東舞奈さん(教育学部令和2年度卒業生)

  
  

社会人になってから、物事への考え方や行動など、自身の変化についてお教え願います。

 学生時代には、新しいことに取り組むことが苦手だったが、教員になって、様々な挑戦の機会を与えてもらう中で、成功したことも失敗したことも自分の力になっていると感じられるようになり、「何でもやってみよう!」「新しいことに挑戦することで成長できる」と考えられるようになった。 
 責任感が学生の時とは大きく違うと感じている。自分の行動や発言に責任を持ち、真面目に誠実に子どもと保護者、同僚の先生方とも関われるように意識している。 
 拠点校指導員(新規採用の先生を指導する専門の教員)の先生に、子どもの関わりや保護者対応の姿勢等、様々なことを教えてもらった。それが教員として働くための大きな力となっている。 
 

和歌山大学での学びで、卒業後の人生に役に立っていることについて、お教え願います。

 授業の中で、いろいろな学生と共に指導案作成をしたり、教育ボランティアに参加する中で、計画を立てて、実際に行ったりする中で、コミュニケーション力や計画立案の力が身に付いた。 

  • サークル(プラットホーム)活動では、サークルを自分達で運営する経験の中で、小学生から高校生、そして保護者など、幅広い人たちとの関わりが持てた。そうした大学の外の人たちと共に何か行う経験が自分の力になった。 
  • 教養科目の和歌山企業トップ経営論では、教育とは異なる和歌山の経済産業界の話が聞けて、興味深かった。 
     

大学時代にやっておいた方が良かったこと、やっておきたかったことがあれば、お教え願います。

  • 大学時代は自由な時間があるので、様々な場所に行って、いろいろな体験をしておくと、子ども達に話す際に、実体験にもとづいた話ができるようになるので、そうした経験をもっと多く積んでおけばよかったなと感じている。 
  • 学生時代の後半から教育ボランティアに参加したが、もっと早く参加しておけばよかった。
     

今後社会に出る後輩に一言エールをお願いいたします。

  • 学生の時に持っている思いや希望、こんな教師になりたいというたくさんの思いがあると思います。「初心忘るべからず」、そうした思いや希望を大切にしてほしい。
     

【番外編】

希望していた教師になった気持ちは?

  • 子ども達の関わりが、やっぱり楽しい!

理想と現実のギャップは

  • 教員になってみないと、分からない見えない部分があった。書類作成、報告書作成、保護者対応は他の先生に相談し、助けてもらっている。

教師になってよかったと思う瞬間

  • 自分のことばや働きかけ、取り組みが子どもたちの成長や発達につながり、それが子ども達の表情に現れた時、それが保護者にも伝わり、例えば「子どものやる気に繋がっている」と感謝された時。

 

瀬田公寛様(田辺東部小学校校長)



 

和歌山大学卒業生の優れている点などについて、お教え願います。

  • 学生時代に教育ボランティアや教育実習で教育現場の経験を積んでいるため、ある程度教育現場の状況や実態を分かっていると感じている。
     

今後の和歌山大学の教育及び就職支援に期待されることは何か、お教え願います。

  • 新規採用で着任した教員であっても、職員会議や授業研究の発表等の場で自分が感じたことや課題をしっかりと捉えて話ができている。そうしたプレゼンテーションやコミュニケーションの力を引き続き、大学でも重視して育成してもらいたい。
  • 研究に対して前向きであり、また研究を実際に行っていく力があると感じている。そうした研究力は大学で培われると思うので、大切にしてもらいたい。
     

貴校における人材育成で大切にしていることは何でしょうか、お教え願います。

  • 教育現場では、現在40代50代の教員が少ない状況にあり、30代前半で教務主任や研究主任などを務めることが多くなってきている。しかし、児童対応や保護者対応などの経験が十分に蓄積されていない年齢で、そうした役割を果たすのは難しい。そのため、本校では「課題のある児童の対応」「生徒指導」「不祥事」などをテーマに、再雇用の退職教員等にこれまでの経験を話してもらい、若手教員の経験不足を補うミニレッスン型の研修を不定期に開催している。また、若手1名に他の教員2名(学年はバラバラ)の三人一組でグループを結成し、若手教員の課題を他の教員がこれまでの経験をもとに話し合い、振り返っている。そうした場で、例えばICTの効果的な使い方なども情報共有している。子どもたちの課題や学校の目標などを共有し、協働していける力を教員につけてもらうことを大切にしている。
  • 研究授業では、これまでは児童の学力を高めるために教員の授業力の育成に注力していたが、今年度はそれよりも授業が苦手な児童の反応を大切にみとり、一人ひとりの児童の学びの姿に目を向けることを大切に取り組んでいる。児童一人ひとりの学校生活や授業での姿をしっかりと把握することが家庭との繋がりにもなるため、大事な部分として取り組んでいる。
     


 

お忙しい中ありがとうございました。

〔肩書は取材当時のものです〕

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