カリキュラム・授業紹介
カリキュラムの特徴
2年次には、材料工学メジャーの基礎的な科目として、必修科目である「力学」、「物性電磁気学I」、「物理化学I」が始まります。併せて「物理学実験」で講義内容に関連した実験実習を行います。これらの科目には、2年次後期に選択科目「物性電磁気学II」、「固体物理学」がつながります。また「物理数学」は、2年次後期の必修科目「量子力学I」の数学的取扱いの基礎となります。2年次後期には、「物理学演習」を通じて、講義内容の理解をより深めます。
これらの科目は、3年次に学ぶ専門性のより高い選択科目「量子力学II」、「統計力学」、「半導体工学」、「機能デバイス材料論」、「光電子物性論」、「ナノ結晶工学」、「物理化学II」へつながります。実験科目としては「物理学実験」より一歩進んだ「マテリアル科学実験」を受講します。3年次後期になると配属された研究室で「応用物理学特論(材料工学特論)」、「応用物理学実験(材料工学実験)」を受講します。
4年次には、「科学技術英語B」で英語力を培い、通年の「卒業研究」を行って卒業論文にまとめます。
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開講セメスタ | 科目 |
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3セメスタ | 力学★、物性電磁気学I★、物理数学、数値解析演習、物理学実験★、[物理化学I★] |
4セメスタ | 物性電磁気学II、量子力学I★、固体物理学、物理学演習★、[物理化学II] |
5セメスタ | 量子力学II、統計力学、半導体工学、[マテリアル科学実験★] |
6セメスタ | 機能デバイス材料論、光電子物性論、ナノ結晶工学、応用物理学特論★、応用物理学実験★ |
7セメスタ | [科学技術英語B] |
★:必修科目、☆:選択必修科目、[ ]:メジャー共有科目
授業紹介
物質は電荷をもった電子や原子核で構成されています。これらの振る舞いを理解するための基礎的な内容を講義するのが物性電磁気学です。クーロンの法則から始まり、電流と磁場、電磁誘導までを学びます。この講義の内容は、誘電体、半導体、磁性体、有機物などさまざまな材料が、電界や電流、光にどのように応答するかといった性質を理解するための基礎となります。
物理学に関する基礎的な実験を行います。実験を通して物理現象の基本を理解するとともに、実験機器の使用法、データの取得と処理の方法、および実験報告書の書き方などを修得し、問題解決能力の素地を身に付けることを目的とします。実験は少人数の班に分かれて行い、各自がまとめた結果と考察を記したレポートを提出します。
物理化学は、多様な化学の世界を物理学の手法を用いて理解・解明していく学問です。 本講義では、物理学や数学の基礎を元に物理化学の基礎的な理解を深めることを目指し て、前期量子論、量子力学への入門準備、周期表、化学結合、分子の構造などについて 扱うほか、電子スペクトル、振動・回転スペクトル、物質の電気的・磁気的性質、及び 化学反応、熱力学の基礎などについて学びます。
ミクロの世界の文法である量子力学を学び身につけることは、最先端の物質を探索したり、さまざまな物性を開発するための基本的かつ必須の知識です。この講義では、ミクロの世界の基本法則である量子力学について、マクロの世界を支配するニュートン力学と対比しながら学び、波動関数、量子化、演算子、固有状態、固有値(エネルギー)、観測などの新しい基本概念を理解していきます。
固体は原子や分子が集まって構成されています。原子や分子が集団となると、さまざまな電気的性質や光学的性質を示すようになります。それを利用したものが機能性材料や電子材料、特に半導体材料です。この講義では、固体の性質やその評価方法についても触れていきます。
固体物理の講義で取り扱った事柄を基礎として、半導体デバイスの基本について解説します。シリコンを中心とした半導体を用いたpn接合ダイオード、太陽電池、発光ダイオード、金属-半導体接触ダイオードおよび電界効果トランジスタについて取り扱います。またキャリア教育の一環として半導体デバイス開発の流れや半導体関連産業についても解説します。
ナノサイズの結晶に関する基礎的な事項から応用に関する内容を学びます。結晶成長法の基本的な概念からスタートし、ナノサイズの構造を作製する手法について学んだうえで、それらが発現する新規な物性について、量子力学や電磁気学の知識を使って理解していきます。また、その新規な物性から得られる応用についても学習していきます。