減災・防災情報システム†
災害情報・防災情報†
災害情報伝達の研究の主流は,無線アドホックネットワークを用いて安定した接続を確保することを前提としています.しかし,周辺環境によって通信が不安定となり断続的な接続となってしまうケースが多く,送信者-受信者間において連続した接続状態を維持することは困難となることが想定されます.これに対しては,接続状態を安定化させるため通信装置の増設,通信電力の増強をすれば対処可能ですが,導入コスト,運用コストが高くなってしまいます.また,連続した接続状態を前提とした情報共有手法では,断続的に切断されるような環境での使用は困難です.
そこで,不安定な通信状況でも利用可能な情報配信方式の開発と,その上で動作する情報配信サービスについて研究しています.
研究成果†
- 山家谷 奈央,塚田 晃司,水害時における分散避難も考慮した避難行動選択支援システムの提案,情報処理学会第85回全国大会,2023年3月
- 樋尻 琉希,塚田 晃司,災害ボランティア活動における運営、ボランティア、被災者間コミュニケーション支援システム,情報処理学会第85回全国大会,2023年3月
- 塚田 晃司(安全・安心ベストプラクティス賞),和歌山大学における防災研究・教育の取組み,電子情報通信学会技術報告,ICTSSL2022-3,pp.10-15,2022年5月
- 大塚 彩秀菜,塚田 晃司,経路上設置情報を用いて夜間避難時の迷いを低減する情報投影システムの提案,インタラクション2022,インタラクティブセッション4D-11,2022年3月
- 大塚 彩秀菜,塚田 晃司,夜間避難時に避難情報を投影提供する懐中電灯型避難支援システムの開発,グループウェアとネットワークサービス研究会ワークショップ2020,ワークショップ2020 (GN Workshop 2020) 論文集,pp.51-58,2020年11月
- 中谷 結羽,塚田 晃司,水害時の事前避難を想定した分散避難支援システム,情報処理学会第83回全国大会,2021年3月
- 河内山 秀,塚田 晃司,被災状況確認の迅速さと正確さの両立を目指す市民参加型情報公開システムの提案,情報処理学会第81回全国大会,2019年3月
- 加藤 裕介,塚田 晃司,配信優先度を考慮した蓄積運搬転送型通信による災害時情報配信システムの提案,情報処理学会研究報告,2015-GN-93(35),pp.1-8,2015年1月
- 小島 竜也,塚田 晃司,位置情報に基づいた避難所内SNS利用者間情報共有システム,グループウェアとネットワークサービス研究会ワークショップ2014,ワークショップ2014 (GN Workshop 2014) 論文集Vol.2014,pp.1-6,2014年11月
- 小島 竜也,塚田 晃司,位置情報に基づいたユーザクラスタリングによる避難所内情報共有システムの提案,情報処理学会第76回全国大会,2014年3月
- 池端 優二(優秀発表賞),塚田 晃司,安否報告が困難な状況を支援するライフログ活用安否確認システム,情報処理学会研究報告,2014-GN90-90,pp.1-7,2014年1月
- 池端 優二,塚田 晃司,ライフログデータを活用した非常時安否確認支援システムの提案,2013年度情報処理学会関西支部大会,2013年9月
- 加藤 裕介,塚田 晃司,小型無線端末を用いた災害時情報配信システムの提案と実装,情報処理学会第75回全国大会,2013年3月
