和歌山大学教育学部
目 次
和歌山県教育委員会との連携事業
沿革
和歌山大学教育学部と和歌山県教育委員会との連携事業は,平成11(1999)年に連携協議会が設置されて活動を開始し,いくつかの変遷を経て,平成29(2017)年度以降は「地域連携6事業」として活動を継続し現在に至っている(下の組織図参照)。とくに「共同研究事業」に関しては,地域に根ざした教員養成学部としてのパワーアップと,地域の教育の発展と充実に寄与する試みとして,学部の特徴を生かした活動と位置づけて重点的に取り組んでいる。これは,連携協議会のもとで平成21(2009)年度よりスタートした「実践的地域共育推進事業」を母体とし,「大学近隣の市町村教育委員会・公立学校との連携推進事業」や「附属校との連携による実践的研究・実践的教育活動」などを含めて拡充した取り組みを,平成30(2018)年度より現在の名称に改称したものである。
連携事業の内容
1.高大連携出前講義
大学教員がそれぞれの教育・研究の専門性を生かし,県立の高等学校からの希望に基づいて,高等学校に出向いて講義を行うものである。内容はキャリア教育,人権,ICT,心理学,自然科学,異文化理解,地域,観光など多岐にわたる。高等学校側と大学側が,出前講義の取り組みを通じて相互理解を深め,高大連携の深化に寄与することが期待されている。
2.教育ボランティア
学生が公立小・中学校や県立学校へ出向き,授業補助や部活動の指導補助,放課後の学習支援など,様々なボランティア活動を行うものである。これらの活動を通じて,学生が学校現場への理解を深め,教員としての資質・能力を実践的に身につけることが期待されている。
3.教育実践による地域活性化事業
「小規模校活性化支援事業」「へき地・複式教育実習」「小規模校実習」の3事業からなる。いずれも,ホームステイの受け入れなどを通じた地域の方々の協力のもとに,学生や院生が現地に滞在して様々な教育活動を行うものである。小規模校活性化支援事業は,学生が県内の小規模校に出向き,運動会の準備補助や学習支援などの活動を行う。へき地・複式教育実習は,教育学部3年生を対象に2週間の教育実習を行う。小規模校実習は,教職大学院の授業実践力向上コース必修科目「小規模校支援」と関連づけた2週間の実習である。いずれの事業も,学生や院生が小規模校の現場を様々な形で体験することで,教員としてのさらなる資質・能力の向上や地域の活性化に寄与することが期待されている。
4.ミュージアム活動
学生が県立の博物館などにボランティアに出向き,展示活動や教育・広報活動の補助などを行うものである。こうした活動を通して,学生が社会教育の場としての博物館などの業務を理解し,その経験を教育などの様々な活動に役立てることが期待されている。
5.科学教育振興事業
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定される高等学校への出張授業や,きのくに科学オリンピックに参加する高校生の指導,小学校に出向いての理科実験授業などを行うものである。大学側の協力による,初等・中等教育における科学教育の振興が期待されている。
6.共同研究事業
大学教員と初等・中等教育に携わる教員が,様々な教育の課題に関して実践的な共同研究を行い,その成果を報告書にまとめるとともに,成果報告会において発表を行うものである。この取り組みを通じて,初等・中等教育と高等教育の研究交流を推進し,その成果を双方の教育現場に還元することが期待されている。
和歌山市教育委員会との連携事業
沿革
和歌山市教育委員会とは,平成23年に包括的な連携協定を結んで以降,教育実習・ボランティア派遣・現職研修などで連携・協働を進めてきており,教員養成・研修の各分野で大きな成果を生み出している。総会に当たる「運営協議会」には教育委員会から教育長をはじめ,各課の課長,大学からは学部長をはじめ,副学部長や関連委員会の委員長,附属学校の校長・副校長が出席し,年に2回の協議会を開いている。
ボランティア派遣事業
市教育委員会がボランティアの派遣希望を集約し,大学でボランティア登録をした学生を派遣するという仕組みが平成24年度から稼働している。平成29年度は157名、平成30年度は192名がボランティア活動に従事しており,活動の充実が教員としての資質・能力の向上につながっている。
ボランティア派遣事業(学習補充教室推進事業)報告は こちら
(URL:http://www.wakayama-u.ac.jp/edu/facultyofeducation/publication/itaku.html)
小学生の和歌山大への遠足でのボランティア
公立学校での教育実習
上記連携協定に基づき, 市立の園・学校における教育実習を2年次から系統的に行っている。2年次必修科目である教育実習入門Ⅱ(公立小・中学校で1日ずつの観察実習)をはじめ、令和元年度には416名の学生が和歌山市立園・学校での実習に参加予定。