WHO'S WHO 研究者紹介

ソラリスの海へ

あたらしいことは物質からはじまる

富士山を見上げる地で原子核融合を夢見た少年は
伊吹山のふもとで材料工学に目覚めた
くすぶる熱いパッションが有機的な拡散を始めたのは
エネルギーみなぎる紀州の大地だった……

工学自然科学系(第17代学長)

伊東 千尋 ITOH Chihiro

世界のあり方が変わってきた

新たな大学教育のキーワードは
「社会実装力」=目の前の社会に対応できる想像/創造力

既存の物質の構造変革、新たな物質の創出に挑み続けてきた伊東千尋教授。近年では、木質ナノカーボンの開発に取り組み、ベンチャー企業との連携にも乗り出していた。そこへ青天の霹靂――大学長の任を受け、大学経営へと進路を取ることとなった。

新学長が考える和歌山大学の使命は、地域とともに未来を創る人材の育成。多様で変化の激しい現代社会の課題を解決するために、学生たちには総合的な視野と複合的な専門性を身に付けてもらう。見たことのない海原へと漕ぎ出す勇気を知恵を!

そして ここから

明治・大正に源流を持つ教育学部・経済学部の伝統の先に、和歌山大学は、1995年にシステム工学部、2008年に観光学部を新設してきた。さらに、日本では珍しい「1学部1学科/1課程制」の導入も完了しており、入学者は1年間まず専門分野の全体像を広く学んでから自分の特性に合った専門を選ぶことができる。

伊東学長は、常に時代を先取りしてきた和歌山大学の決意として、就任した年に迎えた創立70周年のキャッチコピーを「そして ここから」と定めた。

新学長から、若者たちへのメッセージ!
苦しみ抜く経験は絶対に必要。大学とは"何でもやるところ"だ!!

「学生たちは、研究でも課外活動でも、とにかくがむしゃらに取り組むべきだ。楽しいだけの学生生活を送って社会に出たところで、3年は持つかもしれないが、その後は?

とはいえ私自身、学生時代に何をしていたかと聞かれたら、呑んでた(笑)。世の中には、呑まなきゃわからんことがたくさんある。卒業生たちは社会人になってから"本当でした"と笑っているよ。今の和歌山大学は地理的に残念だけれど、積極的に地元の大人と知り合い、どんどん学んで欲しい」

学長室

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Profile プロフィール

伊東 千尋

伊東 千尋 ITOH Chihiro

和歌山大学着任 1999年
学歴 名古屋大学 理学研究科 物理学専攻
学位 理学博士、工学修士
経歴 1990年より日本学術振興会・特別研究員 (PD)および旭化成工業(株)ポリマー開発研究所・研究員~主査。1995年より名古屋大学理学部・助手、1999年より和歌山大学システム工学部・助教授~教授。
所属学協会 応用物理学会、日本物理学会
研究キーワード 光物性、光機能性発現、光誘起相転移・自己組織化

1962年8月11日生まれ。静岡県出身。
工学修士~理学博士の学位を取得後、90年より化学系企業勤務を経て95年に名古屋大学理学部で助手に。
99年に和歌山大学着任後、助教授~教授に。

システム工学部精密物質学科長、システム工学部長に続いて副学長、工学自然科学系長、産学連携イノベーションセンター長等を歴任し、2019年4月より現職(第17代学長)。

BBQ好き&アニメ好きとして知られ、和歌山大学きっての宴会マンでもある。目下カラオケの十八番はモモイロクローバーZ。