wu International Alumni’s Voice 和歌山大学 留学生の体験記

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Vol.3

大変だったことの方が、面白くて忘れられない思い出に。

Tran Thi Kim Loan トラン ティ キム ロアン

ベトナム|交換留学生

2014年9月~2015年9月在籍

ホーチミン市師範大学からの交換留学生として和歌山大学に留学していたロアンさん。 現在はホーチミンで日系不動産会社のマネージャーとして働いています。 初めての海外、初めてのひとり暮らしだったという当時のことを振り返ってもらいました。

留学前

高校まで日本語を学んだことがなかったというロアンさん。大学進学の際、周囲のすすめで日本語学部を選んだことが、日本語との最初の出会いだったそうです。

実は最初、他の言語を志望していたのですが、家族に「日本人はいい人が多いから、日本語もいいんじゃないか」と勧められて、ホーチミン市師範大学の日本語学部を選びました。
入学後、先輩たちが日本語を上手に話している姿を見て、いつかは先輩たちのようになりたいと思いました。せっかく日本語を選んだからには、絶対に話せるようになる!と決めたんです。

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その後、大学を訪れた和歌山大学の学生との交流会に参加したことがきっかけで、和歌山大学に留学することに。初めての海外が「留学」だったということですが、前向きなロアンさんの渡日前の心境は?

不安も少しはあったと思いますが、それよりも外国の景色はきれいかな?とか外国の暮らしや大学はベトナムと同じかな?と確かめたいことがたくさんありましたから。それを楽しみにしていました。
大学へは実家から通っていたので、家族は外国で初めてひとり暮らしすることを心配しましたが、わたしは絶対(留学に)行くと決めていましたので、「自分が行きたいなら頑張るしかないね」という感じでしたね。自分は性格的に、あまり心配しないで、「なんとかなる、大丈夫だろう」と思うタイプですから、それで本当になんとかなってきましたね。

留学中

和歌山大学での生活がスタートし、ロアンさんが驚いたのは「大学が山の上にあったこと」?

ホーチミンには山がなく平地なので、和歌山大学が山の頂上にあることに、とてもびっくりしました。自転車での通学は大変でしたが、今となってはいい思い出です。楽しかったこととか、美しい風景よりも、大変だったり苦労したことの方があとになってみると面白くて、自分にとって忘れられない思い出になるんですよ。

留学した最初の頃は、日本語を上手に使えなくて、大変だと感じました。相手の話していることは60%くらい理解できていたと思いますが、自分の言いたいことを伝えることが難しい。でも一年間の貴重な体験ですから、毎日チャレンジと思って楽しく過ごしました。
和歌山大学では日本人学生と一緒に受けられる授業もあり、昔の日本語や日本語の正しい使い方などについて勉強できたことが今も役立っています。

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留学当時のロアンさん(左)

和歌山ラーメンの店でアルバイト、休日は自転車や電車で各地を旅行するなど、和歌山での生活を満喫したロアンさん。中でも紀州ぶんだら祭りに参加したことがとても思い出に残っているそう。

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たくさんの留学生と一緒に踊りを練習して、準備をしました。当日は浴衣を着て、髪の毛もセットしてもらいました。和歌山では、ボランティアの先生方や留学生支援団体の皆さんが本当に親身になってくれました。着物を着てみたいと言ったら「じゃあやりましょうか」と、そのような機会を作ってくれたり。

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アルバイトでは生活や文化、考え方が違うことで失敗することもありましたが、ボランティアの先生がいつも相談にのってくれて、社会人として必要なことをわたしに教えてくれたと思います。

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お世話になった吉川先生と

「週末になると自転車や電車でどこかに出かけていた」というロアンさんが感じる和歌山の魅力、お気に入りの場所は?

和歌山は自然がたくさんあるので、落ち着いて勉強ができ、住みやすい場所だと思います。留学中、日本の伝統的なお祭りに参加したり、色々な場所へ出かけることができて本当によかったと思います。和歌山にはたくさんお祭りがありますので、是非参加してほしいです。

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温暖な和歌山は柑橘類の生産がさかんです

世界遺産に登録されている高野山は、山に入ると何とも言えない高揚感を感じます。トレッキングしたり、宿坊に泊まることもできて、わたしは留学中に3回ほど訪れました。毎回行くたびに違う気持ちになって、色々なことを体験したいわたしにはぴったりでした。日本に行く機会があったらまた高野山に行きたいと思います。

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高野山奥の院で

現在

1年の留学を終えて帰国し、その半年後にホーチミン市師範大学を卒業。その後5年間日系の旅行会社に勤務したあと、今の会社に転職したロアンさん。現在サービスオフィスの運営マネージャーとして多忙な日々を送っています。ロアンさんのチームが運営するオフィスに入居している企業は4割が日本、他にはタイ、中国、アメリカ、オーストラリア、韓国など実に国際色豊かです。

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接客やビジネスに必要な日本語、メールの書き方などは実際にお客様とのやりとりの中で覚えていきました。語学力はもちろんなのですが、魅力を伝えるセールスのスキル、入居後のカスタマーケアではお客様が何を必要としているか、困っていることはないかを考えることも大切です。

留学経験を通して、ロアンさんが得たもの。そして後輩に伝えたいこと。

留学してよかったことは、自分の価値観を見極めることができるようになったことです。あとは困難にあっても自分で解決できる自信がついたこと。留学の目的は勉強だということを忘れず、自分の専門をしっかりと学んでください。
そして留学したら是非、たくさんの活動に参加してください。5年後10年後振り返ったときに、有意義な時間だったと気付くと思います。仕事でプレッシャーを感じるときも、日本での写真を見返すと前に進む気力を取り戻す気がします。

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interview