平成28年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行され、本学においても障害者への不当な差別的扱いの禁止と合理的配慮が法的義務となりました。それに伴い障害を理由とした差別解消に向けて、和歌山大学では、教職員の「対応要領」および「留意事項」を策定しました。
誰もが学びやすい修学環境をさらに整えていくために、教職員の皆様のより一層のご理解及び配慮のご協力をお願いいたします。
<参考資料>
・和歌山大学 障害学生支援ガイドブック.pdf[PDF:5.49MB]
・和歌山大学における障害のある学生への支援の基本的な方針.pdf[PDF:427KB]
・障害を理由とする差別の解消の推進に関する和歌山大学教職員対応要領[PDF:426KB]
合理的配慮とは
「合理的配慮」とは、障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。(『障害者の権利に関する条約 第2条 定義』より)
*高等教育における合理的配慮とは、平等な機会を与えるために、障害学生との間で行う変更・調整のことです。
■支援対象者について
支援対象となる障害の種類
視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱・虚弱、発達障害、精神障害などの心身機能に障害のある学生。(それらに準ずる障害があることを示す診断書を有する者、および一時的な怪我などの者も含まれます。)
支援対象者となる範囲
学生、科目等履修生・聴講生等、研究生、留学生及び交流校からの交流に基づいて学ぶ学生等。
また、大学等が主催するシンポジウムや学会への参加者、附属学校に在籍する児童生徒、大学
が提供する事業に参加するすべての者が含まれます。
支援の範囲
①入学までの支援
②入試における支援
③修学支援(定期試験を含む)
④進路・就職支援
■ 障がいのある学生を支援するために
支援体制イメージ図
他の学生と平等な教育の機会を与えるため、各部局が必要に応じて連携を取り、大学全体で障害をもつ学生の支援を行ないます。
配慮決定までの流れ
相談及び不服申し立て
当部門から提供が決定された支援等について、学生とその保証人、関係する科目の教職員から疑義や申し立てがある場合は、原則話し合いにより解決します。しかし、万が一、解決に至らなかった場合は、学生と保証人、関係する教職員から当学の人権委員会に相談又は調停の申し出を行なってください。申し出が受理された場合、委員会の介入のもと、調停を行ない障がい学生支援の理念に則った支援の保障を目指します。
シラバスについて
障害のある学生は自身の特性を考慮して履修登録を行う必要があります。また、合理的配慮の決定過程において、シラバスの内容は大切な資料となります。講義の本質が変更されず、合理的な調整や変更をするために、講義の情報をできる限り詳しくシラバスに明記頂けますよう、ご協力をお願いします。特に、授業の目的(到達目標を含む)、講義の形態(講義形式、ゼミ形式、質疑応答式、数式図式による授業、グループワークの有無等)、成績評価に関して具体的な明記をお願いします。
教職員研修会
障害をもつ学生への理解を深め、よりよい修学環境を提供するための研修会を毎年開催しております。
事前に開催案内をお知らせいたしますので、ぜひご参加いただきますようお願いいたします。
■各種障害とその配慮について
各障害の説明、困難の具体例、対宇や配慮の具体例など
視覚障害(PDF).pdf[PDF:711KB] 聴覚障害(PDF).pdf[PDF:712KB]
肢体不自由(PDF).pdf[PDF:713KB] 病弱虚弱(PDF).pdf[PDF:712KB]
発達障害(PDF).pdf[PDF:712KB] 精神障害(PDF).pdf[PDF:712KB]
■災害が起こったときの対応について
授業中に災害が発生した場合、原則として授業担当教職員の方が避難誘導者となります。
その場に自力での避難が難しい学生がいる場合は、通常の避難指示・誘導に加え、以下のことを行っ
てください。
●避難の際に、情報支援や誘導・移動介助などの支援が必要な障害者がいるかを確認する
●避難に支援が必要だが、近くに担当者がいない場合は、その場で支援者を決める
(1)視覚障害
▼避難の手順・経路・周囲の状況について口頭で情報提供を行う。
▼避難が必要な際はいきなり体をつかんだりせず、本人の希望を確認する。
▼誘導の際は、支援者のひじの少し上をつかんでもらい歩くか、
支援者が障害学生の前を歩く。
▼段差・亀裂・障害物(足元/頭上/張り出し/ひび割れ等)を注意喚起しながら避難する。
(2)聴覚障害
▼筆談/ スマートフォンへのテキスト入力/ 板書/ 空書/ 身振り/ 手のひらに
書くなどの方法を組み合わせ、目に見える形で学生に避難情報を伝達する。
▼避難本部などの集合地点に「筆談ボード」などを置き、
避難後も的確に情報提供を行う。
(3)肢体不自由
▼車椅子を利用する学生は可能な限り2 名以上(4,5 名が理想)で支援をする。
※未経験者が車椅子に人を乗せたまま移動させることは、危険が伴うため推奨しません。
▼支援者が学生を交代で背負いながら避難させる。
(担架等があれば使用して移動を検討する。)
▼車椅子は別の支援者が畳んで運ぶか後から運ぶ。難しい場合は学生の避難を最優先。
(4)病弱・虚弱の方
▼最低限の医薬品や非常用電源等を確保しておく。
(5)発達障害・精神障害
パニックや不安、緊張から避難場所まで自力では行けない場合が想定されます。
▼避難指示をする際、避難経路や避難場所について視覚情報と口頭ではっきりと
簡潔に伝える。(例)「体育館へ避難してください。次の指示はその後に伝えます。」
▼パニックを起こしている際は周囲の状況を見つつ、落ち着くのを待ち、
付き添って避難する。
≪残留者確認≫
◆教職員は必ず建物内の残留者確認を行う。
◆各フロアの教室、廊下、トイレや人の目につきにくい場所などに
障害学生や一般の学生が残っている可能性もある。
◆呼びかけや音への応答が難しい学生がいる場合も想定し、
ライトの点滅を利用するなどの工夫が必要となる。