[実施報告] 2023年度JICA課題別研修「中央アジア地域広域観光開発政策」
公開日 2024年02月02日
CTRでは、2023年度から2025年度にかけてJICA関西より委託を受け、課題別研修「中央アジア地域広域観光開発政策」 を実施しています。
初年度である今年は、CTR研究員である中元 一恵国際交流課長、八島 雄士教授(観光学部)、香月 義之教授(観光学研究科専門職大学院)や、紀伊半島価値共創基幹の小川 雅則特任教授を中心に、田辺市熊野ツーリズムビューロー協力のもと、講義やフィールドワーク、グループワーク、施策提案の発表等を盛り込んだ研修プログラムを企画・運営しました。
当該課題別研修には中央アジア5カ国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)より各国2名、合計10名の研修員が参加しました。
9月初旬には、遠隔研修としてZoomを利用した4日間のオンライン研修を開催し、10月からの実地研修の概要や熊野古道について、また各研修員による自国の紹介や来日して学びたいことについてのプレゼンテーションが実施されました。
翌月10月11日より、来日した研修員10名を迎え、約3週間の実地研修がスタートしました。1週目は観光庁や国連世界観光機関(UN Tourism)駐日事務所、和歌山県観光局、和歌山県世界遺産センターより講師を招き、和歌山大学で講義を行いました。
2週目はフィールドワークを実施し、高野山や熊野本宮大社など和歌山県内の観光地、田辺市熊野ツーリズムビューローなどのDMOやグリーンツーリズム施設である秋津野ガルテンを訪問し、観光地経営や観光産業、地域住民を巻き込んだ実際の取り組みについて学びを深めました。また熊野古道を実際に歩き、道普請を体験するなど観光地の保全活動にも積極的に参加しました。初めて日本を訪れる研修員も多く、日本の観光についてはもちろんですが、日本の文化や慣習について強い関心を寄せていました。
3週目には、2週間で学んだ知識や経験をもとに、研修員各自で自国の観光における強みや弱みを分析し、最終日のプレゼンテーションに向けた発表資料の作成に取り組みました。
また、大阪で開催されたツーリズムEXPOジャパン2023にも参加し、日本や世界各国の展示ブースを訪れ、各所の観光促進のブランディングやプロモーションを学びました。
研修最終日となる10月30日には、研修の成果発表として、各国毎にアクションプランや施策提案のプレゼンテーションを行いました。これまでの実地研修を振り返り、中央アジア5カ国が連携し、観光開発を進めていくための様々な施策が提案されました。施策の実現においては各国の連携やインフラの面で課題は多いものの、今回の研修を通して各国の現状理解につながったことは、広域観光開発に向けての大きな一歩となったと言えます。