実世界の位置情報を用いたSNSユーザの出会い支援システムの開発


和歌山大学大学院 システム工学研究科
社会情報ネットワーク研究室
村上 豊聡

はじめに

 近年インターネットへの接続環境の進歩によるユーザの増加に伴い,Web はその用途が拡大されています. 現在,人と人との繋がりを促進し,知識共有や情報交換を行うために,コミュニティの形成が可能なWeb サイトであるソーシャルネットワーキングサービスが急速に発展しています. その中でユーザの相互リンクの関係を「友人」関係とし,「友人の友人」といった繋がりを通じて 新しい人間関係を構築できることがメリットのひとつとされています. また,位置情報をSNS と結びつけることでユーザへの高度な支援を実現できるようになりました.

 本研究では人間関係の広がりを促進させる手段として「友人の友人」関係に焦点を当てました. 「友人の友人」関係にあるユーザ間の実世界での距離を計測し,出会いのきっかけ を提供するシステムを開発しました. 本システムでは,この関係にあるユーザが近接すると相手ユーザがいることを伝え, SNS に登録されている共通の友人や趣味を相互に提示することで対面でのコミュニケーションをサポートします.

実世界の位置情報を用いたSNSユーザの出会い支援システム

 実世界の位置情報を用いたSNSユーザの出会い支援システムを開発しました.システム構成図を図1に示します. モバイル機器からmixi にログインし,mixi サーバから「友人の友人」関係にある登録者のID,およびアカウント名を取得します. この時,その関係に自分や自分とマイミクシィ関係(直接の「友人」関係)である友人のデータは取得しません. 後にGPS から送られてくる位置情報を,サーバを介して他ユーザに送信します. 送られてきた位置情報と自らの位置情報を日本測地系に基づく平面直交座標に変換し,2者間の距離を算出します.

システム構成図
図1. システム構成図

 

 図2に開発したシステムの画面を示します.算出された距離によってユーザに「友人の友人」ユーザが近く にいることを伝えます(図2:①). 表示されたリストボックス内のユーザを選択すると,そのユーザとの共通の 友人や共通の趣味をmixi サーバから取得,表示します(図2:②,③).

システム画面
図2.システム画面

今後の課題

参考文献

  1. 松尾 豊:Web2.0 時代の個人とコラボレーション,IPSJ Magazine,Vol.47,No.11,pp.1229-1236(2006).
  2. 大向 一輝:SNS の現在と展望 –コミュニケーションツー ルから情報流通の基盤へ-,IPSJ,Magazine,Vol.47,No.9, pp.993-1000(2006).
  3. 大向 一輝,武田 英明,松尾 豊:リアルワールドとして のWeb , 人工知能学会誌, Vol.21 , No.4 , pp . 403-409 (2006).
  4. Kotaro Nakayama, Takuya Maekawa, Hirokazu Tomiyasu, Takahiro Hara : GeoNote.Net, the7th International Conference Mobile Data Management,(2006).
  5. 株式会社イー・マーキュリー:mixi http://mixi.jp
  6. 伊藤 誠悟,吉田 廣志,河口信夫:無線LAN を用いた広 域位置情報システムの構築に関する検討,情報処理学会論文 誌 Vo1.47,No.12,pp.3124-3136(2006).

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update: 04.12.2007