- 池端 優二,塚田 晃司,災害ボランティア活動報告の信頼性向上を目的とした情報共有システムの提案,グループウェアとネットワークサービスワークショップ 2012,2012年11月
- 池端 優二,福井 悠,山田 俊輔,丸山 博史,塚田 晃司,情報入力の容易さを考慮したボランティアセンターを中心とする活動支援システムの提案,情報処理学会第74回全国大会,2012年3月
- 丸山 博史,福井 悠,山田 俊輔,池端 優二,塚田 晃司,情報の特性による配信優先度を考慮した災害情報共有システムの提案,グループウェアとネットワークサービスワークショップ 2011,2011年11月
- 福井 悠,山田 俊輔,丸山 博史,池端 優二,塚田 晃司,孤立集落間の共助支援を目的とした災害情報システムの提案,平成23年度情報処理学会関西支部大会,2011年9月
- 山田 俊輔,福井 悠,丸山 博史,塚田 晃司,災害時孤立集落を想定したソフトウェアに依存しない情報共有システムの提案,情報処理学会第73回全国大会,2011年3月
- 丸山 博史,福井 悠,山田 俊輔,塚田 晃司,災害情報の優先度を考慮した情報共有手法の提案,情報処理学会第73回全国大会,2011年3月
- 塚田 晃司,野崎 浩平,災害時孤立集落での利用を想定した地域内情報共有システム,情報処理学会論文誌,51巻,1号,pp.14-24,2010年1月
- 吉田 昭宜,塚田 晃司,DTN環境での利用を考慮した災害情報共有システムの提案と実装,情報処理学会マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム,5B-5,2009年7月
- 吉田 昭宜,塚田 晃司,大規模災害時におけるDTN環境での利用を考慮した災害情報共有システム,情報処理学会第71回全国大会,2009年3月
- 塚田 晃司,野崎 浩平,中居 健人,鍋谷 枝里子,中山間地域における災害時情報共有システムの提案と実装,情報処理学会研究報告,2008-GN-68,pp.49-54,電子情報通信学会技術研究報告,OIS2008-9,pp.49-54,2008年5月
- 野崎 浩平,中居 健人,鍋谷 枝里子,平尾 典也,塚田 晃司,災害時における地域内情報共有システムの提案,日本災害情報学会第9回学会大会予稿集,pp.169-174,2007年11月
- 野崎 浩平,福井 淑郎,柴田 正義,田中 英光,松田 侑子,吉本 尚永,塚田 晃司,災害発生時における動的な避難誘導システムの提案,情報処理学会研究報告,2007-DBS-141,2007-GN-62,pp.185-190,2007年1月
- 塚田 晃司,福井 淑郎,野崎 浩平,柴田 正義,田中 英光,松田 侑子,吉本 尚永,観光地防災システムの提案―観光客のための避難支援システム―,グループウェアとネットワークサービスワークショップ2006論文集,情報処理学会シンポジウムシリーズVol.2006,No.12,pp.61-62,2006年11月
可視光通信(イメージセンサ通信)・非常時通信†
日本は国土の7割近くを中山間地域が占め,災害時孤立可能性集落が約2万箇所存在しています.孤立集落からの非常時通信の手段として防災行政無線などがありますが,一般の住民の方々が手軽に利用できる手段ではありません.携帯電話は東海・東南海・南海地震のような広域災害では利用困難になることが予想されます.
そこで,地上から上空を飛行する消防・自衛隊などのヘリコプターに対する,簡便で視認性が高い通信手段として,多色LEDの発光色の変化を用いた非常時通信システムについて研究しています.
