和大産学連携通信 No6(2017,3月号)
公開日 2017年03月01日
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目次
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1.NEWS
5.和歌山大学 客員教授紹介 恵下 隆(富士通セミコンダクター株式会社)
7.編集後記
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a) 「JSTオープンイノベーションフェアWEST2017」 和歌山大学 システム工学部 江種伸之 教授、吉野 孝 教授、塚田晃司 准教授 発表
2017年2月7日,8日 グランフロント大阪にて「JSTオープンイノベーションフェアWEST2017」が開催されました。
和歌山大学から下記3名が出展し、プレゼンテーションを行いました。
「産学連携活動紹介」 産学連携・研究支援センター
「地上と宇宙を融合した災害情報高度利用システムの開発」 システム工学部 江種伸之 教授
「毎日使える防災情報提供システムおよび防災マップ作成支援システム」 システム工学部 吉野 孝 教授
あかりマップbot / 防災4コマ漫画 / 防災マップ作成支援システム
「多色発光LEDによる可視光通信を用いた災害時に利用可能な通信システム」システム工学部 塚田晃司 准教授
b)「メディカルジャパン 第3回日本 医療総合展」和歌山大学 八木 栄一 特任教授、尾崎 信彦 准教授 発表(インテックス大阪)
2017年2月15日~17日インテックス大阪にて「メディカルジャパン 第3回日本 医療総合展」が開催されました。
和歌山大学より下記2名が講演いたしました。
■和歌山大学のパワーアシストスーツ 特任教授 八木 栄一
■医療用OCT光源に向けた半導体ナノ材料開発 システム工学部 准教授 尾崎 信彦
中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業の公募(NEDO)
平成29年度も公募が行われます。 和歌山大学は橋渡し機関として登録されていますので、相談ください。 応募には準備が必要です。 早目の相談を!
公募の概要は下記の通りです。
対象:中堅・中小企業および組合等
応募要件:橋渡し研究機関と共に
助成金額:1億円以内(下限1500万円)助成対象経費の2/3
期間:単年度
地域産学バリュープログラム(JST) 間もなく公募開始
・大学等で自社ニーズを研究してほしい場合、そのテーマを大学が応募します。 早い相談を
・企業の費用負担無し。
・企業はニーズ情報を応募書類に記入するが、名前は公表されない。
・300万円大学に支援、企業への大学からの委託も可能
・単年度
3. 技術紹介 力仕事の補助装置(パワーアシスト)の実用化 和歌山大学 産学連携・研究支援センター 特任教授 八木栄一氏の技術
パワーアシストの現状
近年力仕事や、体の自由がきかない人の動作を補助するパワーアシストが知られるようになってきた。和歌山大学の八木栄一教授もその草分けの一人である。 パワーアシストでは動こうとする人間の意思を腕や足を補助する駆動装置にまず伝える必要がある。種々の方法が使われているようで、パワーアシストで有名な筑波大学のHALでは装着者の筋電位を測定して、動こうとする意志を検出している。和歌山大学では動こうとする時のスィッチ信号を検出して動きを補助している。種々のパワーアシストを開発してきた。これまでに完成させたのは、農作業用のパワーアシスト装置である。
技術の特徴
1.重量物等を持ち上げしようとする時の動作をスイッチ信号で瞬時に検出して、それに応じた動作の力補助を行う。筋電位検出などを利用していないので、汗が生じるような環境下での作業も支援できる。
2.腰の負荷支援と、坂道での歩行支援を行う。
3.軽量である。 現在は6.8Kg(電池も含めて)であるが、今後さらに軽量化を図る予定です。
産学連携・研究支援センターの活動予定を掲載しています。
5.和歌山大学 客員教授紹介 恵下 隆(富士通セミコンダクター株式会社)
2016年6月より本学産学連携・研究支援センターの客員教授にさせていただきました恵下(えした)隆です。私は今まで富士通セミコンダクター株式会社において、半導体材料の研究・開発をしてきました。スマホには電源をオフしたときに記憶を保持しておく半導体メモリ(不揮発性メモリといいます)が入っています。これはUSBメモリとしても単独で販売されているフラッシュメモリと呼ばれるメモリです。このメモリは実は大容量の記憶を蓄えられるのですが、書き込み時間が遅くて、書き換えの回数が10万回以下、また消費電力が大きいという弱点がありました。インターネット時代となって、ネット上での商取引の安全性の確保が重要になってきましたが、高速で、低消費、何回でも書き換え可能な不揮発性メモリが要求されるようになりました。私達は、強誘電体という材料をつかってこのメモリを世界に先駆けて量産することに成功しました。今では、当社の主力業種となっています。この技術は2014年に文部科学大臣表彰など数々の賞を受賞し、2015年には紫綬褒章をいただきました。フラッシュメモリに比べてまだ売上はそれほど多くないですが、今では劣勢となってしまった日本の半導体を再生する技術であり、またビジネスとして期待されています。 私は今まで和歌山県にはご縁もゆかりもありませんでしたが、昨年一度来て大変自然が豊かでいいところだと直感しました。趣味は自然のなかでのウオーキングですので、これから楽しみです。それから、いままで大学職員としての経験はまったくありませんので、皆様のご指導をお願いいたします。
技術相談をお寄せください。和歌山大学産学連携・研究支援センターでは積極的に企業の皆様からの技術相談に対応します。下記アドレスに申込用紙があります。
http://www.wakayama-u.ac.jp/chiiki/system/system_p.htmlにアクセスし、「経営・技術相談申込書」をダウンロードしてご記入の上、liaison@center.wakayama-u.ac.jpにメールでお送りください。
和歌山大学で対応が難しい場合はMOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)の産学連携機関に登録している32大学と連携して、対応可能な研究者をご紹介します。近隣の府県の研究機関(公設試)でも技術相談を受け付けています。研究的開発的要素のあるものは大学に向いていますが、単なる測定などは、むしろ公設試が適しています。その様な事案については公設試を紹介して問題解決に当たります。
3月も半ばに入り、厳しかった冬も段々と春の気配が日に日に増してきました。
春は「出会いと別れの季節」と言われ、卒業、退職、異動、転勤、転職、転校、新年度、就職、入学、クラス替えなど、世の中も何となく「うきうき~そわそわ」する時期でもあります。 昨今は社会情勢、技術革新、人々のライフスタイルの多様化など変化の流れも勢いも一段と早くなってきています。今までの経験や知見、良い仕組みは残しつつ、新しいチャレンジに挑戦出来る良いスタートの時期にしたいと思います。(米田記)
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ご意見、感想、質問、情報等をお寄せ下さい。
連絡先 国立大学法人 和歌山大学 産学連携・研究支援センター
liaison@center.wakayama-u.ac.jp TEL 073-457-7564
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編集 国立大学法人 和歌山大学 産学連携・研究支援センター
コーディネーターグループ 鈴木、前田、米田
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