松浪優斗さん:日本音響学会第153回研究発表会において学生優秀発表賞を受賞
公開日 2025年11月06日
和歌山大学システム工学部4年(受賞時)、メディアデザインメジャー(旧課程)の松浪優斗さんが、日本音響学会第153回研究発表会において学生優秀発表賞を受賞しました。
受賞者/著者 松浪優斗
反復した環境音の学習による擬音語認識システムの開発
本研究では、End-to-End型深層学習による擬音語認識手法の検討を行った。認識モデルとして、Hybrid CTC/Attentionモデルを採用した。モデルの訓練データには、環境音の音響コーパスに含まれる単独の環境音を連結して作成した音響信号を用いた。これにより、複数の異なる環境音が連続的に出現する学習データを構築した。 学習した提案モデルは連続した環境音入力に対して、オノマトペ(擬音語)を模したテキストを出力できることを確認した。一方で、「時計の針の音」のような反復的パターンを有する環境音を入力した場合、出力テキストには繰り返しが十分に反映されず、リズム感に乏しい結果となる傾向が見られた。この課題に対処するため、無作為に連結した環境音のみで学習したモデルと、訓練データの一部を反復パターンを持つ連続環境音に置き換えて学習したモデルとを比較した。さらに、反復パターンを含む連続環境音の含有率を変化させた実験を行い、モデル出力への影響を評価した。
>>学会及び賞の概要: 「日本音響学会研究発表会」は、音・聴覚・言語等の音情報処理に関する国内最大の会議である(年2回)。「学生優秀発表賞」は 2010年春季に創設された賞で、将来の音響学の発展を担う若手研究者を奨励するため、春季又は秋季研究発表会において優秀な発表を行った学生会員に贈呈される。今回の賞は、「第153回研究発表会(2025年春季)」での発表に対してであり、「第30回学生優秀発表賞 」となる。
なお、この功績を称え、松浪優斗さんはシステム工学部長表彰の対象者に決定しました。

