観光客誘致において、二次交通の利便性向上は必須条件か?
公開日 2025年07月31日
国際観光学研究センター(CTR)研究員の香月 義之教授(本学観光学研究科(専門職大学院))による論文が「Northeast Asia Tourism Research」に掲載されました。
論文タイトル
観光客誘致において、二次交通の利便性向上は必須条件か?
著者
香月 義之 和歌山大学大学院観光学研究科
書誌事項
Northeast Asia Tourism Research, Vol. 21 No.1, pp. 156-176
Tourism Institute of Northeast Asia
https://doi.org/10.35173/natr.21.1.08
要旨
本研究は、観光客誘致における二次交通の必要性を検討し、その利便性向上が観光地選択において必須条件ではない可能性を明らかにすることを目的とした。近畿地方の2地域(京都府伊根町と滋賀県高島市)を事例に、観光地における二次交通の利便性と観光客数の関係性を分析した。両地域は京阪神地区からの移動距離がほぼ同等であり、同一の対象市場を前提に検討を行った。研究の結果、二次交通の利便性が低くても観光客が訪れるケースがあることが確認された。観光地における地域固有の観光資源の魅力や情報発信による認知度向上が観光客誘致に影響を与えることが示唆された。また、地域住民が利用する二次交通が存在していれば、その利便性が低い場合でも、一定の観光客が訪れる可能性があることが明らかになった。この結論は、観光地の魅力向上を重視した観光振興の戦略立案に資するものであると考える。
キーワード
観光客誘致、二次交通、利便性、観光資源、観光地の魅力