研究紹介

プログラミング学習支援

研究概要

情報通信技術を活用した学習(eラーニング)を通じて,PCやモバイル端末を使った教育がさかんに行われています.eラーニングを利用することにより,時間にとらわれず効率よく学習できるとともに,答案の提出(収集)や正誤判定,フィードバックも瞬時に行えます.

eラーニングは,語学や資格試験の勉強で積極的に採用されていますが,大学初年度のプログラミング教育には普及していません.その理由として,教材の通りに打ち込んで実行する「写経型学習」や,その反対にゴールや仕様を提示して実際のコードは受講者らに委ねるという「PBL(Problem Based Learning)」が多く見られ,その提出物により評価されるのが実情であり,学習事項について授業外での自学自習の機会が少ないためと考えられます.

そこでCプログラミングの入門者が容易に学習でき,専門科目でより高度なプログラミング科目を受講する際の再学習も行える環境の確立を目指して,ブラウザ上で動作し,処理の読解や行単位での並び替えにより,プログラムを学ぶ学習支援システムを開発しています.

システム

構築する学習支援環境では,学習環境を整える負担を減らすため,特別なソフトウェアのインストールを必要としないWebアプリケーションによるシステムを開発することとしました.

本システムには穴埋め形式による出題方法と,並び替え形式による出題方法を採用しています.問題は全部で4つの分野があり,「代入」「選択」「反復」「配列」を題材としています.解答者は好きなものを選択し,解答します.

穴埋め形式の問題では,題材となるC言語プログラムが1つ表示され,そのプログラムを実行した際の実行結果を,解答してもらいます.

穴埋め問題の結果画面

並び替え形式の問題では,プログラムの実行結果と正しく動作するプログラムを行ごとに並び替えた選択肢が表示されています.選択肢はドラッグ&ドロップの操作で上下に移動でき,正しい並びにしてもらいます.結果画面では,解答と正答を1行ずつ比較して,正誤の表示を行っています.

並べ替え問題の結果画面

キーワード

プログラミング,C,学習支援,大学教育,Webアプリケーション

関連発表

  • 村端宏介, 卯田敦生, 村川猛彦: C言語学習支援のためのeラーニングシステム, 2018年電子情報通信学会総合大会, 情報・システム講演論文集1, p.135, D-15-3 (2018).