和歌山大学教育学部長
本山 貢
和歌山大学教育学部ホームページへようこそ
子どもの頃からの学校教育の現状を経験したことを踏まえ、「教師になりたい!」という強い思いを抱いている皆さんに、是非とも教師という「子どもたちの成長を支える魅力的な仕事」についてほしいと思います。そのためには、教育者になる段階的な歩みを踏む必要があります。和歌山大学教育学部では、教師を目指す皆さんの希望の実現に向けた教育システムを提供しています。
複雑化・煩雑化する社会において、教師となるためには、教職に対する強い情熱を持ち、教師の仕事に対する使命感や誇り、子どもに対する愛情や責任感が必要です。また、教師は、変化の著しい社会や学校教育のなかで、子どもたちに適切な対応を継続して行うため、常に学び続ける向上心を持つことが大切です。教師は教育の専門家として子どもの理解力、児童・生徒への指導力などの確かな力量を兼ね備えていることのみならず、豊かな人間性や社会性、対人関係能力、コミュニケーション能力などの人格的資質も重要な能力です。しかし、これらの力量は、今全てが身についている人はほとんどいないと思っています。全てが段階的に育まれていくもので、高等教育の4年間に基礎が築かれていくものであると考えます。
教育学部の教育目標は、人間と教育に関する深い理解と、科学・芸術・文化に関する専門的知識に基づき、教育実践力を高めることで、次世代を担う子どもたちの成長と発達を支援していくことのできる高度な資質・能力をもった教員養成を目的としています。この目的の実現を図るために、初等教育コース・中等教育コース・特別支援教育コースの3つのコースをおき、キャリアパスを明確にし、自分の目指すべき進路に応じた専門教育を受けることができるようにカリキュラムが組まれています。
特に、初等教育の教員養成機能を強化し、中等教育との連携を推進することを重要視しています。また、多様な児童生徒に対応して行うインクルーシブ教育にも力を入れています。学部の特色のなかには、小規模化する学校現場に対応するため和歌山県の教育的特色である複式学級に対応した、へき地・複式教育実習や小規模校活性化支援事業によるホームステイ型の実習も特徴的な教育の一貫として位置付け、早い学年段階から経験を積み重ね、力量を養ってもらうカリキュラムも用意しています。
教師になるためには必ず教育実習を経験することが必須となります。本学部は1年次から学校現場で実際に子どもと接する機会を多く持ち、体験を通して学ぶ機会を多くするための取り組みの1つとして、「教育ボランティア」への参加を促し、定期的な通いによって自らの教育力・実践力を身に付けていくことができるようにしています。教育に意欲的でありながらも躓きや不安な気持ちを抱くのは当然あることです。その解消のためにも早い段階での学びと成長を促してくれる役割が教育ボランティアにあるのではないかと思っています。
教師となるためには、教員採用試験に合格することが必要です。そのため教職キャリア支援室では、教職経験と指導力が豊富な客員教授の先生方による定期的な面接や勉強の仕方などの丁寧な指導を行っています。これまで教師を目指す学生さんのほとんどが教師になっているという実績があり、必ず教職の道に送り出すことができるような支援体制が整っています。
最後にこのホームページに記載された、「学部概要」、「学部の特色」、「課程・コースの紹介」、「専攻(教科)の紹介」などをよくご覧ください。この学部長メッセージやホームページを見ていただいた皆さんが、教師になるという強い希望をさらに強めてくれることを心から期待しています。本学教育学部は、皆さんの教師となる夢を必ず実現させるために支援し、応援し続けていきます。