日本学教育研究センター センター長 長友 文子
和歌山大学国際イニシアティブ基幹日本学教育研究センター(以下「センター」という)は、旧「国際教育研究センター」時代からの実績を踏まえ、「国際学生部門」、「国際連携部門」を経て、現在のセンターとなりました。 第一の業務は、留学生の受入れです。国費留学生、交換留学生の多様な学習ニーズとレベルに応じた、効果的な日本語教育や、日本を知るための日本文化教育を実施し、さらに、生活支援を通して、異国での生活や言葉や習慣の違いからくる不安を取り除いています。
また、日本人学生についても、協定大学への留学生派遣や、短期海外研修、日本人学生と留学生の交流、共修、さらに国際理解教育などにも力を入れています。しかし、当センターは、単に、学生の受け入れ派遣、海外との連携だけをしているのではありません。和歌山は、山と海に囲まれ、豊かな自然と古い歴史を持つ地域です。 部門で行っている留学生のための日本語・日本文化教育の特徴は、大学の教室内だけでなく、地域に出て、体験的に言葉を学び、和歌山の地域文化について学ぶことです。
そして、それを可能にしているのが、信頼関係に基づいた地域との日常的な交流連携です。地域の支援団体は、留学生の生活を親身になって支援してくれています。また留学生の側からも、県国際交流協会の活動に協力したり、県や市や地域の諸団体の調査に加わったり、地域の子供たちと交流したり、地域の国際化に貢献しています。 そして、国際連携、地域連携と、もうひとつ、協定大学の教員とのワークショップ、また国内の学会の研究者を招いてのシンポジウムなど、内外の教育研究者との連携活動にも力を入れてきました。
当センターは、和歌山大学の国際戦略を実現するというミッションを担っています。本学の国際戦略の大きな目標のひとつは、留学生をさらに増やしてキャンパスの国際化を進めることです。コロナ禍によって、留学生数が減少するという事態が起こりましたが、この事態への対応を通して、ICTを活用した海外との教育学習交流、日本語スピ―チコンテスト、国際シンポジウムを開催しました。コロナ禍という厳しい条件下での成功経験を生かして、さらに、本学と海外大学のオンラインによるCOIL型授業の展開、海外で日本語を学ぶ学生のための短期日本語日本文化研修プログラムの実施など、ポストコロナに向けて、ふさわしい企画を検討してゆきたいと思っています。
当センターは小さい組織ですが、教員と職員が共に力を合わせて、全学のご理解とご協力を頂きながら、大学の国際化を推進するというミッションに沿った事業を展開してゆきたいと願っています。これからもよろしくお願いいたします。