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システム工学研究科概要

システム工学研究科概要

先端的かつ有用な研究を通して、より良い社会に貢献するエンジニアを養成

現在の産業はさまざまな工学技術の集積と複合化により多様に発展していて、特定の技術分野だけでは時代の要請する産業技術の革新や発展への対応が困難になってきています。

このような多様化・複合化した産業・科学技術に対応する新しい工学がシステム工学です。

システム工学は、個別の技術要素だけでなく、それらのシステムへの統合、そしてシステムの調和と制御についての学理を対象としています。システム工学研究科では4年間の学部教育で培った基礎的な能力を基盤として、より高度でかつ広範な実践的能力へと発展させるための教育を行っています。

研究科の構成

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9つの「クラスタ」を設定

多くの大学院では、特定分野の知識、能力の深化に重点がおかれていますが、本研究科はより高度でかつ広範な実践的能力の育成に重点をおいています。このため、本研究科は、情報系、電気系、機械系、物質系、材料系、建築系、環境系、デザイン系、等の多様な分野から構成されるシステム工学研究科の1専攻の下、日常的な教育・研究を実施する場として9つの「クラスタ」を設定しています。

「クラスタ」は複数の分野から構成されたダイナミズムをもった単位であり、特定の目標に焦点をあわせた研究に加えて、他分野の考え方、視点を取り入れた新しい発想に基づく分野横断型の研究も支援できる体制を取っています。研究室での日常的な教育・研究に加えて、「クラスタ」での議論・討論により、新しい技術や視点を求める社会環境の速い変化、多様化・複雑化する産業技術に即応できる自由度の高い専門性を育成します。

研究科の特長

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多様・多彩な知識・技術を持つ
人材を育成できる

システム工学研究科の特徴の1つが、クラスタと呼ぶ教育・研究領域です。クラスタは、専門研究分野の垣根を越えて集まった教員・学生で構成されています。

クラスタでは、特定の目標に焦点をあてた研究に加えて、他分野の考え方、視点を取り入れた新しい発想に基づく分野横断型の研究に目を向けることが可能となり、多様・多彩な知識・技術を持つ人材を育成することができます。

現在の産業は、さまざまな工学技術の集積と複合化により多様に発展していて、特定の技術分野だけでは、時代の要請する産業技術の発展への対応が困難になってきています。また、新しい技術や製品の開発に際して、既存の組織の枠組みを超えて、広く知識・技術の集結を図る、オープン・イノベーション(開かれた技術革新)を担う人材を求めています。

本研究科は、このような産業界のニーズにマッチした人材を育成することが可能です。

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社会で必要なコミュニケーション・プレゼンテーション能力を身に付けることができる

本研究科の大きな特徴として、「システム工学講究」という講義が挙げられます。これは、上記、クラスタを単位として行われる議論・発表の場です。

クラスタには専門分野の異なる教員、学生が所属していますから、自分の研究内容を発表することにより、「自分の話すことを、専門を異にする人に理解してもらう能力」と、「専門を異にする人の話しを正しく理解する能力」が身についていきます。
なお、クラスタによっては、この「システム工学講究」の講義で、研究発表の他に、ディベートなど、独自にテーマを設けた例もあります。

こうして会得したコミュニケーション・プレゼンテーション能力は、学生時代の、学会や論文発表のときはもちろん、社会人となってからも大いに皆様の力となるはずです。

研究科長挨拶

システム工学研究科長 野村 孝徳

本学大学院システム工学研究科は、システム工学部システム工学科が1学科であるのと同様に、システム工学専攻のみの1専攻で構成される新しい形式の大学院です。これは、複数の領域にまたがる課題の解決や実質的な研究開発をおこなうためには、必要な広い視野を併せもつことが必要とされているからで、本研究科はこのような人材を育成することを目的としているからです。

産業技術の複合化、ディジタル化の勢いは凄まじいものがあります。カメラといえば少し前(1990年代後半)までは、フィルムカメラしかありませんでしたが、今ではデジタルカメラを思い浮かべる人がほとんどでしょう。あるいはスマートフォンについているカメラのことを思い浮かべるかもしれません。光学機器としてのカメラで化学反応を利用してフィルムに記録していた時代から、電気的に画像を記録する一種のコンピュータのようなデジカメ、スマートフォン内蔵カメラの時代にあっという間に移行しました。スマートフォンで撮影された写真は、インターネットで共有され、遠く離れた場所でも容易に、すぐに見ることができるようになりました。スマートフォンの開発には、機械系、電気系、情報系の知識や技術を総動員する必要があります。どれか一つの専門領域だけでは到底なし得なかったことでしょう。

