わかりあおうとすることから【受験生応援リレー➀】

 最近物事が少しずつ分かるようになってきました。
 僕は幼少期から「コミュニケーション」というものに悩んでいました。初対面の人と喋る時は沈黙が生まれ、気まずい空気に支配される。その空気がすごく怖くて、僕は自分の世界によく逃げ込んでいました。その方が楽だったし、一人でいるのが好きだったから。


 中学、高校もそんな感じでした。友達ができないわけではなかったけれど、友達になる人はおしゃべり好きで、必ず向こうから喋りかけてくれました。自分から喋りかけることは一度もなかったです。
 そんなまま大学生となり、大学の自治寮に入寮しました。その寮で劇とコントをするというイベントがあり、その時に自分が「コミュニケーション」能力が著しく欠如していると痛感しました。自分から話しかけたことがなかったから。

 僕は寮祭が終わると「コミュニケーション」能力をつけるために取材や色々なことをしている広報チームに入りました。相手の話をまとめ言語化する取材は「コミュニケーション」能力をつけるにはもってこいだと思ったからです。しかし、広報チームで活動をしても「コミュニケーション」能力はつきませんでした。まだ自分の言葉で話しができない自分に納得がいかないまま―。


 そんな最近、ある一人の観光学部志望の受験生が広報チームを尋ねてきました。その受験生はコミュニケーションが大好きらしく、たくさん質問。何度も何度も質問。僕達の話を全て理解しようという気持ちが伝わってきて来ました。その質問に答えているうちに、僕は「コミュニケーション」とは何かを理解しました。「コミュニケーション」とはきっと相手の言葉、相手の心を理解しようとする気持ちなんだと。それがわかった瞬間長年のもがきから開放された気がして、感慨深いものがありました。

 さてこれは受験生応援リレーでした。
 人は誰しも悩み、苦しみ、もがいています。受験も、もがき。受験でもがいてもいつか抜け出すことができます。そして受験の意味を分かる時が来るはずです。とりあえず今は、もがき苦しんでください。

 次回の受験生応援リレーは12/19(火)。
「もがき」のプロフェッショナル、観光学部2回生の梶田太陽がお送りします。