研究成果†
- 佐野 承士,塚田 晃司, 可視光通信におけるスマートフォンカメラのパラメータ自動制御による通信性能向上手法の提案,情報処理学会第85回全国大会,2023年3月
- 筧 真弥,林田 滉世,塚田 晃司,スマートフォンでのCSK変調を用いた色変化パターンを考慮した可視光通信の色認識率向上手法の提案,情報処理学会第84回全国大会,2022年3月
- 林田 滉世,筧 真弥,塚田 晃司,災害時可視光通信における計算量を低減した多色光源追跡手法の提案,情報処理学会第84回全国大会,2022年3月
- 下前 知世,藤尾 智彰,塚田 晃司,色空間ベクトルの想定時系列変化パターンとの類似度を用いて可視光通信の受信誤りを低減する手法の提案,情報処理学会第82回全国大会,2020年3月
- 藤尾 智彰,下前 知世,塚田 晃司,災害時可視光通信における複数フレーム画像を利用した光源自動認識手法の提案,情報処理学会第82回全国大会,2020年3月
- 竹内 稜登(学生奨励賞),塚田 晃司,災害時可視光通信における変換パターンを用いたビットの誤り訂正手法の提案,情報処理学会第80回全国大会,2018年3月
- 塚田 晃司,岡崎 匡紀,災害時における非常時通信のための偽色発生を抑制する非同期CSK方式の提案,情報処理学会論文誌,59巻,1号,pp.12-21,2018年1月
- 岡本 典樹,塚田 晃司,災害時における可視光通信システムを用いた非常時通信システムの提案,減災情報システム合同研究会第6回研究会,DRIS-2017-0321-02,2017年3月
- 北中 央,岡本 典樹,塚田 晃司,可視光通信において誤認識の検出および訂正を可能にする色変調方式の提案,情報処理学会第79回全国大会,2017年3月
- 岡崎 匡紀,岡本 典樹,塚田 晃司,発光色の色変化の認識率を向上させる符号化方式を適用した災害時可視光通信手法の提案,情報処理学会研究報告,2016-GN-98(13),pp.1-8,2016年3月
- 塚田 晃司,岡 裕大,RGB3色LEDの加法混色を用いた色変調可視光通信の提案と非常時通信への適用,情報処理学会論文誌,57巻,1号,pp.134-144,2016年1月
- 岡本 典樹(学生奨励賞),岡崎 匡紀,塚田 晃司,災害時可視光通信における光源特定のための自動認識手法の提案,情報処理学会第77回全国大会,2015年3月
- 岡崎 匡紀(GN研究賞),塚田 晃司,発光色の色変化を利用した災害時可視光通信手法の提案,情報処理学会研究報告,2015-GN-93(36),pp.1-8,2015年1月
- 塚田 晃司,岡崎 匡紀,可視光通信を用いた非常時通信の試み,減災情報システム合同研究会第1回研究会,2014年3月
- 岡崎 匡紀(学生奨励賞),塚田 晃司,発光色の推定にK-means法を適用した災害時可視光通信手法の提案,情報処理学会第76回全国大会,2014年3月
- 岡 裕大(学生奨励賞),塚田 晃司,RGB色ベクトルの推定を用いた災害時可視光通信システムの提案と実装,情報処理学会第75回全国大会,2013年3月
- 原山 拓士(学生奨励賞),高田 政裕,塚田 晃司,揺れ、移動を考慮した非常時可視光通信システムの改良と実装,情報処理学会第74回全国大会,2012年3月
- 高田 政裕,原山 拓士,塚田 晃司,発光色の変化による非常時通信システムの改良と実装,情報処理学会第74回全国大会,2012年3月
- 村吉 翔大,原山 拓士,塚田 晃司,SVMを用いた災害時での可視光通信における受信誤り率の低減,情報処理学会第73回全国大会,2011年3月
- 原山 拓士,村吉 翔大,塚田 晃司,高輝度フルカラーLEDを用いた非常時通信システムの提案,日本災害情報学会第12回研究発表大会予稿集,pp.363-368,2010年10月
- 原山 拓士,塚田 晃司,発色光の変化により情報の伝達を実現する災害時通信方式の提案,情報処理学会第72回全国大会,2010年3月
鉄道乗客向け災害情報提供基盤†
東日本大震災では,海岸線近くに位置する鉄道路線において津波被害を受けた個所が多数あり,列車乗客の津波避難対策が重要課題となっています.例えば,和歌山県内においても,JR西日本の紀勢線は海岸線に非常に近い場所にあり,南海トラフ地震が発生した場合には津波到達までの時間的猶予が非常に短く,乗客の迅速な避難が求められています.しかし,列車乗客の津波避難は,発災時の走行位置やその後の緊急停止位置により最善の避難行動が変化します.そのため,避難場所,経路が確定している一般的な津波避難とは異なる臨機応変な対応が必要となります.