これは一つの例ですが、複雑化する社会問題の解決や高度化する産業分野の製品開発では、一つの専門領域をもちながらも、周辺の技術領域を俯瞰的に眺めて技術の統合を図ることができる能力、プロジェクトをマネージする能力が求められます。このような能力をもった人材を育成するには、深い専門性と広い視野を同時に育成することが必要です。システム工学研究科では深い専門性を有するとともに、従来の技術および学術領域の枠を超えたカリキュラムを用意し、複合領域としてのシステム工学を研究対象とすることにより、多様かつ多彩な知識や技術をもつ人材を育成することを目的としています。

システム工学研究科の特徴の一つが、クラスタと呼ぶ教育・研究領域です。クラスタは学術的あるいは科学・産業技術的に研究目的を共有する教員と大学院生により構成され、共通の研究目的に対してさまざまな角度から研究を展開し、その成果の共有により専門性の深化と多面的な視野を培う場です。現在は九つのクラスタがありますが、名称やクラスタの数は、時代や社会の要請の変化に応じてそのあり方を随時見直しています。名称が創設時から不変なクラスタは一つしかありません。

複合領域であるシステム工学に関する研究を通して、実践的な問題解決能力、研究開発能力を身につけ、社会で活躍する人材を育成し、研究成果を社会に還元することを使命として、システム工学研究科は研究教育活動を展開しています。実際に多くの学生が、大学院博士前期課程の2年間で大いに成長し巣立っています。将来、産業界をはじめとする社会で活躍する人材とならんとする意欲のある皆さんを歓迎いたします。

 

後期課程について

和歌山大学大学院システム工学研究科博士後期課程では、本研究科博士前期課程からの進学者のみならず、他大学大学院博士前期課程(または修士課程)からのご入学も大いに歓迎します。

本研究科博士後期課程では、従来の博士論文研究を中心に行うシステムエンジニアリングコースに加えて、現在の社会が必要としているグローバル人材の育成をめざすグローバルエンジニアリングコースを併設しています。グローバルエンジニアリングコースでは、博士論文研究とともに、将来の企業のリーダーなどを目指す国際人になっていただくために長期の海外インターシップ履修を必須としています。この海外インターンシップ制度においては、システム工学研究科が積極的な費用支援を行います。

一方、社会人の技術者・研究者の皆様方には、本研究科博士後期課程では、学術的な視点からご自身の技術の集大成を行い、博士の学位を取得することを支援しています。製造業や公共システム・社会システムなどの産業に対応した工学的技術・複合的なシステム技術の研究教育を行っています。
業務多忙や遠地の社会人学生の皆様に、効率よく、また快適な環境で学んでいただくため、指導教員が職場等へ出向き研究指導を行う「出前指導」や、国際会議発表のための「英語論文作成指導」などの支援を実施しています。さらには、研究を多角的に検証することを目的に、さまざまな専門の教員とのコミュニケーションの機会を設けた「複数教員による研究指導」も実施しています。

本システム工学研究科・博士後期課程への一般入(進)学者にはリサーチアシスタント(RA)制度、社会人入学者には高度知識技能職育成プログラムによる多額の経済的支援も実施しておりますので、国際人ならびに社会人リーダーとしてのセンスを兼ね備えたドクター「博士(工学)」を目指して、是非、本システム工学研究科・博士後期課程へ入学(進学)していただきたいと思います。

沿革

平成7年4月 システム工学部創設準備室の設置
平成7年10月 システム工学部(情報通信システム学科、光メカトロニクス学科、精密物質学科、環境システム学科、デザイン情報学科の5学科)を設置
平成8年4月 システム工学部 情報通信システム学科・光メカトロニクス学科・環境システム学科 学生受入開始
平成9年4月 システム工学部 精密物質学科・デザイン情報学科 学生受入開始
平成9年8月 システム工学部A棟竣工
平成11年5月 システム工学部B棟竣工
平成12年4月 大学院システム工学研究科修士課程システム工学専攻を設置
平成14年4月 大学院システム工学研究科博士課程システム工学専攻を設置

システム工学部看板設置学部沿革用写真建設中のシステム工学部B棟

システム工学部 創設記念式典システム工学部A棟B棟

システム工学研究科 設置記念式典博士課程設置記念式典システム工学部 創立10周年記念式典

10周年記念植樹