和歌山大学経済学部長
金川 めぐみ
和歌山大学経済学部は,和歌山高等商業学校を前身とし,創立100周年を迎えます.多くの先輩方により培われた長く続く信頼を基礎に,学生達は力強く羽ばたき,そして様々な業界・官庁で今、活躍を続けています.
では,このような伝統ある和歌山大学経済学部において,大学はその学びの過程で,どのような力につけることを期待しているでしょう.
「経済学部で学ぶのだから,経済学の専門知識を身につけること」,皆さんが思いつく答えのひとつはそのようなものかもしれません。
もちろん,その通りです.ですが私たち経済学部の教職員は,さらに皆さんに「身につけた専門知識を使って,経済社会の様々な課題を解決に導く力」も身につけてほしいと考えます.
現在の経済社会が抱えている様々な課題を解決するために,経済学の専門知識に加え,人間そのものの行動や,社会の仕組みやそのありかた,自然環境や科学技術にまでおよぶ広範な知見が必要とされます.さらに近年は,様々な活動の状況やその結果が,大量のデータとして記録されるようになりました.多くのデータを処理・分析し,それに基づいて冷静に解釈・判断することも求められます.そしてたいていの課題は,一人で解決することが困難であり,なかには,地域的・国際的な協力を必要とする場合があります.そのような課題について,多くの人とのコミュニケーションを通して,協調して行動することが求められます.
私たち和歌山大学経済学部は,このような複雑な課題解決に必要とされる,経済学の専門知識,分野を超えた知見,データに基づく判断力,多様な人々と対話する力や協調性などを獲得できるように,教育課程を編成し提供します.みなさんは,自ら学び,努力し,これらの力を身につけてください.私たちは,みなさんのそのような主体的な学びを支援していきたいと思います.