そこで,列車内に設置した無線LANネットワークによってスマートフォンへの情報配信基盤の技術開発や,発災前・後において,津波避難に必要となる情報項目について研究しています.
研究成果†
- 大塚 彩秀菜(学生奨励賞,大会優秀賞),塚田 晃司,夜間の避難誘導を支援する懐中電灯型避難情報投影システムの提案,情報処理学会第82回全国大会,2020年3月
- 濱本 英寿,塚田 晃司,プライバシーを考慮した要援護者を含む鉄道乗客者向け、共助喚起システムの提案,情報処理学会第81回全国大会,2019年3月
- 野村 裕香,塚田 晃司,鉄道利用者を対象とする平常時から情報提供可能な避難支援システムの提案,情報処理学会第80回全国大会,2018年3月
- 塚田 晃司,西川 一弘,津波避難を想定した沿岸部を走行する列車乗客向け避難情報提供システムの一提案,日本災害情報学会第19回学会大会,pp.272-273,2017年10月
- 後藤 龍之介,塚田 晃司,沿岸地域を走行する鉄道利用者を対象とした災害時避難支援システムの提案と構築,グループウェアとネットワークサービス研究会ワークショップ2015,ワークショップ2015(GN Workshop 2015) 論文集Vol.2015,pp.1-6,2015年11月
- 後藤 龍之介,塚田 晃司,沿岸地域を走行する鉄道利用者向け災害避難支援システムの提案,情報処理学会第77回全国大会,2015年3月
災害時における狭域情報配信†
大規模災害においては,多くの住民が避難所で避難生活をおくることになります.その際,各種生活情報を避難者に告知する必要がありますが,それらは紙媒体による掲示板への掲示であったり,拡声器などを用いた口頭での案内であったりすることが多いため,どうしても重要な情報に気が付かない可能性や,伝達漏れなどが生じる可能性が高くなります.
そこで,IT機器の利用者のみを情報配信の対象にせず,従来からあるラジオの利用者にも必要な情報を配信可能とする情報配信手法を提案します.また,これまでラジオなどの放送メディアは,広域に情報配信できることが特徴であると考えられていましたが,微弱FM放送を利用し,あえて狭い範囲を対象とした狭域情報配信にすることで,被災した集落や個々の避難所などで個別に必要とされる情報を適切に配信できることが特徴です.
研究成果†
- 下村 樹,塚田 晃司,被災地域の位置情報により優先度を変化させる災害情報配信スケジューリング手法の提案,情報処理学会第79回全国大会,2017年3月
- 塚田 晃司,宮崎 文子,仲山 友章,古田 誠,佐藤 周,高校生による情報ボランティアが運用する災害時狭域情報配信システムの実証実験,日本災害情報学会第18回学会大会,pp.240-241,2016年10月
- 松田 健吾,塚田 晃司,情報の追加を考慮した動的な災害情報放送スケジューリング手法の提案,情報処理学会第78回全国大会,2016年3月
- 塚田 晃司,宮崎 文子,古田 誠,仲山 友章,佐藤 周,ラジオを活用した災害時狭域情報配信の試み,減災情報システム合同研究会第5回研究会,DRIS-2016-0309-05,2016年3月
- 塚田 晃司,佐藤 周,古田 誠,情報ボランティアによる情報収集活動と微弱FM放送を連携させた狭域情報配信システムの実証評価―和歌山県海南市下津町大崎の事例―,日本災害情報学会第17回学会大会,pp.24-25,2015年10月
- 中本 裕也,塚田 晃司,優先度を考慮した災害時情報配信スケジューリング手法の提案,情報処理学会第77回全国大会,2015年3月
- 塚田 晃司,佐藤 周,古田 誠,微弱FM放送と無線メッシュネットワークを連携させた狭域情報配信手法とその運用に関する一提案,日本災害情報学会第16回学会大会,pp.192-193,2014年10月