない授業内容には,PowerPointを使用します(PowerPointファイルとそれぞれのスライドは,授業後にWebで公開します).
リンク:
シラバス(平成18年度)授業情報(平成18年度)

[村川猛彦]
takehiko@sys.wakayama-u.ac.jp
Last modified: Fri Oct 6 10:35:04 JST 2006