講演会(2023年度)
「競争の役割と公正取引委員会の活動 ~デジタル分野における取組と不当表示規制~」(終了しました)
開催日
2023年
11月10日(金)
10:50~12:20
会 場
西2号館 E101
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競争の番人・公正取引委員会が やってくる!
[講演者]
公正取引委員会 近畿中国四国事務所長
原 一弘 氏
[略歴]
平成 4年 3月 早稲田大学政治経済学部卒業
平成 4年 4月 公正取引委員会事務局 経済部調査課
平成 10年 7月 公正取引委員会事務総局 経済取引局
平成 13年 3月 外務省 欧州連合日本政府代表部
平成 16年 7月 公正取引委員会事務総局 経済取引局
平成 19年 6月 公正取引委員会事務総局 審査局上席審査専門官
平成 20年 4月 公正取引委員会事務総局 経済取引局上席下請取引検査官
平成 22年10月 公正取引委員会事務総局 審判官
平成 26年 7月 公正取引委員会事務総局 九州事務所長
平成 29年 4月 公正取引委員会事務総局 官房国際課長
令和 元年 7月 公正取引委員会事務総局 審査局第一審査長
令和 2年 7月 公正取引委員会事務総局 官房総務課長
令和 4年 7月 公正取引委員会事務総局 近畿中国四国事務所長
[対象] 和歌山大学の学生・教職員
[講演概要]
(1) 競争政策の意義
市場における競争によって、企業には成長・事業の活性化、技術革新、市場規模の拡大、消費者には安価で良い商品・サービスの充実、選択肢の多様化、そして社会全体には雇用の増加、新規産業の創出、経済の活性化・発展といったメリットがもたらされる。しかし、一方では競争を妨げる行為を事業者が行うことがあり、競争によるメリットを実現するためには、公正かつ自由な競争を促進してこれを確保するための政策が必要となる。それが「競争政策」であり、その中でも、事業者による競争制限行為に直接対応するのが「独占禁止法」である。
(2)独占禁止法・公正取引委員会
公正取引委員会は、公正かつ自由な競争を促進するために、独占禁止法を運用する専門の行政機関である。独占禁止法は事業者又は事業者団体による競争制限行為を排除するため、①私的独占、②不当な取引制限、③不公正な取引方法及び④競争を実質的に制限することとなる企業結合を禁止している。公正取引委員会は、様々な分野における独占禁止法違反行為に対し厳正に対処してきている。
(3)デジタル分野における取組
公正取引委員会が近年特に力を入れているものとして、GAFAに代表されるデジタルプラットフォーム事業者に関連した取組を挙げることができる。デジタル分野では、利用者が増えれば増えるほど利便性が向上するネットワーク効果が働き、かつ限界費用が低廉であるため、特定の事業者による独寡占が生じやすい性質がある。デジタルプラットフォーム事業者が大きくなることで消費者に対するサービスの向上を期待し得る一方、ライバルとなる新規参入業者に対する競争阻害行為など、独寡占の弊害もみられている。これは世界的に共通の問題であるが、公正取引委員会においても、各種実態調査の実施、個別の事件処理など、デジタル分野における取組を積極的に行ってきているところである。
(4)景品表示法とステルスマーケティング
独占禁止法の特例法として制定された景品表示法は、過大な景品や不当表示を規制する法律である。同法は消費者庁が所管しているが、公正取引委員会は消費者庁長官から調査権限の委任を受け、地方事務所等において、景品表示法違反事件の調査、違反の疑いに関する情報の受付業務、相談業務等を行っている。最近のトピックスとして、近年の消費生活のデジタル化の進展に伴いインターネット広告市場が拡大する中で、広告主が自らの広告であることを隠したまま広告を出稿する「ステルスマーケティング」の問題が顕在化していたところ、景品表示法で禁止する不当表示にステルスマーケティングが新たに追加され、令和5年10 月から同法の規制対象となっている。
[講演風景]
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「長距離フェリー概論~フェリーの社会的役割」(終了しました)
開催日
2023年
11月2日(木)
13:30~15:00
会 場
オンライン または
西3号館 3F
第2会議室(305室)
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[講演者]
株式会社 名門大洋フェリー
常務執行役員旅客本部長
山本 哲也 氏
[略歴]
1954年 京都市生まれ69歳
1977年 兵庫県立神戸商科大学(現兵庫県立大学)経済学科卒業
1984年 (株) 名門大洋フェリー入社
2007年 同社 執行役員営業統括部長就任
2011年 同社 常務執行役員旅客営業部長就任
2021年 同社 常務執行役員旅客本部長就任 現在に至る
国土交通省港湾局「次世代高規格ユニットロードターミナル検討会」委員
(一般社団法人)日本旅客船協会 業務委員
(一般社団法人)日本長距離フェリー協会 業務委員
阪神フェリー協議会 業務委員長
[対象] どなたでもご参加いただけます(無料)
[講演概要]
ご講演は、91ページにも及ぶスライドをご準備いただき、
1.名門大洋フェリーの紹介
2.フェリー総論
3.フェリーによる貨物輸送について
4.フェリーによる旅客輸送について
5.これからのフェリーの課題
の目次構成で実施されました。
「1.名門大洋フェリーの紹介」では、企業理念、会社概要、事業の内容、子会社、航路・ダイヤ、港へのアクセス、輸送実績・品目、船隊整備、最新の新造船に関する説明がなされました。
「2.フェリー総論」では、フェリーとは、日本におけるフェリーの歴史、フェリーの社会的役割と機能、フェリーの社会的責任、業界団体の順に説明がなされました。
「3.フェリーによる貨物輸送について」では、物流業界におけるフェリー輸送の位置づけ、陸上輸送との比較、内航海運との比較、物流業界が抱える問題や課題、モーダルシフトの推進・フェリー輸送のメリット、モーダルシフトに向けた課題についての説明がなされました。
「4.フェリーによる旅客輸送について」では、フェリーの旅客輸送の特長、航送旅客と徒歩旅客、予約から乗船まで、客室と船内設備、教育旅行と海事教育、旅客子会社の活用、2025年大阪・関西万博に関する説明がなされした。
「5.これからのフェリーの課題」では、カーボンニュートラル、船員確保と省力化、新造船建造費とドック費用の高騰、港湾設備の刷新、政府からの輸送力倍増の要請の5つの課題に関する説明がなされました。
[講演風景]
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