塚田晃司准教授のグループが、和歌山県内の放送事業者と協力して、大規模災害時における避難所内などの狭い範囲への情報発信手段として、小出力FM放送と無線LAN技術の連携システムの有用性を試す社会実験を行います

公開日 2015年10月14日

南海トラフ巨大地震などの大規模災害発生時には、多くの住民の方々が避難所生活を強いられる可能性があります。避難所での情報伝達手段は、掲示板や口頭での伝達が中心ですが、気が付かなかったり、伝達が漏れたりする場合があります。

最近は、スマートフォンなどIT機器を利用して情報伝達をサポートする取り組みが進められています。しかし、災害時に通信網が被災して利用できない場合や、スマートフォンなどを所有していない人への対応など、課題が多数残っています。

そこで、塚田晃司准教授、佐藤周教授(経済学部)のグループは、従来から普及しているラジオに着目しました。通常、ラジオは、広範囲へ情報発信するものですが、小出力のFM放送とすることで、特定の狭い範囲向けに情報を発信し、無線LAN技術を用いることで、離れた場所の避難所に情報を配信します。また、地域に配信する情報を取材・編集・配信する人材育成も必要となります。このように、小出力のFM放送と無線LAN技術の連携システムによる情報発信の有用性を検証し、実際に携わる人材の育成を目的として社会実験を行います。南海トラフ巨大地震で被害が想定される紀伊半島南部を対象地区に設定し、その地区の住民の方々のご協力のもと進めます。

この研究は、公益財団法人 JR西日本あんしん社会財団 平成27年度研究助成により実施しています。

実験の詳細は以下のとおりです。

  • 実験日時:2015年11月15日(日)
  • 対象地区:和歌山県東牟婁郡串本町潮岬地区
  • 実験内容:小出力FM放送(実験試験局)を用いた情報伝達の有用性検証

 

  • 実験日時:2015年11月22日(日)
  • 対象地区:和歌山県田辺市 和歌山県立田辺高等学校周辺
  • 実験内容:微弱FM放送(微弱無線局)と無線LAN技術を用いた情報伝達の有用性検証

 

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